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プロローグ【僕の終わりと全ての始まり】
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大きな鳴き声を轟かせながら遥か高くを飛ぶ鳥の大群。それは僕の霞みつつある意識の中、最後見た光景だった。
「ッ!?」
目を開け先に見えたのは白い壁(?)のようなものが聳え立っている。だが、それが勘違いだというのにすぐ気付く。それは建物の天井で、僕は仰向けになっているということが体の感覚から分かった。
ハアハアと動悸が激しくなっているのだが、仰向けになっているせいか呼吸が苦しくなってくる。それを解決するために僕は上体を起こす。
起こしてすぐ、僕の頭に閃光が走ったかのように痛みが走る。それは頭によく血が回っていないからなのだろうと、直感的に決め付け、痛みが治まるまで暫し待つ。少しすると痛みが引いてきて、狭まっていた視界も徐々に広がっていく。
明らかとなった視界で、辺りを見渡してみるも、そこにはどこか見覚えのあるようなモノがありつつも、多数の近未来的な機器が俺の寝転んでいたベッドの周りをグルっと囲っていた。
「お目覚めになられましたか」
どこからともなく男性の声が機械の作動音しかない場所に反響する。僕は咄嗟に身構えて、何かされるのではないかと心配になる。すると、機械がなく、ポツンと穴が開いているかのようになっている足元の方から背の高い、人影が現れる。
その人物は白衣と短い白髪を靡かせていて、右手には薄型のタブレットらしきモノを手にしていた。
両足の間から捉えることができる顔面は均整な顔立ちで、ライトブルーの瞳に、男らしい薄っすらと焦げている肌。ただ一つ、勿体ないのはその瞳を眼鏡で隠してしまっているということだろう。
男は俺の右側にあった機械を丁寧に退けると、ベッドの下から椅子を取り出して腰を下ろす。そして徐に右手に持っていたタブレットを鳩尾前に持ってきて、人差し指で画面を突いているようだった。
そのタブレットでの操作が終わり、こちらを向いたと思えば否や、男は理解に苦しむ言葉を俺に向かって放つ。
「あなたは、一体どこから来たんですか?」
「ッ!?」
目を開け先に見えたのは白い壁(?)のようなものが聳え立っている。だが、それが勘違いだというのにすぐ気付く。それは建物の天井で、僕は仰向けになっているということが体の感覚から分かった。
ハアハアと動悸が激しくなっているのだが、仰向けになっているせいか呼吸が苦しくなってくる。それを解決するために僕は上体を起こす。
起こしてすぐ、僕の頭に閃光が走ったかのように痛みが走る。それは頭によく血が回っていないからなのだろうと、直感的に決め付け、痛みが治まるまで暫し待つ。少しすると痛みが引いてきて、狭まっていた視界も徐々に広がっていく。
明らかとなった視界で、辺りを見渡してみるも、そこにはどこか見覚えのあるようなモノがありつつも、多数の近未来的な機器が俺の寝転んでいたベッドの周りをグルっと囲っていた。
「お目覚めになられましたか」
どこからともなく男性の声が機械の作動音しかない場所に反響する。僕は咄嗟に身構えて、何かされるのではないかと心配になる。すると、機械がなく、ポツンと穴が開いているかのようになっている足元の方から背の高い、人影が現れる。
その人物は白衣と短い白髪を靡かせていて、右手には薄型のタブレットらしきモノを手にしていた。
両足の間から捉えることができる顔面は均整な顔立ちで、ライトブルーの瞳に、男らしい薄っすらと焦げている肌。ただ一つ、勿体ないのはその瞳を眼鏡で隠してしまっているということだろう。
男は俺の右側にあった機械を丁寧に退けると、ベッドの下から椅子を取り出して腰を下ろす。そして徐に右手に持っていたタブレットを鳩尾前に持ってきて、人差し指で画面を突いているようだった。
そのタブレットでの操作が終わり、こちらを向いたと思えば否や、男は理解に苦しむ言葉を俺に向かって放つ。
「あなたは、一体どこから来たんですか?」
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