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三章 炎は時に激しく、時に儚く、時に普遍して燃える
番外『あなたのいない歯車のような日常を回し続ける』
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『 私は──独りだった。
過ぎ去っていく青春の一ページ、一文、一行、一単語、それだけでも刻まれたのならば、私は嬉しい。そんな些細なことで一喜一憂する私に、あなたは優しい微笑みを浮かべてくれた。ただそれだけのことなのに私はあなたに恋をした。
この恋に気付いて、それでも、あなたにそれを伝える勇気がなくて、だから、一緒にいた。ずっと、ずっと一緒にいた。平日に登校中、授業中、下校中、放課後に、休日に公園、レストラン、道端、雨の日も風の日も、どんな時だって一緒にいられたらよかった。
──けれども、あなたは事故にあってしまった。
私の目の前で。
ああ、なんで……。なんで、こんな事に……。
苦しむあなたを見て、辛うじて息を繋ぎ止めているあなたを見詰めて、私は、ずっと言葉にすることのできなかったその想いを、その想いを口にする勇気を、その首根っこを掴んで、私は、あなたの目の前で言った。
──あなたが、好きだった。
そうして告げた想いなのに、どうしても動かなくなったあなたには届かなくて。
まだ生温かいあなたの体を揺すっても動くのは、力なく私の腕に揺られる首が左右にのみ。所々潰れて、削れたあなたの体を見るたびに、名残惜しいような、心臓を掻きむしって開いた口から血が流れ出すような──、
──心臓に、槍が突き刺された気分だった。
涙が落ちた。
──こんな事があったのに、私は、信じられずにいる。あの人はどこかで生きているはずだと、そう信じている。どこにもその面影が無いのに、その形も、温もりも、優しさも、笑顔も、全てが消えて無くなってしまったのに、私はまだ、あなたがどこかで生きていると信じていたい。
私は、いつまでもあなたが帰って来ることを願って待っている。
ずっと、待ち続ける。何年でも、何十年でも。でももし生きているなら、そして私のお願いを聞いてくれるなら、もう一度私に姿を見せて、私に声をかけて、私にその笑顔を向けて。ただ、それだけでいいの。
──そう願って、もう、十数年が経った。
私はもう学生じゃなくて、社会人。だけど、ずっとあなたの事があたまから離れない──……。
「ああ、なんで……」
病室の窓から吹き抜ける風が彼女の頬を触りたがる髪を追い返すと、彼女は過去を想い、再び、甘く楽しい日々の夢想へと更ける。
暖かな日差しが差し込む、とある病室でのことだった。』
ここまで書き上げて、内容を保存し、赤いノートパソコンを閉じると眼鏡を外して折り畳み、その隣に置いた。
こんな生活の始まりはいつだったか、ふと思い至って、考えてみると、存外すぐに思い出した。ただの自己満足だったことには変わりない、ただの自己嫌悪だったことには変わりない、ただの自己否定だったことには変わりない、そう思って気が付けば、顔が下を向いていた。
冷たいフローリングの床が、私の体温で少しばかり暖かくなっていた。けれども、あの時のような温もりは感じない。何もかもが眩しかったあの頃が懐かしく思えてきて、閉じたパソコンの上に腕を組んで作った即席の枕を用意してそこに顔を埋める。
ただ、逃げたかった。私はあの時、苦しむあの人の顔を見て、ただただ何もできずにいたのだから。
薄暗いこの部屋は、私にはぴったりだった。例え、この部屋が私を嫌っていても、私はきっとずっとここに居座る。あの人が居ないことを信じる気持ちを持ちたくないから。誰もいない、たった一人。独り、孤独。薄暗い部屋の中で、私は今日も書き続ける。もういない、あの人との一枚の写真を見ては、泣いて、その想いを糧に、今日もいつも通りのような生活を送り続ける。
そう知っていても、そう分かっていても、私はあなたの事が忘れられず、今もこうして目を閉じれば思い起こせる。……どうしてあの時、あなたの事を止められなかったのか。どうしてあの時、あなたの事を救えなかったのか。
きっと、慢心していた。あなたと共にいる時間が長ければ長いほど、この日々が続くと勝手に安心して。あの日は、卒業式だった。恐らく、浮かれていた。
「……ぁ?」
涙。まだ、流れたんだ。ティッシュで拭かなきゃ。パソコンが壊れるかもしれない。ティッシュ、ティッシュ……、最後にはどこに置いたっけ……?
