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第一章
まおうさまといっしょ
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何を言い出す勇者なのでしょう。
そりゃあ、そりゃあですよ? 魔王には同情を禁じえないところは御座います。
けれど相手はあの闇の魔物なのですよ? それをこの家に一緒に住まわせるだなんて、勇者は勇者でちょっとおかしくなってしまったのでしょうか?
しかし残念ながら、わたしはこの勇者が冗談を言うタイプではないのはよく知っています。冗談を言うときには、必ず半分以上の本気や揶揄があるという事だって知っています。
つまりは、わたしの勇者は本気でこの魔王をここに住まわそうとしているのです。
「……あのガキか」
「勇大って呼んでくれる。これから、君が育てる子供だ」
「日本人か」
「だから何? 選り好みできる立場?」
じわじわと近寄ってくるエードラムと勇者の体格差は、びっくりするくらいにあります。
魔王は勇者よりも頭ふたつは大きいですし、横幅で言えば勇者が一人くらいは入ってしまいそうなくらいあります。
しかし腕を組んでエードラムを睥睨する勇者は一切ひかず、逆にエードラムは背を丸くして完全にその赤い眼に気圧されているようなので、立場はまるで逆転しているかのようです。
エードラムには、今後生きるためには選択肢というものはほとんどないと言ってもいいでしょう。
勿論彼には自分のプライドを選ぶ権利は存在します。
自分のプライドを守り、勇者の手を拒むのであればそれはそれでいいと思うのです。
しかし彼があくまでも『生きる』という事を重視しているのであれば、勇者の手を拒むのは得策ではないと言えるでしょう。
何しろ彼は人間世界での生活経験なんてものは存在しません。
闇の世界に戻る事が出来ない以上、何としても闇の力を取り戻すという努力をするか、そうでなければ人間として順応するかしか生きる手立てはないのです。
そして、闇の力を取り戻すにしても、何よりもまず自分の生活基盤を整えて情報を集める必要はあるわけで。
まるで獣のような唸り声をあげて勇者を睨む魔王には、二つの選択肢が存在します。
しかし、最早彼にはどちらを選んでも経過は同じでしかないという、苦渋の決断だったのかもしれません。
こうして、魔王の角ぽっきり事件が発端の魔王同居事件が勃発したのでありました。
勇大、と名の付けられている日本人の子供は、とても愛らしい子供でありました。
まだよっつであるらしい彼が笑うと家の中が花開くようで、普段表情の乏しい勇者もこのときばかりは口角を上げて笑うのです。
勿論、育児というものが大変でないわけはありません。
毎日決まった時間に食事を摂らねばなりませんし、お昼寝だって必要です。勇大はまだ幼くシャイですので、頻繁に勇者を呼んでは一緒に居て欲しがります。
ですが、彼一人にかまけていられるほど私の勇者が暇であるわけではなく、学校もあれば魔物退治もあります。
勇者は育児のために学校を近場のものに選び昼には必ず戻って食事や昼寝の相手をしているわけですが、大変そうだと思うことは多々とあります。
普段は保育園に通っている勇大ですが、保育園に毎日いけるわけでもありません。
その理由は、勇大が保育園に行けるのは闇の気配が無い場合に限られてしまっているからです。
勇大は基本的には土日以外は保育園に通っているのですが、勇者からして「闇の気配が濃い」と判断された日には保育園をお休みして結界を張ってある家の中でお留守番をしなければならないのです。
この場合の「闇の気配」は、夜に魔物が出現する兆候があったりする日のことを示しています。
闇というものは、人間に忍び寄りその精神や肉体を蝕みます。
その気配に鈍感な人間も居れば敏感な人間も居り、ほとんどの人間は闇に対して鈍感で、その気配に気付きすらしません。
しかし勇大はその気配にはとても敏感で、闇に触れてしまうと必ず体調を崩してしまうのです。
そもそも子供は総じて闇の気配には敏感なものらしく、子供が突然熱を出したり夜泣きをしたりというのはほとんどにおいて闇の魔物の気配が原因とも言われています。
