109 / 315
9章 計画当日
104話 少女
しおりを挟む
「お前がアリサ攫ったのか? あぁ?」
怒りを顕に睨み付けるレンゼに少女は軽く笑う
「えぇ、ゴミ以下の価値の人間が幾ら死んだ所で何も起きやしないのですから別状問題はありません」
気絶しているアリサを背負い、足を引き摺らせながら魔術式の外へ連れ出すと壁に凭れさせ少女を睨み付けた
「…ゴミ以下の価値ぃ? っざけんな! てめぇ調子に乗ってんなよ…! 生憎と今、虫の居所が悪いんでなぁ…!」
「人間風情が何を言うのですか? 貴方如きが私に勝てる…とでも?」
「例えどれだけ負けようが女子に負けるほど弱いつもりはねぇ!」
レンゼが少女に走り出すと少女はふふふ…と不敵な笑みを浮かべ手を前に翳し、左から右に素早く振った
ビキビキビキ…
すると、少女が振った掌の軌跡が氷として現れ、そこからレンゼに向かって数本だけ伸びてくる
氷は氷柱状に形作られその矛先はレンゼに向いている
そしてそれを弾き飛ばす様に先程の手を左へ軌跡をなぞる様に払った
ドドドドドン!
それに強く叩かれた氷柱はレンゼの方へ物凄い速度で飛んできた
しかし、物凄い…と言っても精々銃弾程度の速度なのでレンゼにとって目で追う事は可能だった
後はそれを見切った上で左右上下に躱して最後に膝を地面に付けて体を後ろに倒し鼻面を掠めただけの被害で終わった
「は! こんな物かよ!」
起き上がって大声を張り上げると立ち上がり少女を睨み付けた
その時に少女は小さく息を吐いた
「これだから人間は…」
少女は嘲笑すると両手を床に付けた
バキバキバキ!
突如、レンゼの足元から巨大な氷柱が生え先程の比にならない速度で上へと上昇していく
「何してんだよ!」
「すみません、貴方如きこの程度で充分と判断しました」
少女は片手を振ると先程と同じ様に氷柱がレンゼに向いて作られる
ドドドドドン!
そして再び撃ち出された
「ふっ!」
氷柱の頂点から少し下に腕を構えて方向をずらすと次々と迫る氷柱を蹴ってずらしてを只管に繰り返した
「ッらぁ!」
最後の氷柱を大きく上に蹴り上げた
「無様ですね…しかし、もう終わりましたので」
ドオオオォォォォォォオオン!
辺りが大きく揺れ動き天井が崩れる
「っ! アリサ!」
「させませんよ」
シャアアァァァァァァ…
まるで滑る様な音が背後から聞こえ、アリサを背負い振り返ると目の前に微笑む少女の口があった
「ここまで邪魔されたのです。貴方には死んでもらいます」
ヒュッ!
自分の左足を蹴って態と転けると前髪を掠り、前髪が凍り始めた
「っ!?」
ドサッ
床に転げると自分の手首から手の甲に向けて触る少女の姿が見えた
その触った部位が凍りナイフの様な形になった
「っ!」
アリサを隣に蹴ってその勢いで少女の横腹を回し蹴った
「ぐっ…!」
それには少女も驚いた様で肺の空気を吐き出してその場に崩れ倒れた
「うわァァァァァァァア!」
ゴギッ!
首を思いっ切り蹴り落とし鈍い音が鳴り響いた。それと同時にピクピクと少女の体が痙攣し始め、レンゼはアリサの方へ走っていった
「アリサ!」
数十m程先に倒れているアリサに手を伸ばすと同時に瓦礫と共に悲鳴が落ちてくる
「ちょ! うわ! あわわわ!」
「はあッ!」
ピカッ!
頭の上で青く光が発せられ、アリサを庇う様に抱き抱える
ドドドドン!
あたり一面に瓦礫が崩れ落ち生物が潰される音、動物達の悲鳴、断末魔、血の飛び散る音、全てがレンゼの耳を劈く
「ぐぅ…ッ!」
アリサを強く抱き締めて堪えていると頭を撫でられた
「…!」
顔を上げると涙が込み上げてきた
「良かった…! 本当に…良かった…!」
アリサの腹に顔を埋めてギュウっと抱き締めると優しく頭を撫でられる
「よしよし、大丈夫だからね…」
「ゔぅぅ…本当に…本当によがっだ…ありざが無事で…ぼんどうによがっだ…!」
ドンッ!
