ゴッドクエスト

紅蓮の焔

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12章 決戦!魔王との戦闘!

169話対処法

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「レイン!」
サツキが体勢を立て直した時にはもう遅く、レインは肩を無くして倒れていた
「はあ、はあ、ふ、ふふ、あっははははは!やっぱり僕に勝つなんて事は不可能さ!スキルをまだ2つしか使ってないのに勝っちゃったよ!」

ブスッ

「はぇ?」
カオスが高笑いをしていると何かが胸に刺された感覚がしてその部分を見た
そこには赤い刀身の刀が胸に突き刺さっていた
「は?何これ?こんなの意味ないじゃん」
カオスがレインを見るとレインは肩を押さえて息を荒げて顔色を悪くしていた
「もう無理しないで楽になっちゃいなよ。今ならさっさと殺してあげるよ、どうする?」
「はぁあ…?い、や…だね。ミル、お姉さんに…はあ、はあ、謝…れよ」
「じゃあもう良いよ」
レインは震えた唇を噛むとホムラを抜き、それと同時にカオスを蹴り飛ばした
(これであいつはもう死ぬはず…早くミルお姉さんに謝れ)
「レインくん?」
頭からピョコンとハミが顔を出した
「ハミちゃん…血、止めて…流石にフラフラ、するから…」
「でも、さっきもだけど治さなくて良いの?」
「治したら、さっきと同じ…肉体で殴る…より魔力で作った腕…の時は灰になら…なかった、でしょ?」
「そ、そうなの?なんだか分からないけど「もう来た!」あ、え?」
レインはハミを掴んで投げ飛ばすと同時に右腕でカオスの手を防いだ
「…やっぱり灰にならないのか~、凄いね!どうやってるのか知らないけど…もう君を生かす理由が無くなった事は確かだよ」
レインはカオスを再び蹴り飛ばすとホムラを鞘に納めた
【主人?】
「ご、ごめん、ホムラくんが、当たると、灰になっちゃう、から」
【そうだよホムラくん!レインくんの心配より自分の心配しなよ!】
「ははは…」
レインは苦笑しながら2人の会話を聞いていると蹴り飛ばしたカオスが動かなくなった
「かっ…た?」
「な~んてね」
カオスは元気に起き上がると肩を回し始めた
「なんで?…胸を、刺した、のに」
「あ~、僕には他の者のスキルを奪う事が出来、それを強化して使うことが出来るんだ。レイトくんの上位互換かな?まあそう言う訳で魔王軍の大体の者のスキルを奪ったかな?パッシブや能力ユニークスキルは擬似までが限界っぽいけど」
「…つまり?」
「つまり今の僕=魔王軍全員って事になるかな?」
カオスの言葉を聞きレインはヒヤリとした
「は、ははは、か、勝てない…かも」
レインは血が滴る肩に目を向け、更に後ろから隙あらば攻撃しようとしているサツキが視界に映り、慌てて目で合図して止めさせた
(お母さん、攻撃、めてね)
サツキはレインの目の意味を感じ取り驚いていたがコクリと頷いた
「じゃあもうさよなら…君、鬱陶しかったよ」
カオスはニコリと微笑むとレインの顔へ手を伸ばした
(殺される!)
レインは反射的に目を瞑った

……

…………

………………
しかしいつまで経っても手は襲って来なかった
レインが恐る恐る目を開けるとそこにカオスはいなかった
「あ、れ?」
レインは気が抜けてフラりと倒れそうになったがなんとか体勢を立て直して周りを見渡そうとキョロキョロし始めた時にカオスが視界に入った
カオスの傍には白く小さな物体が落ちていた
「レイン、大丈夫か?」
レインの肩に手を置いた者を確認しようと横目で声のした右を見た
「リュート…さん?」
「…お前は少し休憩してろ。お前のお陰であいつの対処法はもう分かった」
「っ!嫌だ、よ!僕、も!」
レインは大声を出して目眩を起こした
「自分の体を見てみろ。あいつを倒したいのは分かるが今のお前じゃ絶対に勝てない…少し休んで来い。サツキ!」
リュートは手を上げてサツキを呼ぶとサツキはすぐに来た
「レインを頼む。安全な場所、この石ころをあそこの壁にぶつければ壁が歪むからその内に壁の中に入れ、ナタ達がいるから。俺がこいつの相手をしている内に!」
「…大丈夫なの…か?」
サツキが不安そうにリュートの顔を見上げると一瞬物凄い気迫でカオスを睨んでいたがすぐにいつも通りの優しい顔に戻った
「ああ、大丈夫だ」
リュートは手を鳴らしてカオスが起き上がるまでストレッチをし始めた
「早く行け」
「ああ、必ず戻って来る」
サツキはそう言い残し壁に向かって走っていった
「おい、起きてんだろ?」
「バレてたか~」
カオスが起き上がると同時にリュートはカオスの顔面を殴った
「もうあんな攻撃は懲り懲りでね」
「チッ」
リュートはすぐに手を引っ込めると同時に左手を前に突きだし、すぐに引っ込め再び右腕を前に突きだした
「無駄だっ…え?」
カオスがリュートの拳に触れるが灰にはならずカオスは舌打ちした
「やっぱりか!」
リュートは次にそのまま間髪入れず回し蹴りを喰らわすとカオスは吹っ飛んでいった
「「これで終わりだ!」な~んて思った?」
カオスはリュートの目の前にいきなり現れそのまま顔に触れた





