やばい彼氏にご注意を

SIVA

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7. 最終話 最低で最高の言葉

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現在に戻そうと意識的に両手をパンッと叩いた有栖川は「これは俺の身の上話のほんの一部」意味深げにそう言って「これからが第二幕。準備はいい?」ブイサインをしてこちらを見た。
「複雑な家庭環境ってのだけは言っておいて俺と二神和の関係も少しわかってると勝手に解釈して話を進めるけどいい?」
「あんたは愛人の子供で、二神とは異母兄弟?」
「ふはっ。ざっくりだなぁ。まぁ合ってる合ってる」
「あ、ごめ……」
急いでフォローに入ろうとしても、有栖川に「いやいいってホントの事だし簡潔でよろしい」って言われ耳まで熱くなるのを感じた。
俺、なにデリカシーない発言してんだ……。
「だぁからぁ─────」
距離が縮まった俺たちの間には一ミリも隙がなく有栖川が俺の腰に手を回してるって頭が追いつくまでにしばらく時間がかかった。
「出会った頃のお前を見てるみたいだな、その表情。でも今は俺のためにそんな顔をしちゃいけない」
「ちょっ……ありすがっ───」
「あぁあ。せっかくお前に触れないようにしてたのに、俺ってばダメだなぁ」
突然抱きしめられて肩の上に有栖川の頭がのっかった。
「お前に触れたらそれ以上の事をしたくなるから、我慢してたのに触れちゃった。抱きしめちゃった」
くぐもる声に覇気はなく弱弱しい。
「早くちゃんとしなきゃって思えば思うほど、いろんなしがらみから解放される事が出来なくなってきて、そうなればなるほど倫太郎に会いたくなる気持ちが増しちゃって、でもさほら距離を置こうって言った手前、あんまり連絡しちゃいけないかなって思ってたんだよ」
「おい。あれで連絡を控えていた方なのかよ」
「そうそう。笑っちゃうだろうけど、俺的にはすごく我慢してるわけ」
「しがらみってなんだよ」
ゆっくりと肩から頭が離れていく。
俺の視線と合った有栖川の目は異様なまでのエロさを放っていた。
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