ふかし

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 打ち合わせのあと、予約していた焼肉屋さんへ、ナナさんと行った。
 「最近はカルビより、タンとハラミが好きになってきた」と私。
 「年だねぇ、私はまだカルビいけるわよ」とナナさん。
 「今日はたらふくカルビ食べて」
 「ねぇ、Sさんと関係持ったでしょ?」と探りを入れてきた。その目は仕事のものではなく、女のそれだった。
 「なんで?」と尋ねた。
 「亀山さんが繋げたって言ってたから」
 「ああ、そういうことね」と私は焼けた肉を頬張った。
 「ねぇ、関係持ったでしょ?」
 私は肉を食べ続け、「うめぇ」と声を高めた。
 「あのひと、男関係のよくない噂よく聞くよ。深入りしないように」と注意された。
 「いつか楽曲提供してもらうかも」
 「カバー以外の曲、歌うの?」と訊かれたので、同時リリースの話をした。
 「それ面白そうじゃない」とスマートフォンに文字を打ち込み始めた。
 「で、関係持ったんでしょ?」と更に追われたので、私は肉に逃げてばかりだった。

 対抗心を燃やしたのか、その日のナナさんは激しかった。
 焚き付けたい、というような願望があったわけではないが、なんだか嬉しくもあった。
 「ねぇ、あつしのこと好きよ」と、この日は何度となく、そう声にした。その度に「ありがとう」という他なかった。
 DVDデッキの辺りを観察され、このひと好きなの? とあなたの話題が出た。
 「どうして、同じのが三枚もあるの?」と問われたので、「最近、年で、家に何があるかわからなくなるんだよ」とおどけると、「そんなわけないじゃない、イベント行ったんでしょ? 三枚で握手できるとかそういうの」と、勘が鋭かった。
 「DM送ったりしないでよね」と釘を刺されたが、向こうから来たのであって私から動いたわけではない、と心で返事をした。
 「もうすでに関係もってたりして」と探ってきた。その目は、みゆさんとのことを問いただしてきたときよりも、鋭さがあった。
 私は無言でキスをした。
 「ねぇ、もう深い仲になってるんでしょ?」と言うのもはばからず、クリトリスを刺激させ、二回戦へと雪崩れ込んでいった。
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