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第6話(前篇):関係
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偽妹(ぎもうと)
―憎い男に身体を開かれていく―
■第6話(前篇):関係
・・・ギシギシギシギシ・・・
「・・・んっ・・・ぁ・・・ぅ・・・」
(・・・あぁ・・・こんなこと止めないと・・・)
フミは自慰に耽っていた。
サトシの前では、付け入られないように強気に振る舞っていた。
それが彼女独りきりの時間は違っていた。
これまで何度か自慰をしたことはあった。
今思えば、自慰とは言えないかもしれない。
かすかに気持ち良いという程度だった。
・・・くにくにくにっ・・・
(・・・悔しいっ・・・)
――昨日のことがありありと浮かんでくる。
初めて「Gスポット」を知ってしまった。
・・・憎い男の方が自分の身体をよく知っている・・・
その認識が胸元に熱く焼きつくようだった。
何度も振り払おうとした。
それがどうにも無理だった。
彼女は一晩として我慢できなかった・・・。
新しい責めどころを知ってしまった。
それは異次元の快感だった・・・。
(・・・こんな気持ちいいところがあったなんて・・・)
・・・くにっ!くにくにゅくにゅっ!・・・
指が止まらなかった・・・。
――さらに悪いことに・・・
「今夜もやって来る」と思っていた、サトシが来なかった・・・。
ここ最近、ずっとやって来ていた。
毎日悪戯されていた。
・・・それが急に何もない夜になってしまった。
最初は「やっと普通の夜に戻った」と強がっていたが、
心が落ち着かなかった。どうにもソワソワが消えなかった。
放り出されたように所在無かった。
(・・・どうして今夜に限って来ないの・・・)
無性に怒りがこみ上げてきた。
それを振り切るように、早くベッドに入って眠ろうとした。
いつもはすぐ眠りに落ちるのに、今夜は全く眠気が無い。
目を閉じたまま、何度も寝返りを打つ。
ここ最近の出来事は異常だった。
サトシとの出会い、彼からの悪戯・・・。
それだけではなかった。
先日、ミカと目撃した公園でのセックス。
どれもが自分自身を「女」であることを思い知らせる出来事だった。
それはできれば意識したくない「女」だった。
おしゃれに着飾ったり・・・
髪の手入れをしたり・・・
可愛いアクセサリーを集めたり・・・
出てくる言葉のままに友達とたくさんおしゃべりしたり・・・
そうしたことがフミにとっての「女」のはずだった。
サトシによって、男との関わりのなかで
初めて意識するようになった「女」。
いつか男とそうしたことになるのは漠然と分かっていた。
それがサトシによって無理やり意識させられるようになってしまった。
最初は身も心も抵抗していたはずだった。
それが火でも灯されたように身体の奥から消えなくなった。
フミはそれがおぞましくて仕方なかった。
最初は身体の奥に少し感じるだけのものだったが、
日を経るごとに、抗いがたい炎になってしまった・・・。
・・・くにゅっ・・・ちゅくちゅくっ・・・
かすかに恥ずかしい音がする。
すでに陰部は蕩けてしまって、蜜を溢れさせていた・・・。
サトシがこんなところをいじっていたのかと思うと、
はしたない自分が恨めしくなる。
(・・・今夜は・・・今夜は・・・仕方ないんだから・・・)
どうしても何かの理由が必要だった。
それを自分に言い聞かせるしかなかった。
・・・くにくにっ・・・ぐぐっ・・・
(・・・んふ・・・んんっ・・・)
サトシほどうまくGスポットを刺激できないのがもどかしい。
それでも、これまでの自慰とは全く違っていた。
(・・・あぁ・・・こんなこと覚えちゃうなんて・・・)
「チ●ポでしか処女膜は破れない」と言われた。
それに安心してしまっている。
手の平を恥丘に押し当てて、中指を深く膣穴に差し込んでいる。
自分で触っていても処女膜があるかどうか分からなかった。
