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12章 放浪
186話 子供たち
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「多分もう……あ。あの子だ」
頬に白い絆創膏を付けた少年が他の少年少女と何処かに向かっていた
「お~い! 仕事やって来たぞ~!」
大きな声を上げ、手を振るとレンゼに仕事を与えた少年が気付き、レンゼの方に歩いて来た
「あるがとな……それで何処にある?」
「ここ」
小さい鞄を肩から外して渡し、中を少年に見せる
「うん、これだ。ありがとう。今日は泊まっていってくれ。金なら明日渡すから」
「分かった……そう言えば名前は?」
「ああ、まだ言ってなかったな。俺の名前はリオン。宜しくな。1日だけだが」
リオンが手を差し出してくる
「あぁ」
そう返事をしてその手を取り握手を交わした
リオン達に付いて行くと木の上に造られた木造三階建ての家が建てられていた
「おお……すげぇ……!」
その下には畑、その隣には配水ポンプがあり、少し先には倉庫が建てられていた
木の幹には階段が造られていて簡単に上に登れる仕組みになっていた
しかし、その木の近くの木の上に見え隠れする、葉に隠れた小屋のガラスの無い窓から覗く黒い影が動いた様に見えた
「そう言われると造った甲斐があったぜ……」
嬉しそうに鼻を擦るリオンを見て、レンゼは苦笑した
すると途端に真剣な表情を浮かべて赤く晴れた空を見上げた
「あ! わりぃ! ちょっと仕事残ってたの忘れてた! リベラ、その子に案内してやって!」
何処かに走って行くリオンを無言で見詰めると、リベラと呼ばれた金髪の動きやすそうな服装をした少女にお辞儀をした
「案内お願いします」
「分かった。こっち来て」
「……それでここが女子の部屋ね」
「あ、俺は男だから」
レンゼがそう言うと露骨に嫌悪感溢れる顔を見せた
「そう言うのは分かるけど襲われたく無いでしょ?」
「本当に男だから」
「じゃあ証拠見せてよ」
そう言われ、レンゼは流石に諦めた
「分かった……そっちで良い……」
因みにツリーハウスの一階が共同スペース。二階が男子部屋。三階が女子部屋に分かれ、ツリーハウスを織りてから更に奥に行った所には温泉が造られており、岩と土で固めた壁で半分に区切られていてその手前に左から赤と青の暖簾が掛けられていて、その少し奥に木の天井がある部屋が造られて、そこから温泉に向かう事が出来る。それは女子部屋の窓から見て分かった
共同スペースである部屋の中心に、長テーブルとその周りに並べられた椅子の1つに座ってテーブルにうつ伏せた
「う~ん……やっぱり見た事ある気がするんだよなぁ……」
リオンが持ったまま村に戻ったので記憶にしか無いがそれでもやはり気になった様子で、ずっと考えていた
「……あ、ちょっと待てよ? もしそうなら……」
自分の手袋を嗅いで大きく溜め息を吐いた
「止めに行こう……」
椅子から立ち上がりツリーハウスを出て地面に飛び降りるとつま先で着地し、そのまま前転し衝撃を和らげた
「あいつ……急がないと……」
軈て空が暗くなり始め、その頃にレンゼはリオンの居た村に着いた
「クソッ! あいつ……何処に行った!?」
辺りを見回すが全く見当たらない
「チッ……」
大きく息を吸って、ゆっくり肺の空気を全て吐き出した
「……ッ! だはぁ! ハァ……ハァ……大体の場所は掴んだ……」
呼吸を整えてリオンの声が聞こえてきた方へと走って行った
「……居た!」
ある家の外で息を切らしているリオンを見て顔を顰めた
「どうした?」
「ん? うわっ! なんでここに!?」
「いや、その……耳が良いから……」
レンゼは目を逸らしてそう答えると様子のおかしいリオンに聞いた
「さっきの薬草。どうした?」
「ん? ああ。それなら親父に使ったよ……」
「親に? なんで……そんな事を?」
リオンは鼻で笑い、レンゼの顔を見た
「そんなに知りたいか?」
