ゆっくりと異世界旅

安野穏

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開拓村にて

備えあれば患いなし

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 ここには病院というよりも前世のような高度な技術を持つ医者はいない。大抵は薬草と癒しの魔法くらいしかない。



 前世の記憶から衛生面では一応安心できるようになったし、浄化魔法というかクリーン魔法があるので、生水の危険とか埃のよるアレルギーの危険とかは何とか回避できるようになった。清潔にするっていうのは、やはり必要なのだ。土の中の細菌とかの危険も殺菌作用のある石鹸をあらゆる薬草に詳しい吸血鬼さんたちと試行錯誤の上に作り上げたし、吸血鬼さんたちは自分たちのためにいろいろと研究をしてきたので、世界中の様々な薬草に詳しく、私は彼らに師事し、薬師の真似事を始めた。




 怖いのはどんな病気がこの世界にあるかである。それに対抗できる薬を作ることはできないのか?こちらにも前世の中世で恐れられた黒死病などとか遺伝子病でもある血友病などとか前世の不死の病ともいえる癌などそれに土地土地による風土病など様々な病気があると思う。この世界のことを知らない私にはそれがすごく不安でたまらなかった。

 


 それで私は両親に頼んで、この世界のことや常識を教えてもらうことと文字の読み書きなども習うことにした。これに関しては、一番上の兄が子供を集めて前から少しずつ教えているのを知っている。それを前倒ししてもらった。




 それと並行して、獣人さんたちにはこの世界の基本的な魔道具の作り方を教えてもらう。




 この世界の時間の感覚は前世と変わらない。1日はたぶん24時間、1カ月は30日、1年は360日、たぶんこの世界のある星が地球と変わらない軌道を持っているのかもしれないと漠然と思った。こっそりと天体観測をしてみたところ、地球の北極星のような星があるのを発見した。つまりこの世界にも地軸があり、太陽の周りを自転している。なんとなく、第一宇宙速度と第二宇宙速度を魔法で計算して、密かに魔法による魔法で作ったスパイ衛星アイを打ち上げてみた。それでこの世界の概要を魔法で見ることができたのだ。



 たぶん、異世界ってきっと宇宙の中のどこかの星の一つなんだと私は思っている。だって、真実はわからないけれど前世占いで宇宙人とか言われた人がいるって話だしね。地球と同じ宇宙のどこかの星に転生したんだとそう思う。




 スパイ衛星によるとこの世界の9割は海だった。そう、大陸がここしかなかったのだ。昔昔のアニメで見たイ○カン○ルを思い出したよ。ここを目指して戦艦が飛んできたりしてとか、もしかして、双子星があったりしてと怯えてみたけれど、なんとなく魔法で探った重力の関係からすると地球と同じ一つの惑星だと思う。





 そこで一つ気になったことがある。それは天にまで届くような大樹の存在だ。



 神域に守られているはずのその大きな樹は、何故か瀕死に向かっている。これは世界樹というものなのだろうかとラノベ知識からそう思った。世界樹はエルフが守る森の神聖結界の中にあるはずなのに、なぜ枯れかかっているのだろうと疑問になる。



 それにこの世界の源とともいえる世界樹が滅んでしまったらこの大陸やばくね?



 地球と違ってどうもこの大陸は世界樹の根が地中に張り巡らせてあり、その上に大陸が成り立っているようなのだ。地球みたいにマントルもなく、おかげで地震もない代わりにたぶんこの星の核のようなものとつながっている気がする。もしも、世界樹が枯れたら、世界は終わりなんじゃないだろうか?



 なんて思っていた時期もありました。



 なぜうちの隠れ里にいつの間にか引っ越してきた世界樹よ。これって父の出身のとある国どころか、母親の元の国まで巻き込んだ戦争になりそうで怖いんですけど………





『よろしゅくおねがいちます』


 隠れ里の日当たりのよい特等地にそれはひっそりといた。緑の羽根をもち、緑の髪と翠の瞳。前世でよく見た妖精みたいな世界樹の精霊と小さな苗木が7本。その場所に何かに呼ばれるようにやってきた私は慌てて光学迷彩を施し、私以外に誰にも入ることができない絶対結界を張り巡らせた。



『かみしゃま、どうかこのせかいをおすくいくだしゃい』


 たどたどしいカミカミの言葉。萌える。決してショタじゃないぞと言いたいが、萌える。



 うん?ところで神様って何?





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