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13章 前哨戦
212話 トイレ
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「しょりぇでしょりぇで!? おねーちゃんのおねーちゃんはどーしたの!?」
レンゼは執拗に目をキラキラさせる少年に得意気になって鼻を高くした
「おねーちゃんはお腹を鳴らす悪い人達を沢山やっつけましたとさ!」
「おぉ~! ぼくもおねーちゃんのおねーちゃんのごはんたべてみたい!」
「因みにそのおねーちゃんはすっごく綺麗で優しくて強い。凄いよ……本当に……」
微笑んでそう告げると少年は首を傾げた
「おねーちゃんよりきりぇ~?」
「うん。俺なんかじゃ……足元を見る事も出来ない位に綺麗で……眩しい、存在なんだ……」
「へぇ~……じゃあじゃあ! ぼくがおねーちゃんのとこりょにあしょびにいったりゃおねーちゃんとけっこんしゅりゅ! おねーちゃんのおねーちゃんのごはんもたべりゃりぇりゅしおねーちゃんといっぱいあしょべりゅし!」
「ハハッ……そう……出来ると良いね」
目を細めて微笑むと少年の顔が僅かに赤くなった
「ぼく! おねーちゃんともけっこんしゅりゅ!」
「覚えていたらね」
はにかんで笑うと少年は大きく頷いた。それを見て頭を撫でるとチラッと盲目と思われる男の方を見る。近くに大人は、誰も居ない
「ぼくのなまえはね~「ちょっとごめん。トイレに行ってくるね」」
「うん」
少年に手を振ると男に声を掛ける
「すみません。トイレって何処にあります?」
「え~っと……少々お待ち下さい」
男はすぐ側に立て掛けていた金属の棒を持って床を叩きながらレンゼに手を差し伸べた
「こちらです」
その手を取ると男について行く
「あの」
「何か?」
男は止まってレンゼの方を向いた
「人を殺した事……ってありますか?」
「……いいえ。ありませんよ」
「ですが……私、見た事あるんですよ。貴方のこと。それも人が殺された……殺人現場で」
その瞬間、レンゼが鳥肌を立てた
「見間違いではないでしょうか? お嬢さん」
「ど、どうやって俺の性別を……?」
「声ですよ。その高い声は女性にしてはやや高い。それなら子供……」
眉間にシワを寄せて男を見詰める
「そして子供でも多少は声の高さが違うのです。そこから導き出した答えがお嬢さんです」
「へ、へぇ~。それじゃあはな「着きましたよ」」
男が指を指した先にトイレがあり、舌打ちした
「ではお先に戻っていますので」
男は軽く会釈して元の場所へ戻って行った
「クソッ……しくじった……!」
トイレを済ませて手袋を外して手を洗うと鞄の中に入れてある赤い布で拭いて再び手袋を装着する
「……戻られたら子供を盾に取られる可能性もある……その上他の目もあるから殺しは出来ねぇ……クソ~……! トイレ位我慢すれば良かった! 女と思われてるなら色仕掛けでも……」
顔を赤らめ、首を横に振った
「考えろ……奴を誰にも見られずに殺す方法を……!」
頭を掻いて考えていると誰が入って来た
「……ど、どうも~」
「君は……ちょっ……と後でね……」
入って来た男、ジョンは口を押さえて個室トイレに歩いて行った
「……ああ……リズさんにやられたか?」
個室トイレのドアが閉まる音と共に嘔吐する音が聞こえて来た
「え~っと……それで、なんで君がここに? リズさんの家に居るんじゃ?」
「それは……そうそう! 襲われたんですけど奴らが出て行ってるか分からないんでリズさん達に教えようとここまで来た訳ですよ!」
「……でも護衛が居た筈だよね?」
「護衛? いや、知りませんけど……」
ジョンは顎に手を置いて少し瞑目するとレンゼの肩に手を置いた
「少し……リズさんと一緒に居てくれないかな? 俺達に教えに来たのなら別に構わないよね?」
「……ハァ、分かりました」