「ああ。知りたい」
「本当の本当に知りたいんだな?」
「ああ。本当の本当に知りたい」
「親父……元々は良い奴だったよ。だがな。最近は俺の事を殴り、蹴り、終いには掘りやがった……」
顔を赤らめて呟くと一度深呼吸をして再び話し出した
「そんなある日な? 仮の最中に森の中である薬草を見付けたんだよ……トリカブトって言う名前の毒草のな。けど苦しませるだけじゃ流石に罪悪感が残るから……少しでも……少しでも気持ち良くさせる為に君の持って来た大麻って言う植物を取らせに行かせたんだ……それにだ。困ってるのは俺だけじゃない。あそこに居た子供たち全員、親に玩具として弄ばれてる奴らさ。この村の大人はおかしい……俺でも分かる。その中でもリベラは一番、俺より酷かった。親に犯され、雑用、寝食や着換えも手伝わされ面白くなければ殴られ、犯され、それでも生きてた……リベラは強い……そんな……あんな……弱い者を苦しめ、弄ぶだけの大人たちを殺す。その為に俺らは集まった。我慢した。生きてきた。全てこの日の為に……」
震えた声でレンゼを見上げた
「なあ? ここまでされてなんで殺しちゃいけないんだよ? 良いだろ? 毒殺だって、何殺だって……奴らは俺らを怒らせた。何人も夢を砕かれ、好きな奴を殺され、自害した。なのに……なんで俺たちは手をだしちゃいけないんだよ? 奴らは平然と俺らを殴って……殺して……弄ぶのに……」
「……」
リオンは涙目になってレンゼの胸を弱く、何度も叩いた
「だからさ……この事は黙っててくれよ……これでやっと平和を……安寧を取り戻せるんだよ……!」
「……あのさ。俺も同情はする。母さんを殺された恨みでここまで来た」
「だったら「それでも何も知らなかった奴に説明も碌にせず利用した。それは許せない。だから一度だけ……一度だけお前を不利にさせる」」
「え?」
リオンがレンゼの顔を見て信じられないと言った顔をするとレンゼは大きく息を吸った
「お、おい……やめろ……」
しかしレンゼは息を吸うのをやめない
「やめろって……言ってるだろ!」
レンゼを押し倒すとリオンの後ろのドアが勢い良く開いた
頬に白い絆創膏を付けた少年が他の少年少女と何処かに向かっていた
「お~い! 仕事やって来たぞ~!」
大きな声を上げ、手を振るとレンゼに仕事を与えた少年が気付き、レンゼの方に歩いて来た
「あるがとな……それで何処にある?」
「ここ」
小さい鞄を肩から外して渡し、中を少年に見せる
「うん、これだ。ありがとう。今日は泊まっていってくれ。金なら明日渡すから」
「分かった……そう言えば名前は?」
「ああ、まだ言ってなかったな。俺の名前はリオン。宜しくな。1日だけだが」
リオンが手を差し出してくる
「あぁ」
そう返事をしてその手を取り握手を交わした
リオン達に付いて行くと木の上に造られた木造三階建ての家が建てられていた
「おお……すげぇ……!」
その下には畑、その隣には配水ポンプがあり、少し先には倉庫が建てられていた
木の幹には階段が造られていて簡単に上に登れる仕組みになっていた
しかし、その木の近くの木の上に見え隠れする、葉に隠れた小屋のガラスの無い窓から覗く黒い影が動いた様に見えた
「そう言われると造った甲斐があったぜ……」
嬉しそうに鼻を擦るリオンを見て、レンゼは苦笑した
すると途端に真剣な表情を浮かべて赤く晴れた空を見上げた
「あ! わりぃ! ちょっと仕事残ってたの忘れてた! リベラ、その子に案内してやって!」
何処かに走って行くリオンを無言で見詰めると、リベラと呼ばれた金髪の動きやすそうな服装をした少女にお辞儀をした
「案内お願いします」
「分かった。こっち来て」
「……それでここが女子の部屋ね」
「あ、俺は男だから」
レンゼがそう言うと露骨に嫌悪感溢れる顔を見せた
「そう言うのは分かるけど襲われたく無いでしょ?」
「本当に男だから」
「じゃあ証拠見せてよ」
そう言われ、レンゼは流石に諦めた
「分かった……そっちで良い……」