時計の針がカチカチと時を刻む。見上げれば、もうすぐ打ち合わせの時間だ。そのガラス面に酷くやつれた私の顔が見えた気がして、見るのをやめた。いつかの、白いワンピースのように。
思い出した。着替えないと……。こんな姿、あの人以外には見せたくはない。もちろん、できれば、あの人にも見せたくない。あの人はきっと、こんな私の姿は望まないだろう。
私からしたら、英雄のような人。ただ、とりわけ顔が良いわけでも、とりわけ運動が得意と言うわけでもない。ただ、優しい人。
親に虐待を受け、中卒で働こうとし、事故で死に至り……、お葬式も、私がお金を出すと言わなければあの人達はしようともしなかった。火葬だけをして、骨を納めるのも面倒だと、あの人達は私に言った。金食い虫、役立たずとも罵っていた。誰の話だったか、ともとぼけた様に私の目の前で言ったことだってあった。
その時は、悔しかった。頭がかき混ぜられるように何も考えられなくなって、腸を無数の蚊に噛まれたように感じ、腕や脚に棒を差し込んだように力んで動かなくなってしまった。
それでも、それでも悔しさを我慢して頭を下げて、お金を渡して、あの人のお葬式を開く事ができた。あの人達は、悲しんだフリをしてすぐに皆の前から消えて行った。
それが憎くて、憎くて──
──ばキッ。
「ぁ……」
親指の爪を噛んでいた。割っていた。縦に綺麗な一筋の亀裂が入って、血が滲んでいく。ズキズキ──ジンジン──チクチクと針で縫うような痛みが親指に断続的に響く。
あの人達──アレのことはひとまず忘れよう。あと、五分もない。
打ち合わせの時間までに着替えないと。今は鼠色のスウェット上下だから、あまり見られた格好じゃない。打ち合わせ用の服はどこに仕舞ったのか。たしかそれはつい二ヶ月前のことだった気がするけれど、思い出すことができない。
クローゼットの中──は違う。
引き出しの中……でもない。
ベッドの下──は違うと知っていたけれど、一応確認した。言わずもがな。
どこだったか。思い出すことができればすぐにでも着替えるのに。
……ああ、もうすぐ時間が来る。やって来る。
あと三分。どこに仕舞ったか、首を捻っても答えなんて出て来やしない。涙はもう渇いていた。あの時の怒りに霧散したのか。恐らくそうだろう。
「そうだった」
思い出した。あの服は押し入れの中に仕舞ったんだった。
たしか、寝室の押し入れに入れているはず。
……──あった。
少し埃を被っているけれど、払えば問題なく使えそうだ。薄緑の薄い上着に白いシャツ、ベージュのジーパン。あとはゴムで後ろ髪を縛って眼鏡をかけるだけだ。
眼鏡はパソコンの側に置いているはず。
ゴムは……ドレッサーの上に置いていたはずだ。
着替え終わって、衣装室にゴムを取りに行くと、チャイム音が鳴った。
ゴムで後ろ髪を縛る。廊下へ出て、玄関へと歩いて行く。
「……いつも時間通りにありがとうございます」
「いえいえ、それで、原稿の方は……」
「ノルマなら、達成してます」
大丈夫。笑えていた。笑えているはずだ。
「それでは早速、拝見させていただいても……?」
「どうぞ。お上がり下さい」
部屋の中に招き入れて、こうして、いつも通りの日常が回る。
あなたのいない、歯車のような日常が。
[あとがき]
番外です。ちょっと本編が間に合わなかったもので急遽挿し込みました。
一人称の練習のために書いたけど、一応本編とも関係ある小話なので頭の片隅にでも入れてくれればと思います。
……もともとこれ、公開しない予定だったんですけど……。
とにかく!それでは、物語はまだまだ続くのでよろしくお願いします。
しかしやはり、三章も当初の予定よりも圧倒的に長い気がする。
当初の予定が三万字で、予想では十万~十二万になるような気もしています。
予定が全く成り立っておらず、プロットもまだ三分の一に達するか否か。
この状況、手厳しいなぁ……、と感慨を覚えながら執筆しています。
長ったらしく書いたけど、ちゃんと最後まで書き切ります。楽しいので。
一章、二章よりかはまともになったかな?成長したかな?根拠は無いけどそう信じたい。
作者の拙作に最後までお付き合いいただけたら幸いです。それではまたの機会に。
