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16章 帰り道には危険がある
273話 目的地(ゴール)は見えるが気持ちは見えない
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「泣き虫レンゼ~!」
舌を出し右の舌瞼を引っ張る
「うるせぇ! お前こそあんな応急処置紛いな事してみろ! くっそ痛いからな!?」
「私はあんな怪我しないも~ん!」
頬を痙攣させ、ギュッと拳を握り締める
「あれぇ? もしかして怒ってるぅ?」
腰を折り、下からレンゼの顔を覗き込むようにして見ながらニヤニヤと笑う
「べ、別に? 怒ってないけど? 早く帰ろうか。アリ……」
乾いた血で作られた仮面の下、レンゼの顔は青褪める
「? アリさん? アリさんがどうかしたの?」
「違う……アリサ……」
「アリサ……ハッ!」
それと同時に二人の歩く速度が極端に遅くなり、次の駅に着いた頃には夕方になっていた
「はぁ……なんか家に帰るの嫌になって来た……」
少し離れた所で座り込み、駅を見詰めながら二人して苦笑する
「ああ……俺もだ。でもな。帰らなかったら俺ら、死ぬんだぞ?」
「分かってる! 分かってるから静かにして! 今考えてるの!」
軈て空が紫に染色されるとレンゼは立ち上がりロゼの頭を軽く叩いた
「ほら、行くぞ」
「あ、ちょっと! 待ちなさいよ!」
路線沿いに歩いて行くレンゼの後を追い駆け、二人並んで歩いて行く
「後どれくらいでお家?」
ロゼは腕をプラプラとさせ気怠そうに歩き、レンゼの髪を二回、クイッと引っ張る
「後は……確か次の駅を通り越してその次」
その手を払い、答えるがまた髪を掴まれ諦めたように溜め息を一度吐く
「じゃあ、明日には着く?」
「徹夜すれば夜の内には着くと思うけど?」
「はぁ……こんな事になったの全部あんたがおバカなせいだから……」
そう言うと溜め息を吐き、空を見上げる
「綺麗な月……ここにアリサが居ればなぁ……」
「知らねぇよ。汽車から降りるお前が悪い」
「帰ったらたっぷりお返しするから」
肘でレンゼの腕を攻撃すると頭を叩かれポカポカと殴り付けた
そうこうしている内にまた駅に着く
「次の駅でやっと帰れる~!」
路線の隣でドサッと倒れ、ゴロゴロと転がり最終的に仰向けになる
「はぁ……そだな……」
ぐぎゅぅうるるる……
「お腹鳴らしてる~!」
笑って隣に座っているレンゼに指を指す
「そりゃ腹減ったからな……」
溜め息を吐き立ち上がる
「ほら、行くぞ」
「え~! もう?」
小さく頷くとロゼは文句を垂れ流しレンゼに付いて行った
代わり映えの無い風景、路線の向こうに森がある。変化と言えばそれと月の位置くらいしか無い
後は延々と続く同じ景色、その景色にも見飽き二人の会話が無くなり少し経つとロゼが座り込んだ
「疲れた~! もう歩けない~!」
「頑張れ。もうちょっとだぞ?」
「やだやだやだぁ~! もう歩けない~!」
駄々をこねる子供のように地面で転げ回る
「……じゃあ帰ったら一つ言うこと聞いてやるから……」
「ホントに!?」
レンゼが頷くとロゼは打って変わって立ち上がりスキップし出す
「早く帰ろ~!」
「調子の良い奴め……」
小さく微笑むとロゼの後を歩いて追った
暫く歩き、朝になり始めた頃
「あ! やっと見えて来た!」
レンゼ達の目の前に小さく、だがハッキリと建物が視界に入る
「やっとお家に帰れる~!」
ロゼは両手を挙げ、満面の笑みを浮かべて駆けて行く
「はぁ……はぁ……」
そんなロゼの後を追い、歩き続けるレンゼの顔は乾いた血で塗られた仮面が汗によって少しだけ剥がれていた
「早く早く~!」
レンゼの方に走り戻って来たロゼは、レンゼの手を引っ張り駅まで走って行く
「ちょ、今は……」
レンゼは小石に躓き、地面に顔面ダイブした
「だ、大丈夫!? アリサに怒られるから頑張りなさいよ!」
「はぁ……はぁ……先に帰ってろ……疲れたから少し駅に着いてから休憩して帰る……」
ヨロヨロと立ち上がるとフラフラと歩きながら駅に向かって歩いて行く
「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ! これだからおバカさんは困るのよね~! 私一人で帰ってもアリサが大変な思いするだけでしょ!」
「そうか……そうなら出来るだけ早く帰るから先帰ってろ……」