レンゼの泣き声を掻き消す様にレンゼ達の真横を瓦礫が飛んでいった
怒りを顕に睨み付けるレンゼに少女は軽く笑う
「えぇ、ゴミ以下の価値の人間が幾ら死んだ所で何も起きやしないのですから別状問題はありません」
気絶しているアリサを背負い、足を引き摺らせながら魔術式の外へ連れ出すと壁に凭れさせ少女を睨み付けた
「…ゴミ以下の価値ぃ? っざけんな! てめぇ調子に乗ってんなよ…! 生憎と今、虫の居所が悪いんでなぁ…!」
「人間風情が何を言うのですか? 貴方如きが私に勝てる…とでも?」
「例えどれだけ負けようが女子に負けるほど弱いつもりはねぇ!」
レンゼが少女に走り出すと少女はふふふ…と不敵な笑みを浮かべ手を前に翳し、左から右に素早く振った
ビキビキビキ…
すると、少女が振った掌の軌跡が氷として現れ、そこからレンゼに向かって数本だけ伸びてくる
氷は氷柱状に形作られその矛先はレンゼに向いている
そしてそれを弾き飛ばす様に先程の手を左へ軌跡をなぞる様に払った
ドドドドドン!
それに強く叩かれた氷柱はレンゼの方へ物凄い速度で飛んできた
しかし、物凄い…と言っても精々銃弾程度の速度なのでレンゼにとって目で追う事は可能だった
後はそれを見切った上で左右上下に躱して最後に膝を地面に付けて体を後ろに倒し鼻面を掠めただけの被害で終わった
「は! こんな物かよ!」
起き上がって大声を張り上げると立ち上がり少女を睨み付けた
その時に少女は小さく息を吐いた
「これだから人間は…」
少女は嘲笑すると両手を床に付けた
バキバキバキ!
突如、レンゼの足元から巨大な氷柱が生え先程の比にならない速度で上へと上昇していく
「何してんだよ!」
「すみません、貴方如きこの程度で充分と判断しました」
少女は片手を振ると先程と同じ様に氷柱がレンゼに向いて作られる
ドドドドドン!
そして再び撃ち出された
「ふっ!」
氷柱の頂点から少し下に腕を構えて方向をずらすと次々と迫る氷柱を蹴ってずらしてを只管に繰り返した
「ッらぁ!」
最後の氷柱を大きく上に蹴り上げた
「無様ですね…しかし、もう終わりましたので」
ドオオオォォォォォォオオン!
辺りが大きく揺れ動き天井が崩れる
「っ! アリサ!」
「させませんよ」
シャアアァァァァァァ…
まるで滑る様な音が背後から聞こえ、アリサを背負い振り返ると目の前に微笑む少女の口があった
「ここまで邪魔されたのです。貴方には死んでもらいます」
ヒュッ!
自分の左足を蹴って態と転けると前髪を掠り、前髪が凍り始めた
「っ!?」
ドサッ
床に転げると自分の手首から手の甲に向けて触る少女の姿が見えた
その触った部位が凍りナイフの様な形になった
「っ!」
アリサを隣に蹴ってその勢いで少女の横腹を回し蹴った
「ぐっ…!」
それには少女も驚いた様で肺の空気を吐き出してその場に崩れ倒れた
「うわァァァァァァァア!」
ゴギッ!
首を思いっ切り蹴り落とし鈍い音が鳴り響いた。それと同時にピクピクと少女の体が痙攣し始め、レンゼはアリサの方へ走っていった
「アリサ!」
数十m程先に倒れているアリサに手を伸ばすと同時に瓦礫と共に悲鳴が落ちてくる
「ちょ! うわ! あわわわ!」
「はあッ!」
ピカッ!
頭の上で青く光が発せられ、アリサを庇う様に抱き抱える
ドドドドン!
あたり一面に瓦礫が崩れ落ち生物が潰される音、動物達の悲鳴、断末魔、血の飛び散る音、全てがレンゼの耳を劈く
「ぐぅ…ッ!」
アリサを強く抱き締めて堪えていると頭を撫でられた
「…!」
顔を上げると涙が込み上げてきた
「良かった…! 本当に…良かった…!」
アリサの腹に顔を埋めてギュウっと抱き締めると優しく頭を撫でられる
「よしよし、大丈夫だからね…」
「ゔぅぅ…本当に…本当によがっだ…ありざが無事で…ぼんどうによがっだ…!」
ドンッ!
レンゼの泣き声を掻き消す様にレンゼ達の真横を瓦礫が飛んでいった
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
サナリア王国は、隣国のガルナズン帝国の使者からの通達により、国家滅亡の危機に陥る。
従属せよ。
これを拒否すれば、戦争である。
追い込まれたサナリアには、超大国との戦いには応じられない。
そこで、サナリアの王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るため。
サナリア王が下した決断は。
第一王子【フュン・メイダルフィア】を人質として送り出す事だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことなんて出来ないだろうと。
王が、帝国の人質として選んだのである。
しかし、この人質がきっかけで、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす。
伝説の英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる