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7章 激闘! 波乱の脱出!
78話 ついに脱出!
しおりを挟むコツコツコツコツ…
靴の音が鳴り響き、レンゼの耳に聞こえるのは水の流れる音と足音のみ…
コツコツ…
そこで足を止めると遠くで僅かに誰かの怒鳴り声が聞こえた気がしたが、今はそれより外に出る事を目標としている
レンゼは自分の左側から聞こえてくる水流の音に耳を澄まして音が消えていく方向へと進む
(せめテ…昼までに外に出ないト…)
そう心に決めると水流の音に耳を傾けつつ、その方向へ歩いて行く
コツコツコツ…
あれから暫く歩いていると目も多少は慣れ始め、少しは風景も分かるようになって来た
風景と言ってもレンゼの左側に静かな音を立てて流れる下水と、レンゼが今現在歩いている地下にある石を切り出して造った様な道だったが、歩ける事には変わりは無いので進んでいく。この道が嫌で例え戻ったとしても大頭領に殺されるだけなのでこの先に出口がある事を信じて歩いて行くしか方法が無い。それは宛ら運命に敷かれるレールの上を歩いているみたいで少し不安が心に引っ掛かるもそれを押し殺して足を動かす
「新人くん!」
突然の怒鳴り声に身体を震わせ、一瞬アイシスを肩から離してしまい、下水の川に落としてしまう所だったがアイシスがレンゼの肩を左手で掴み、それで巻き込まれそうになるもいつから起きていたのか…クラークが体重を反対側に掛けてなんとか下水に落ちる事を防いだが、反対側に3人して倒れた
「はぁ~…危ないんだよ! 何度も呼んだのにやっと反応したと思ったら落とされそうになったんだよ!? 全く…何してるんだよ…ボス達がこんな事になってるって言うのに…」
「本当に…お前何してんだよ! 俺が起きてなかったら3人仲良く下水の川にバシャンかよ!」
クラークが怒りを露にしてレンゼを睨むとレンゼはギラッと睨み付けた
「エンヴィーに壁に叩きつけられてすぐに気絶した奴に言われたくねェなァ…」
「ぐっ…」
エンヴィーと言うのが誰の事を言っているのか察し、クラークは反論出来ずに俯いた
「何はともあレ…起きてンなら動ケ、半身無くしてるアイシスはともかくお前まで乗られてちャ俺の肩が壊れル」
「あぁ? やんのかおら?」
「上等じャねェカ! やってやるとも! ここから出てからナ!」
「その言葉…忘れんじゃないぞ…」
クラークは舌打ちすると立ち上がって歩き始めた
「新人くん…持って欲しいんだよ…」
「あァ…すまン」
アイシスを担ぐとレンゼはクラークの後を追い掛けた
暫く歩いていると光明が射し込む天井の存在があった
「あそこから外に出るのカ?」
「は? それじゃあ逆にそれ以外に何があるって言うんだよ」
当たり前の返事を返すと梯子を昇って蓋を押し上げる
ガコンッ!
その刹那、目を眩ます程の強烈な太陽光に反射的に腕で目を保護する
「おい、行くぞ。今なら誰も見てない」
「クラークくんはこっちの事も考えて欲しいんだよ! 僕と新人くんは普通の人間なんだから!」
「…はあ…分かったよ…」
クラークは溜め息を吐いて上着を脱ぐと半分程、穴を塞いで、光をも半分だけ遮った
それだけでも大分マシになったレンゼは腕を下ろした
「ほら、早く昇って来い。誰かに見られでもしたら通報されるかも知れねぇ…」
レンゼは梯子に手を掛けると息を吸って思いっきり力を込めて体を上がらせ、それと同時に手も更に上の棒を掴む。そして穴に近付いて来るとアイシスをクラークに渡す
「よいしょっと…」
それを受け取ったクラークはアイシスの胸の横辺りを掴んで外に出す
ブルルルルルル…
その時偶々通り掛かった車の音にアイシスはその方向へ目を向けた
「っ!」
「うんしョッ…」
レンゼが上がって来るとアイシスがレンゼに向かって物凄い速さで振り向いた
「今! 今!」
「おいおい、落ち着けって…ボス達を助けたいのも分かるけどまずはお前の義肢を直して貰わないといけないだろ?」
「でもでも! ついさっき「何をするにもまずは機動力が大事だろ? 特にお前は…今のままじゃ火力も機動力も無い…それに一人じゃ歩けもしない…ただの足手まといだ。ボス達なら俺が救う…お前達はその辺りで時間でも潰してろ」」
クラークはそれだけを言い残すと蓋を蹴って閉じるとどこかへ去っていった
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