「ここか」
リュートがカオスを引き留めている内にサツキはハミを連れてレインを背負いながら壁の前に来た
「ほい」
サツキが壁に向かって投げると石ころは壁の中に消えて波紋状に歪んだ
「入れ!」
ハミに命令しながら走ってその中に入るとそこに皆は待機していた
「サツキちゃん!?」
「レイン様!?」
ジエルとアリスが駆け寄って来ると2人はいきなり抱き着かれた
「よかった~、サツキちゃん達が無事で~」
「良かったです。レイン様がご無事で…」
サツキはそんな2人を突き離すと怒鳴った
「それよりも!早くこいつを看病してくれ!」
「え?それってハミちゃんに治して貰えば…」
「レインくんは治さないで…って」
その言葉にこの場にいる全員首を傾げた
「なんで?」
「分かんない」
「とにかくあのイカれ魔王を倒すためにはそれがヒントになる」
「そうね、レインくんがなんでそんな事を言ったのか心配にはなるけど…それは置いといてまずはレインくんをどうする?」
カオリがサツキの方を向くとサツキは驚いて自分の顔を指差した
カオリが首を縦に振るとサツキは腕を組んで暫く考え込んだ
「そうだ!あいつはレイトの上位互換と言っていた。つまりレイトの能力を知れば何か分かるかも!」
サツキがそう提案しレイトを探し始めるとサツキ以外は黙り込んで、俯いた
「どうしたんだ?」
「レイトさん今はこんなになってるんだけど…」
そう言いカオリはレイトを引き摺ってサツキの前に持ってきた
「まだこの状態なのか?」
「…うん」
サツキが嘆息してレイトの鳩尾を蹴るが全く反応がない
「生きているのか?」
「多分…【生きてますよ】誰!?」
突然聞こえてきた声に驚いて辺りを見回すが全員驚いていて、サツキと同じ行動を取っていた
わたくしです。シリです】
「シリさん!?どこにいるの!?」
【すみませんが姿は現せません。現在肉体の再構築中でして…後2日程姿を見せられないかと】
「…それなら別の質問だ。レイトが生きているとなぜ断言出来る?」
【それなら簡単です。レイト様はわたくしの能力を取り込んだのです。つまり死神族と同じ不老不死の能力を…】
「死んでないの?だったら私が治してあげる」
ハミはレイトを治そうとレイトの胸の上に乗り目を瞑った
「おぅわ!なにこれ!全身バキバキに折れてるし肋骨ろっこつも全部折れてる!しかも肺に肋骨ろっこつが突き刺さって息が出来てないよ!」
ハミがレイトの胸に手を当てて再び目を瞑って深呼吸すると淡く優しい光がレイトを包み込み数秒で消えた
「ごほっ!ごほっごほっ!」
「ふう、完了!」
レイトは起き上がると思いきり息を吸った
「はあ、はあ、く、苦しかった~!おいシリ!どこにいやがる!」
【今すぐにでもレイト様に抱き付きたいのですが…!】
「てめぇ!お前のせいで俺は死ぬ所だったんだぞ!?」
【安心してください!死神族は不老不死です!】
「黙れ!」
【肉体が戻ればレイト様の胸に飛び込みたいです!】
「肉体がもど「五月蝿い!人が寝てたら起こしちゃダメだろうが!」」
そう言い突然起きてきたアモはレイトを蹴り飛ばした
「…あれ?ここは?」
「ここは魔王城の「魔王城!?何をしてるんだ!早くしないと魔王のやつを殺し損ねるぞ!」」
説明しようとしていたサツキは嘆息して石ころを手渡した
「これを壁に向かって投げろ。それでこの先に出る事が出来る」
「ありがとうな!」
アモは思いきり石ころを投げると石ころは物凄い勢いで飛んでいった
「うおおおぉぉぉぉぉおお!待ってやがれ魔王!」
「おい待て…はあ、アリス、レインを頼む」
「分かった」
サツキはそれだけ言うとレイトを引っ張って壁へ走っていった
3人が壁を抜けると同時にリュートがカオスに顔を触られた場面が視界に映った
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