過ぎ去っていく青春の一ページ、一文、一行、一単語、それだけでも刻まれたのならば、私は嬉しい。そんな些細なことで一喜一憂する私に、あなたは優しい微笑みを浮かべてくれた。ただそれだけのことなのに私はあなたに恋をした。
この恋に気付いて、それでも、あなたにそれを伝える勇気がなくて、だから、一緒にいた。ずっと、ずっと一緒にいた。平日に登校中、授業中、下校中、放課後に、休日に公園、レストラン、道端、雨の日も風の日も、どんな時だって一緒にいられたらよかった。
──けれども、あなたは事故にあってしまった。
私の目の前で。
ああ、なんで……。なんで、こんな事に……。
苦しむあなたを見て、辛うじて息を繋ぎ止めているあなたを見詰めて、私は、ずっと言葉にすることのできなかったその想いを、その想いを口にする勇気を、その首根っこを掴んで、私は、あなたの目の前で言った。
──あなたが、好きだった。
そうして告げた想いなのに、どうしても動かなくなったあなたには届かなくて。
まだ生温かいあなたの体を揺すっても動くのは、力なく私の腕に揺られる首が左右にのみ。所々潰れて、削れたあなたの体を見るたびに、名残惜しいような、心臓を掻きむしって開いた口から血が流れ出すような──、
──心臓に、槍が突き刺された気分だった。
涙が落ちた。
──こんな事があったのに、私は、信じられずにいる。あの人はどこかで生きているはずだと、そう信じている。どこにもその面影が無いのに、その形も、温もりも、優しさも、笑顔も、全てが消えて無くなってしまったのに、私はまだ、あなたがどこかで生きていると信じていたい。
私は、いつまでもあなたが帰って来ることを願って待っている。
ずっと、待ち続ける。何年でも、何十年でも。でももし生きているなら、そして私のお願いを聞いてくれるなら、もう一度私に姿を見せて、私に声をかけて、私にその笑顔を向けて。ただ、それだけでいいの。
──そう願って、もう、十数年が経った。
私はもう学生じゃなくて、社会人。だけど、ずっとあなたの事があたまから離れない──……。
「ああ、なんで……」
病室の窓から吹き抜ける風が彼女の頬を触りたがる髪を追い返すと、彼女は過去を想い、再び、甘く楽しい日々の夢想へと更ける。
暖かな日差しが差し込む、とある病室でのことだった。』
ここまで書き上げて、内容を保存し、赤いノートパソコンを閉じると眼鏡を外して折り畳み、その隣に置いた。
こんな生活の始まりはいつだったか、ふと思い至って、考えてみると、存外すぐに思い出した。ただの自己満足だったことには変わりない、ただの自己嫌悪だったことには変わりない、ただの自己否定だったことには変わりない、そう思って気が付けば、顔が下を向いていた。
冷たいフローリングの床が、私の体温で少しばかり暖かくなっていた。けれども、あの時のような温もりは感じない。何もかもが眩しかったあの頃が懐かしく思えてきて、閉じたパソコンの上に腕を組んで作った即席の枕を用意してそこに顔を埋める。
ただ、逃げたかった。私はあの時、苦しむあの人の顔を見て、ただただ何もできずにいたのだから。
薄暗いこの部屋は、私にはぴったりだった。例え、この部屋が私を嫌っていても、私はきっとずっとここに居座る。あの人が居ないことを信じる気持ちを持ちたくないから。誰もいない、たった一人。独り、孤独。薄暗い部屋の中で、私は今日も書き続ける。もういない、あの人との一枚の写真を見ては、泣いて、その想いを糧に、今日もいつも通りのような生活を送り続ける。
そう知っていても、そう分かっていても、私はあなたの事が忘れられず、今もこうして目を閉じれば思い起こせる。……どうしてあの時、あなたの事を止められなかったのか。どうしてあの時、あなたの事を救えなかったのか。
きっと、慢心していた。あなたと共にいる時間が長ければ長いほど、この日々が続くと勝手に安心して。あの日は、卒業式だった。恐らく、浮かれていた。
「……ぁ?」
涙。まだ、流れたんだ。ティッシュで拭かなきゃ。パソコンが壊れるかもしれない。ティッシュ、ティッシュ……、最後にはどこに置いたっけ……?