指に触れるのは肉壁でしかなかった。
ただ、Gスポットに触れたのは分かった。
そこだけコリッと少し堅くなっている。サトシほどしっかり触られなかったが、
Gスポットのフチには届いているようだった。
しっかり触れられないのがもどかしかったが、それでも堪らない快感があった。
それをもっと感じようと、中指は意思をもっているように盛んに動いた。
・・・くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・
(・・・んん・・・ふぁ・・・ぅうん・・・)
指の動きがさらに激しくなっていく。
指はおろか、恥丘にわずかに茂る陰毛までが蜜に濡れ、
密着している手の平までもがぬるぬるになっていた。
・・・くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・
「ぅぐーーーーーーーーっ!!」
身体が大きく仰け反る。
・・・はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――翌朝
目覚めはすっきりしていた。
洗面台の前で身だしなみを整えるフミの顔が鏡に映っている。
昨夜のことなどキレイさっぱり忘れているようだった。
テキパキと支度を済ませて、学校に向かう。
(・・・・・・・・・)
何となくアパートの駐車場に目が向く。
(やっぱりサトシの車が無い・・・)
瞬間的に呟いてしまう。
それを彼女は振り払いたかった。
(・・・もう知らない・・・知らない・・・)
足早にその場を離れていった。
(・・・もしかしたら・・・これで「兄妹」が終わるかも・・・)
自分でそう呟いておきながら、終わるかもしれないことに、
心が妙にソワソワしていた。
最初は不在ばかりの隣人・・・
鍵を無くして不意に現れた隣人・・・
勝手に上がり込んできた隣人・・・
それから、ようやく名前が分かった。
もうそのときにはサトシという名の男に、
「味見」という名目で悪戯されていた・・・。
(・・・ホント最低な男・・・)
毎日のように夜にやって来ては、
処女の身体に「女」の感覚を覚え込ませていった。
今では陰部と頭は直結しているように、
「女」の感覚に敏感になってしまっていた。
(・・・急に来なくなるなんて・・・)
憎らしい男だったが、来なければ来ないで面白くない。
当初は不在ばかりだった。どんな仕事をしているのか分からないが、
今は忙しくなって、もしかしたら出張しているのかもしれない。
(・・・何か言ってくれてもいいじゃない・・・)
思わず心のなかで語りかけた・・・。
彼のことを考えないようにしようとしていたはずなのに、
フミは取りとめもない繰言を呟いていた。
――学校
「おはよーフミ!」
「・・・おはよう」
ミカはいつも朝から元気だった。
彼女に比べ、いつもフミはやや落ち着いた温度である。
「どうしたの?機嫌悪い?」
「えっ?そんなことないよ・・・」
登校中の繰言がまだ残っていたのかもしれない。
自分がそんな顔をしていたのかと少し不思議だった。
「ね、ね、気分転換にお兄ちゃんのこと聞かせてよ~」
「・・・えぇっ!・・・またそれ?」
ギクリとしてしまう。
見透かされているような気がしてくる。
「まさか・・・」とすぐに思い直す。
ここは「お兄ちゃん」に仮託して、
ちょっとは話しておいたほうがいいかもしれない。
今さらながら、サトシとの関係を「兄妹」と
偽っているのが滑稽に思えてくる。
「・・・今ちょっとお兄ちゃんとケンカしてて・・・」
「あ、不機嫌の理由ってそれだったの!?」
無邪気にそう言うミカに、ムッとしてしまう。
フミにとっては「ケンカ」も同然だった。
「最近よくウチに来ていたのに、急に来なくなって・・・
連絡のひとつぐらいあってもいいのに・・・」
「そんなことで・・・」
「そんなことじゃないよ」
ミカに事の程度が伝わらないのが理解できなかった。
まるで親身になって聞いているとは思えない。
「それだけ気が置けないってことでしょ?