「そうじゃなくて!」
言葉を詰まらせ黙り込む
「と、とにかく一緒に帰るの!」
そう怒鳴るとそっぽを向いてレンゼの隣を歩き始めた
舌を出し右の舌瞼を引っ張る
「うるせぇ! お前こそあんな応急処置紛いな事してみろ! くっそ痛いからな!?」
「私はあんな怪我しないも~ん!」
頬を痙攣させ、ギュッと拳を握り締める
「あれぇ? もしかして怒ってるぅ?」
腰を折り、下からレンゼの顔を覗き込むようにして見ながらニヤニヤと笑う
「べ、別に? 怒ってないけど? 早く帰ろうか。アリ……」
乾いた血で作られた仮面の下、レンゼの顔は青褪める
「? アリさん? アリさんがどうかしたの?」
「違う……アリサ……」
「アリサ……ハッ!」
それと同時に二人の歩く速度が極端に遅くなり、次の駅に着いた頃には夕方になっていた
「はぁ……なんか家に帰るの嫌になって来た……」
少し離れた所で座り込み、駅を見詰めながら二人して苦笑する
「ああ……俺もだ。でもな。帰らなかったら俺ら、死ぬんだぞ?」
「分かってる! 分かってるから静かにして! 今考えてるの!」
軈て空が紫に染色されるとレンゼは立ち上がりロゼの頭を軽く叩いた
「ほら、行くぞ」
「あ、ちょっと! 待ちなさいよ!」
路線沿いに歩いて行くレンゼの後を追い駆け、二人並んで歩いて行く
「後どれくらいでお家?」
ロゼは腕をプラプラとさせ気怠そうに歩き、レンゼの髪を二回、クイッと引っ張る
「後は……確か次の駅を通り越してその次」
その手を払い、答えるがまた髪を掴まれ諦めたように溜め息を一度吐く
「じゃあ、明日には着く?」
「徹夜すれば夜の内には着くと思うけど?」
「はぁ……こんな事になったの全部あんたがおバカなせいだから……」
そう言うと溜め息を吐き、空を見上げる
「綺麗な月……ここにアリサが居ればなぁ……」
「知らねぇよ。汽車から降りるお前が悪い」
「帰ったらたっぷりお返しするから」
肘でレンゼの腕を攻撃すると頭を叩かれポカポカと殴り付けた
そうこうしている内にまた駅に着く
「次の駅でやっと帰れる~!」
路線の隣でドサッと倒れ、ゴロゴロと転がり最終的に仰向けになる
「はぁ……そだな……」
ぐぎゅぅうるるる……
「お腹鳴らしてる~!」
笑って隣に座っているレンゼに指を指す
「そりゃ腹減ったからな……」
溜め息を吐き立ち上がる
「ほら、行くぞ」
「え~! もう?」
小さく頷くとロゼは文句を垂れ流しレンゼに付いて行った
代わり映えの無い風景、路線の向こうに森がある。変化と言えばそれと月の位置くらいしか無い
後は延々と続く同じ景色、その景色にも見飽き二人の会話が無くなり少し経つとロゼが座り込んだ
「疲れた~! もう歩けない~!」
「頑張れ。もうちょっとだぞ?」
「やだやだやだぁ~! もう歩けない~!」
駄々をこねる子供のように地面で転げ回る
「……じゃあ帰ったら一つ言うこと聞いてやるから……」
「ホントに!?」
レンゼが頷くとロゼは打って変わって立ち上がりスキップし出す
「早く帰ろ~!」
「調子の良い奴め……」
小さく微笑むとロゼの後を歩いて追った
暫く歩き、朝になり始めた頃
「あ! やっと見えて来た!」
レンゼ達の目の前に小さく、だがハッキリと建物が視界に入る
「やっとお家に帰れる~!」
ロゼは両手を挙げ、満面の笑みを浮かべて駆けて行く
「はぁ……はぁ……」
そんなロゼの後を追い、歩き続けるレンゼの顔は乾いた血で塗られた仮面が汗によって少しだけ剥がれていた
「早く早く~!」
レンゼの方に走り戻って来たロゼは、レンゼの手を引っ張り駅まで走って行く
「ちょ、今は……」
レンゼは小石に躓き、地面に顔面ダイブした
「だ、大丈夫!? アリサに怒られるから頑張りなさいよ!」
「はぁ……はぁ……先に帰ってろ……疲れたから少し駅に着いてから休憩して帰る……」
ヨロヨロと立ち上がるとフラフラと歩きながら駅に向かって歩いて行く
「ちょ、ちょっと! 待ちなさいよ! これだからおバカさんは困るのよね~! 私一人で帰ってもアリサが大変な思いするだけでしょ!」
「そうか……そうなら出来るだけ早く帰るから先帰ってろ……」
「そうじゃなくて!」
言葉を詰まらせ黙り込む
「と、とにかく一緒に帰るの!」
そう怒鳴るとそっぽを向いてレンゼの隣を歩き始めた
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