復讐の慰術師

紅蓮の焔

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8章 計画前夜…月明かりの下で…

88話 苛立ち

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「本当になんなんだよ…」
「さぁねぇ…知ってても教えてあげないよ。僕に利益がある訳でも無いしね」
グラトニーは腰を曲げてアベルを睨み付けた
「ん~…僕ね、男の子なら10歳までが良いんだけど…」
「知らねぇよ!」
しびれを切らしてアベルはグラトニーの鳩尾を殴り付けた
「痛いなぁ…これだから男は…」
グラトニーは残念そうに首を小さく振ると口を大きく開けた
「アベル様!」
思わず2号は走り出し、グラトニーの鳩尾から手を離そうとしているアベルの手を掴んで逃がさない
「こんな所で死ぬ訳には行かねぇんだよ!」
アベルは金的を蹴りあげ、鈍い音が鳴り響いた
それでもグラトニーの口は止まらない

ドンッ!

すると突然アベルの体が横に突き飛ばされた
「っ!」
「人間の急所と僕の急所が同じ訳無いじゃないか…」
そしてアベルの前で真っ赤な華が飛び散る
「2号!?」
「んん~、残ったのは腕と脚か~…知ってる? 実は女の子の中でも特に美味しい部位が太股でね…蕩ける様な甘さにしっかりとした歯応え…そして少女の絶望の表情がその美味しさを更に引き立てる! 本当に美味しいんだよね…」
ニヤニヤして2号の脚を掴んでペロペロと太股を舐める
「2号…?」
その光景を目の当たりにしてそれに赤子の様に四足歩行で近付いていく
「ししょー…」
「2号…おい、嘘だろ? 嘘だよな!? 何かの間違いだ…そんな事ある訳無い…」
「あのね、人間はいつかは死ぬんだよ。僕らの様に不老不死でも無い君達は精々80年程度の寿命、長寿でも100年程度…弱い君達は数を残して死んでいく。僕らみたいに強い者はそんな事は無い…死なない…死ねない…僕らと君達との強さの違いはそこですぐに分かる。君達人間は弱い。それに君はまだ子供だ。悲しむ事は無い…君達に出来る事は所詮その程度だ」
男はアベルを蹴って、2号の脚2本と腕を持って、1本ずつ口に入れて行く
「ああ~っ! 最ッ高だね! この食感! この味! この味はまだ処女なんだね~…またまた最高だよ~…!」
「止めろよ…!」
「嫌だよ。君は美味い料理を前に食べてる最中、止めろって言われて食べるのやめる? やめないでしょ? それと同じだよ。所詮僕も美食家なんでね…」
今度は見せ付ける様に腕を食べる
「あ~…んっ! んん~! 美味し~!」
「あ…あぁ…」
そうして最後の1本が食べられ、男はニコッと微笑み血の付けた顔でアベルを見る
「う~ん…それじゃあ面白そうだしイイコト教えてあげる。明日、遂に皆が揃ったから日没と共に計画の最終段階に入るんだよ。あの人と共にね。皆は本部のどこかにいる。そして彼女は僕の中で栄養になるのを待っている。僕の養分になる前に僕から吐き出すしか助け出す方法は無い。それじゃあ頑張って助けてあげてね。バイバーイ!」
男は手を振るとアベルが来た方向へ歩いて行った
「ししょー…おねーちゃんが…」
「分かってる…」
アベルは歯軋りして立ち上がった
「明日…本部に…」
少し先で建つ、他の建物より大きな建物を見据えて唇を噛んだ
「あの方向…!」
拳を握り閉めるとキョロキョロと見回し、民家の壁に取り付けられた配管が天に向かって昇っているのが見えた
「シン…行くぞ…! ここにいてもあいつみたいな奴らが来るだけだ!」
「わかりました!」
アベルは呼吸を整えてその配管へ走り出し、そして飛び乗った
「早く! 昇れないなら俺が連れて行ってやる! だから早く来い!」
「わ、わかりました!」
シンはアベルの背中に飛び移り、そのままアベルは配管を上り詰め民家の屋根を伝ってレンゼ達が倒れている場所へ向かう
(一体なんなんだ…くそっ…あいつらを見返すって言って…母さんの事も守れて無いじゃねぇか…)
再び歯軋りして少し眉間にシワの出来た40代の女性を思い浮かべて頬に涙が伝う
(明日…明日! あいつから母さんも…2号も取り戻す…!)
そう決意を固めて跳躍して別の民家へ跳び移った
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