・・・兄妹仲がよろしいですね~」
「仲がいいわけないから!」
頬が熱くなってしまう。
「気が置けない」という言葉がグサリと刺さった。
連絡をしないという無神経さは、ミカの立場から見ると、
それだけ相手を信頼しているという表れだというのだ。
好きなように悪戯しておきながら、信頼を寄せられる。
何もかも勝手なことなのに、フミは妙にふわふわする感覚に襲われた。
「来なくなってどれぐらい経つの?」
「え?1日だけど・・・」
反射的に応えたフミに
ミカの目だけがジロリと動く。
「このブラコンっ!そんなに重症とは思わなかった!」
フミは目を丸くして固まってしまった。
たった1日来ないだけで、不機嫌になっている。
それを指摘されるまで全く分からなかった。
「そ、そんなんじゃないから・・・」
否定する声が震えてしまった。
「ちゃんと自覚しなきゃ・・・」
ミカは頬杖を突いて溜息を漏らした。
(つづく)
―憎い男に身体を開かれていく―
■第6話(前篇):関係
・・・ギシギシギシギシ・・・
「・・・んっ・・・ぁ・・・ぅ・・・」
(・・・あぁ・・・こんなこと止めないと・・・)
フミは自慰に耽っていた。
サトシの前では、付け入られないように強気に振る舞っていた。
それが彼女独りきりの時間は違っていた。
これまで何度か自慰をしたことはあった。
今思えば、自慰とは言えないかもしれない。
かすかに気持ち良いという程度だった。
・・・くにくにくにっ・・・
(・・・悔しいっ・・・)
――昨日のことがありありと浮かんでくる。
初めて「Gスポット」を知ってしまった。
・・・憎い男の方が自分の身体をよく知っている・・・
その認識が胸元に熱く焼きつくようだった。
何度も振り払おうとした。
それがどうにも無理だった。
彼女は一晩として我慢できなかった・・・。
新しい責めどころを知ってしまった。
それは異次元の快感だった・・・。
(・・・こんな気持ちいいところがあったなんて・・・)
・・・くにっ!くにくにゅくにゅっ!・・・
指が止まらなかった・・・。
――さらに悪いことに・・・
「今夜もやって来る」と思っていた、サトシが来なかった・・・。
ここ最近、ずっとやって来ていた。
毎日悪戯されていた。
・・・それが急に何もない夜になってしまった。
最初は「やっと普通の夜に戻った」と強がっていたが、
心が落ち着かなかった。どうにもソワソワが消えなかった。
放り出されたように所在無かった。
(・・・どうして今夜に限って来ないの・・・)
無性に怒りがこみ上げてきた。
それを振り切るように、早くベッドに入って眠ろうとした。
いつもはすぐ眠りに落ちるのに、今夜は全く眠気が無い。
目を閉じたまま、何度も寝返りを打つ。
ここ最近の出来事は異常だった。
サトシとの出会い、彼からの悪戯・・・。
それだけではなかった。
先日、ミカと目撃した公園でのセックス。
どれもが自分自身を「女」であることを思い知らせる出来事だった。
それはできれば意識したくない「女」だった。
おしゃれに着飾ったり・・・
髪の手入れをしたり・・・
可愛いアクセサリーを集めたり・・・
出てくる言葉のままに友達とたくさんおしゃべりしたり・・・
そうしたことがフミにとっての「女」のはずだった。
サトシによって、男との関わりのなかで
初めて意識するようになった「女」。
いつか男とそうしたことになるのは漠然と分かっていた。
それがサトシによって無理やり意識させられるようになってしまった。
最初は身も心も抵抗していたはずだった。
それが火でも灯されたように身体の奥から消えなくなった。
フミはそれがおぞましくて仕方なかった。
最初は身体の奥に少し感じるだけのものだったが、
日を経るごとに、抗いがたい炎になってしまった・・・。
・・・くにゅっ・・・ちゅくちゅくっ・・・
かすかに恥ずかしい音がする。
すでに陰部は蕩けてしまって、蜜を溢れさせていた・・・。
サトシがこんなところをいじっていたのかと思うと、
はしたない自分が恨めしくなる。
(・・・今夜は・・・今夜は・・・仕方ないんだから・・・)
どうしても何かの理由が必要だった。
それを自分に言い聞かせるしかなかった。
・・・くにくにっ・・・ぐぐっ・・・
(・・・んふ・・・んんっ・・・)
サトシほどうまくGスポットを刺激できないのがもどかしい。
それでも、これまでの自慰とは全く違っていた。
(・・・あぁ・・・こんなこと覚えちゃうなんて・・・)
「チ●ポでしか処女膜は破れない」と言われた。
それに安心してしまっている。
手の平を恥丘に押し当てて、中指を深く膣穴に差し込んでいる。
自分で触っていても処女膜があるかどうか分からなかった。
指に触れるのは肉壁でしかなかった。
ただ、Gスポットに触れたのは分かった。
そこだけコリッと少し堅くなっている。サトシほどしっかり触られなかったが、