時計の針がカチカチと時を刻む。見上げれば、もうすぐ打ち合わせの時間だ。そのガラス面に酷くやつれた私の顔が見えた気がして、見るのをやめた。いつかの、白いワンピースのように。
思い出した。着替えないと……。こんな姿、あの人以外には見せたくはない。もちろん、できれば、あの人にも見せたくない。あの人はきっと、こんな私の姿は望まないだろう。
私からしたら、英雄のような人。ただ、とりわけ顔が良いわけでも、とりわけ運動が得意と言うわけでもない。ただ、優しい人。
親に虐待を受け、中卒で働こうとし、事故で死に至り……、お葬式も、私がお金を出すと言わなければあの人達はしようともしなかった。火葬だけをして、骨を納めるのも面倒だと、あの人達は私に言った。金食い虫、役立たずとも罵っていた。誰の話だったか、ともとぼけた様に私の目の前で言ったことだってあった。
その時は、悔しかった。頭がかき混ぜられるように何も考えられなくなって、腸を無数の蚊に噛まれたように感じ、腕や脚に棒を差し込んだように力んで動かなくなってしまった。
それでも、それでも悔しさを我慢して頭を下げて、お金を渡して、あの人のお葬式を開く事ができた。あの人達は、悲しんだフリをしてすぐに皆の前から消えて行った。
それが憎くて、憎くて──
──ばキッ。
「ぁ……」
親指の爪を噛んでいた。割っていた。縦に綺麗な一筋の亀裂が入って、血が滲んでいく。ズキズキ──ジンジン──チクチクと針で縫うような痛みが親指に断続的に響く。
あの人達──アレのことはひとまず忘れよう。あと、五分もない。
打ち合わせの時間までに着替えないと。今は鼠色のスウェット上下だから、あまり見られた格好じゃない。打ち合わせ用の服はどこに仕舞ったのか。たしかそれはつい二ヶ月前のことだった気がするけれど、思い出すことができない。
クローゼットの中──は違う。
引き出しの中……でもない。
ベッドの下──は違うと知っていたけれど、一応確認した。言わずもがな。
どこだったか。思い出すことができればすぐにでも着替えるのに。
……ああ、もうすぐ時間が来る。やって来る。
あと三分。どこに仕舞ったか、首を捻っても答えなんて出て来やしない。涙はもう渇いていた。あの時の怒りに霧散したのか。恐らくそうだろう。
「そうだった」
思い出した。あの服は押し入れの中に仕舞ったんだった。
たしか、寝室の押し入れに入れているはず。
……──あった。
少し埃を被っているけれど、払えば問題なく使えそうだ。薄緑の薄い上着に白いシャツ、ベージュのジーパン。あとはゴムで後ろ髪を縛って眼鏡をかけるだけだ。
眼鏡はパソコンの側に置いているはず。
ゴムは……ドレッサーの上に置いていたはずだ。
着替え終わって、衣装室にゴムを取りに行くと、チャイム音が鳴った。
ゴムで後ろ髪を縛る。廊下へ出て、玄関へと歩いて行く。
「……いつも時間通りにありがとうございます」
「いえいえ、それで、原稿の方は……」
「ノルマなら、達成してます」
大丈夫。笑えていた。笑えているはずだ。
「それでは早速、拝見させていただいても……?」
「どうぞ。お上がり下さい」
部屋の中に招き入れて、こうして、いつも通りの日常が回る。
あなたのいない、歯車のような日常が。
[あとがき]
番外です。ちょっと本編が間に合わなかったもので急遽挿し込みました。
一人称の練習のために書いたけど、一応本編とも関係ある小話なので頭の片隅にでも入れてくれればと思います。
……もともとこれ、公開しない予定だったんですけど……。
とにかく!それでは、物語はまだまだ続くのでよろしくお願いします。
しかしやはり、三章も当初の予定よりも圧倒的に長い気がする。
当初の予定が三万字で、予想では十万~十二万になるような気もしています。
予定が全く成り立っておらず、プロットもまだ三分の一に達するか否か。
この状況、手厳しいなぁ……、と感慨を覚えながら執筆しています。
長ったらしく書いたけど、ちゃんと最後まで書き切ります。楽しいので。
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