復讐の慰術師

紅蓮の焔

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9章 計画当日

102話 クラークの戦闘

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「え~と…げっ! 最初の別れ道で反対に行けばエレベーターが…!」
(あそこ特有でも無かったんだ)
沈む気持ちを無理矢理引き上げて再び冷気が漂う建物内へ再び走り出した
(こっちを右に曲がって少し走ると左に……あった!)
少し滑る足元に気を付けつつエレベーターの中に設置されている『UP』と『DOWN』、そう彫られた下にボタンがあり、鉄の柵で出来た入口から中に入り込み、柵を閉めると『UP』のボタンを押す

ガゴンッ!

(大丈夫…だよな…?)
不安に心を駆られながら上へと昇って行くエレベーターから見上げる
(アリサ…)
アイシスの足を持つ手に力が入り、ギシギシと金属が軋む音が耳を刺激する

ギギギギ…ゴンッ!

突然エレベーターが大きく揺れ、思わず尻餅を着いた
「な、なんだ!?」


数分前…

ザシュッ!

「ぐぅっ!」
「いだっ!」
「お前らはここで食い止める!」
腹を切り裂かれたグラトニーとスロウスは少し距離を置いて方膝を着き再生を待っていた
その腹を切り裂いたのは鉤爪を生やしたクラークだ
「はは…君のそれ、なんだい? それに君…本当に人間かい…?」
再生が終わったグラトニーは立ち上がってスロウスとクラークと三角の位置で互いを睨み合い始めた
「…だったらなんなんだよ…!」
グルル…と低く唸るクラークに獣の姿を連想したグラトニーは1度首を振った
「まあ良いよ。スロウスくんも君も食べちゃうから…♪」
ペロリと唇を舐めるとグラトニーは不用意にクラーク達に近付いてきた
「ほら、攻撃してみなよ。君ら如き僕の敵じゃ無いって事、証明してあげるよ」
「うるざい!」
掠れた声と共にスロウスはグラトニーに走って行き
「君なんか一番簡単だよ。百何年も眠ったままで昔より動きも鈍い…そんな君が今までちゃんと生きてきた僕に勝てるとでも?」
「黙れ…!」
回転を掛けながら斜めに蹴り降ろす

シャク…

「っ…!」
脚を喰われ、そのまま体勢を崩して頭から地面に落ちる
「オラァ!」
スロウスが地面に落ちると同時にグラトニーに向かって四足歩行で駆け出したクラークは太股に思いっきり噛み付きそのまま腹に鉤爪を突き刺した
「がはっ…!」
血を吐き出し、それを手で拭うとクラークを睨み付けた
「やってくれるねぇ…」
「まだまだぁ!」
鉤爪を1度引き抜くと、グラトニーは再び血を吐き出しもう1度、今度は胸骨の部分を引っ掻いた
それと同時にグラトニーの側頭部が再生を終えたスロウスに蹴り飛ばされる
「ぐっ…!」

ドォォォォォン!

そのまま本部の壁にぶつかり、壁を幾つか破壊して行き、最後には建物が大きく揺れた
建物が揺れると同時にスロウスはもう片方の脚でクラークの頭を蹴り飛ばした
「ぐゎ!」
しかしクラークは鉤爪を地面に突き刺してなんとか堪え、スロウスは次々に追撃する
「じね!」
「チィッ…!」
盛大に舌打ちして敵対してくる少年に押されまくっているクラークは躱しきれずに次々と攻撃を喰らう
「痛いなぁ…僕もまだ終わってないよ…?」
スロウスの後ろから不敵な笑みを浮かべて口を大きく開ける男が近付いて来る
「好い加減に…しろ…!」
スロウスはクルリと振り返り殺気の籠ったでグラトニーを睨み付ける
「好い加減にするのはそっちだよ。こっちとしても本気は出したくないんだ。疲れるからね。だから早く死んでくれよ」
「や…だ……」

パタンっ…

「すぅ…すぅ…」
突然寝息を立て始めた少年にクラークは驚愕し、口をポカンと開けた
「やっと5分経ったよ…」
「5分?」
「教えてあげるよ。この子はスロウス。この名前の由来は体力の急激な消耗にあるんだ。この子の体は少し特殊でね、5分動くとその後百何年かは動けない程疲弊するんだ。でも代わりに5分間だけは全く疲れないらしいけどね」
くつくつと笑うグラトニーに歯軋りして睨み付ける
「それじゃあ始めようか。華麗なる蹂躙食事を…」
狂気の笑みを浮かべる男にクラークはゾッと背筋を凍らせた
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