Gスポットのフチには届いているようだった。
しっかり触れられないのがもどかしかったが、それでも堪らない快感があった。
それをもっと感じようと、中指は意思をもっているように盛んに動いた。
・・・くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・
(・・・んん・・・ふぁ・・・ぅうん・・・)
指の動きがさらに激しくなっていく。
指はおろか、恥丘にわずかに茂る陰毛までが蜜に濡れ、
密着している手の平までもがぬるぬるになっていた。
・・・くちゅくちゅくちゅくちゅくちゅくちゅ・・・
「ぅぐーーーーーーーーっ!!」
身体が大きく仰け反る。
・・・はぁはぁはぁはぁはぁはぁ・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
――翌朝
目覚めはすっきりしていた。
洗面台の前で身だしなみを整えるフミの顔が鏡に映っている。
昨夜のことなどキレイさっぱり忘れているようだった。
テキパキと支度を済ませて、学校に向かう。
(・・・・・・・・・)
何となくアパートの駐車場に目が向く。
(やっぱりサトシの車が無い・・・)
瞬間的に呟いてしまう。
それを彼女は振り払いたかった。
(・・・もう知らない・・・知らない・・・)
足早にその場を離れていった。
(・・・もしかしたら・・・これで「兄妹」が終わるかも・・・)
自分でそう呟いておきながら、終わるかもしれないことに、
心が妙にソワソワしていた。
最初は不在ばかりの隣人・・・
鍵を無くして不意に現れた隣人・・・
勝手に上がり込んできた隣人・・・
それから、ようやく名前が分かった。
もうそのときにはサトシという名の男に、
「味見」という名目で悪戯されていた・・・。
(・・・ホント最低な男・・・)
毎日のように夜にやって来ては、
処女の身体に「女」の感覚を覚え込ませていった。
今では陰部と頭は直結しているように、
「女」の感覚に敏感になってしまっていた。
(・・・急に来なくなるなんて・・・)
憎らしい男だったが、来なければ来ないで面白くない。
当初は不在ばかりだった。どんな仕事をしているのか分からないが、
今は忙しくなって、もしかしたら出張しているのかもしれない。
(・・・何か言ってくれてもいいじゃない・・・)
思わず心のなかで語りかけた・・・。
彼のことを考えないようにしようとしていたはずなのに、
フミは取りとめもない繰言を呟いていた。
――学校
「おはよーフミ!」
「・・・おはよう」
ミカはいつも朝から元気だった。
彼女に比べ、いつもフミはやや落ち着いた温度である。
「どうしたの?機嫌悪い?」
「えっ?そんなことないよ・・・」
登校中の繰言がまだ残っていたのかもしれない。
自分がそんな顔をしていたのかと少し不思議だった。
「ね、ね、気分転換にお兄ちゃんのこと聞かせてよ~」
「・・・えぇっ!・・・またそれ?」
ギクリとしてしまう。
見透かされているような気がしてくる。
「まさか・・・」とすぐに思い直す。
ここは「お兄ちゃん」に仮託して、
ちょっとは話しておいたほうがいいかもしれない。
今さらながら、サトシとの関係を「兄妹」と
偽っているのが滑稽に思えてくる。
「・・・今ちょっとお兄ちゃんとケンカしてて・・・」
「あ、不機嫌の理由ってそれだったの!?」
無邪気にそう言うミカに、ムッとしてしまう。
フミにとっては「ケンカ」も同然だった。
「最近よくウチに来ていたのに、急に来なくなって・・・
連絡のひとつぐらいあってもいいのに・・・」
「そんなことで・・・」
「そんなことじゃないよ」
ミカに事の程度が伝わらないのが理解できなかった。
まるで親身になって聞いているとは思えない。
「それだけ気が置けないってことでしょ?
・・・兄妹仲がよろしいですね~」
「仲がいいわけないから!」
頬が熱くなってしまう。
「気が置けない」という言葉がグサリと刺さった。
連絡をしないという無神経さは、ミカの立場から見ると、
それだけ相手を信頼しているという表れだというのだ。
好きなように悪戯しておきながら、信頼を寄せられる。
何もかも勝手なことなのに、フミは妙にふわふわする感覚に襲われた。
「来なくなってどれぐらい経つの?」
「え?1日だけど・・・」
反射的に応えたフミに
ミカの目だけがジロリと動く。
「このブラコンっ!そんなに重症とは思わなかった!」
フミは目を丸くして固まってしまった。
たった1日来ないだけで、不機嫌になっている。
それを指摘されるまで全く分からなかった。
「そ、そんなんじゃないから・・・」
否定する声が震えてしまった。
「ちゃんと自覚しなきゃ・・・」
ミカは頬杖を突いて溜息を漏らした。
(つづく)
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