因みにツリーハウスの一階が共同スペース。二階が男子部屋。三階が女子部屋に分かれ、ツリーハウスを織りてから更に奥に行った所には温泉が造られており、岩と土で固めた壁で半分に区切られていてその手前に左から赤と青の暖簾が掛けられていて、その少し奥に木の天井がある部屋が造られて、そこから温泉に向かう事が出来る。それは女子部屋の窓から見て分かった
共同スペースである部屋の中心に、長テーブルとその周りに並べられた椅子の1つに座ってテーブルにうつ伏せた
「う~ん……やっぱり見た事ある気がするんだよなぁ……」
リオンが持ったまま村に戻ったので記憶にしか無いがそれでもやはり気になった様子で、ずっと考えていた
「……あ、ちょっと待てよ? もしそうなら……」
自分の手袋を嗅いで大きく溜め息を吐いた
「止めに行こう……」
椅子から立ち上がりツリーハウスを出て地面に飛び降りるとつま先で着地し、そのまま前転し衝撃を和らげた
「あいつ……急がないと……」
軈て空が暗くなり始め、その頃にレンゼはリオンの居た村に着いた
「クソッ! あいつ……何処に行った!?」
辺りを見回すが全く見当たらない
「チッ……」
大きく息を吸って、ゆっくり肺の空気を全て吐き出した
「……ッ! だはぁ! ハァ……ハァ……大体の場所は掴んだ……」
呼吸を整えてリオンの声が聞こえてきた方へと走って行った
「……居た!」
ある家の外で息を切らしているリオンを見て顔を顰めた
「どうした?」
「ん? うわっ! なんでここに!?」
「いや、その……耳が良いから……」
レンゼは目を逸らしてそう答えると様子のおかしいリオンに聞いた
「さっきの薬草。どうした?」
「ん? ああ。それなら親父に使ったよ……」
「親に? なんで……そんな事を?」
リオンは鼻で笑い、レンゼの顔を見た
「そんなに知りたいか?」
「ああ。知りたい」
「本当の本当に知りたいんだな?」
「ああ。本当の本当に知りたい」
「親父……元々は良い奴だったよ。だがな。最近は俺の事を殴り、蹴り、終いには掘りやがった……」
顔を赤らめて呟くと一度深呼吸をして再び話し出した
「そんなある日な? 仮の最中に森の中である薬草を見付けたんだよ……トリカブトって言う名前の毒草のな。けど苦しませるだけじゃ流石に罪悪感が残るから……少しでも……少しでも気持ち良くさせる為に君の持って来た大麻って言う植物を取らせに行かせたんだ……それにだ。困ってるのは俺だけじゃない。あそこに居た子供たち全員、親に玩具として弄ばれてる奴らさ。この村の大人はおかしい……俺でも分かる。その中でもリベラは一番、俺より酷かった。親に犯され、雑用、寝食や着換えも手伝わされ面白くなければ殴られ、犯され、それでも生きてた……リベラは強い……そんな……あんな……弱い者を苦しめ、弄ぶだけの大人たちを殺す。その為に俺らは集まった。我慢した。生きてきた。全てこの日の為に……」
震えた声でレンゼを見上げた
「なあ? ここまでされてなんで殺しちゃいけないんだよ? 良いだろ? 毒殺だって、何殺だって……奴らは俺らを怒らせた。何人も夢を砕かれ、好きな奴を殺され、自害した。なのに……なんで俺たちは手をだしちゃいけないんだよ? 奴らは平然と俺らを殴って……殺して……弄ぶのに……」
「……」
リオンは涙目になってレンゼの胸を弱く、何度も叩いた
「だからさ……この事は黙っててくれよ……これでやっと平和を……安寧を取り戻せるんだよ……!」
「……あのさ。俺も同情はする。母さんを殺された恨みでここまで来た」
「だったら「それでも何も知らなかった奴に説明も碌にせず利用した。それは許せない。だから一度だけ……一度だけお前を不利にさせる」」
「え?」
リオンがレンゼの顔を見て信じられないと言った顔をするとレンゼは大きく息を吸った
「お、おい……やめろ……」
しかしレンゼは息を吸うのをやめない
「やめろって……言ってるだろ!」
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