「うん。ありがとう。俺はちょっとやる事があるから……」
そう言い残してジョンはトイレを去って行った
レンゼは執拗に目をキラキラさせる少年に得意気になって鼻を高くした
「おねーちゃんはお腹を鳴らす悪い人達を沢山やっつけましたとさ!」
「おぉ~! ぼくもおねーちゃんのおねーちゃんのごはんたべてみたい!」
「因みにそのおねーちゃんはすっごく綺麗で優しくて強い。凄いよ……本当に……」
微笑んでそう告げると少年は首を傾げた
「おねーちゃんよりきりぇ~?」
「うん。俺なんかじゃ……足元を見る事も出来ない位に綺麗で……眩しい、存在なんだ……」
「へぇ~……じゃあじゃあ! ぼくがおねーちゃんのとこりょにあしょびにいったりゃおねーちゃんとけっこんしゅりゅ! おねーちゃんのおねーちゃんのごはんもたべりゃりぇりゅしおねーちゃんといっぱいあしょべりゅし!」
「ハハッ……そう……出来ると良いね」
目を細めて微笑むと少年の顔が僅かに赤くなった
「ぼく! おねーちゃんともけっこんしゅりゅ!」
「覚えていたらね」
はにかんで笑うと少年は大きく頷いた。それを見て頭を撫でるとチラッと盲目と思われる男の方を見る。近くに大人は、誰も居ない
「ぼくのなまえはね~「ちょっとごめん。トイレに行ってくるね」」
「うん」
少年に手を振ると男に声を掛ける
「すみません。トイレって何処にあります?」
「え~っと……少々お待ち下さい」
男はすぐ側に立て掛けていた金属の棒を持って床を叩きながらレンゼに手を差し伸べた
「こちらです」
その手を取ると男について行く
「あの」
「何か?」
男は止まってレンゼの方を向いた
「人を殺した事……ってありますか?」
「……いいえ。ありませんよ」
「ですが……私、見た事あるんですよ。貴方のこと。それも人が殺された……殺人現場で」
その瞬間、レンゼが鳥肌を立てた
「見間違いではないでしょうか? お嬢さん」
「ど、どうやって俺の性別を……?」
「声ですよ。その高い声は女性にしてはやや高い。それなら子供……」
眉間にシワを寄せて男を見詰める
「そして子供でも多少は声の高さが違うのです。そこから導き出した答えがお嬢さんです」
「へ、へぇ~。それじゃあはな「着きましたよ」」
男が指を指した先にトイレがあり、舌打ちした
「ではお先に戻っていますので」
男は軽く会釈して元の場所へ戻って行った
「クソッ……しくじった……!」
トイレを済ませて手袋を外して手を洗うと鞄の中に入れてある赤い布で拭いて再び手袋を装着する
「……戻られたら子供を盾に取られる可能性もある……その上他の目もあるから殺しは出来ねぇ……クソ~……! トイレ位我慢すれば良かった! 女と思われてるなら色仕掛けでも……」
顔を赤らめ、首を横に振った
「考えろ……奴を誰にも見られずに殺す方法を……!」
頭を掻いて考えていると誰が入って来た
「……ど、どうも~」
「君は……ちょっ……と後でね……」
入って来た男、ジョンは口を押さえて個室トイレに歩いて行った
「……ああ……リズさんにやられたか?」
個室トイレのドアが閉まる音と共に嘔吐する音が聞こえて来た
「え~っと……それで、なんで君がここに? リズさんの家に居るんじゃ?」
「それは……そうそう! 襲われたんですけど奴らが出て行ってるか分からないんでリズさん達に教えようとここまで来た訳ですよ!」
「……でも護衛が居た筈だよね?」
「護衛? いや、知りませんけど……」
ジョンは顎に手を置いて少し瞑目するとレンゼの肩に手を置いた
「少し……リズさんと一緒に居てくれないかな? 俺達に教えに来たのなら別に構わないよね?」
「……ハァ、分かりました」
「うん。ありがとう。俺はちょっとやる事があるから……」
そう言い残してジョンはトイレを去って行った
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