これでは、心配で心配でとても保育園になんかは連れてはいけません。
なのでそういう日は、わたしと勇大は二人でお留守番、なのです。
ですが今日からは、もう一人留守番の供が出来ました。
もう一人、というのは、勿論魔王エードラムの事です。
魔王としての力を取り戻すための情報を提供する、という条件でこの家に留まることになったエードラムは、まさに勇者が言ったとおりに気の細かい男であったのか、勇者が彼の部屋を用意するや早速バタバタと家の中を飛び回りはじめました。
魔王がまず最初に始めたのは、家の中の掃除でした。
勇者はあまり掃除というものをしません。勿論適度に掃除はするのですが、大体にして稼動しているのは自動的に床を掃除してくれるお掃除ロボットくらいのものです。
勇者自身が掃除をするのは週に一回程度でしょうか。どうしても溜まってしまう家具の上の埃を落としてロボットに吸わせる程度ですが、住んでいる人数の少ないこの家では十分な掃除ではございました。
しかし勇者よりもずっと背の高い魔王から見るとこの家の上部は随分汚かったのでしょうか、エードラムはバケツと雑巾とはたきを持って家中の天井に近い壁を徹底的に掃除しておりました。
勇大との付き合いはどうかと言えば、最初こそ驚いてぎゃーぎゃー泣いていた勇大もエードラムとの生活が三日経過した頃にはもうすっかり慣れて掃除に奔走する魔王の後ろを短い足で楽しげにくっ付いて歩いていたのでした。
なんとも、子供の順応力というものには驚かされます。
留守がちな勇者に対してエードラムはこれからはどうしてもずっと家に居るものですから、それが嬉しかったというのもあるのかもしれません。
けれど、困ったのは保育園のお迎えでございました。
最初の日は、勇者が迎えに来る人の追加を申請するためにエードラムと、念のために私もバッグに潜んで一緒に保育園へ足を向けたのですが、それがまぁ大変な大騒ぎになってしまいました。
今ではすっかり慣れた勇大ですが最初は大泣きをしましたものですし、当然他の子供たちもエードラムの大きさにびっくりして大泣きしてしまったのです。
その時の声量ったらありませんでした。
わたしの音量センサーが振り切れてしまうのではないかというくらいの声量で泣き喚く子供と、反射的に逃げ出す子供と、それを追う保護者たちと。
あぁ、日本で言う阿鼻叫喚とはこのことを言うのですね!
──と、家に帰ってからつい言ってしまいましたらエードラムに思い切り壁に叩きつけられたのも、わたしにとっては修羅場で御座いました。
それでもまぁ、子供の順応力はやはり高いもの。
一緒に暮らし始めて六日目、エードラムが勇大の迎えにいくようになって四回目には、エードラムの身体によじ登る子供たちでおかしなツリーが出来上がっていたのでございました。
『順応出来てるみたいですな』
「だろうね」
『分かっておられたので?』
「まぁね」
勇者の口数はそう多くありません。
けれど、慣れない日本語の練習をするために裏面の白いチラシにメモをしつつ学習をしているエードラムと、一緒にひらがなの練習をしている勇大を見守る眼差しは、見たことがないくらいには穏やかで御座いました。
そもそも、勇者は何故エードラムを迎え入れる事にしたのでしょうか。
ふと、そんなことを考えます。
エードラムにはここに住むメリットというものは沢山存在しています。
しかし、勇者には彼をここに住まわせるメリットというのは、勇大の子守をしてもらえるという部分以外にはないように思えるのです。
万一彼が裏切ったらとか、そういう事を考えるとリスキーであるとも暴挙であるとも言える行為です。
今のところは落ち着いているようには見えますが、いつまた魔王としての本性を現さないとも限らないわけです。
わたしは勇者の剣でありますので、勇者に意見をするという事は基本的にはありません。
ですので、今回の事に関しても勇者がいいと言うのであればいい、というスタンスで見守ってきました。
しかしいざ一緒に暮らし始めてみると、どうしても不安になってしまうのは仕方がありません。
これは一度真剣に勇者に意見をするべきなのかと、ついつい考えてしまいます。
しかし、
「大丈夫だよ」
『……はい?』
「エドは大丈夫。心配する事は何もない」
ひとくち、あたためたワインを飲みながら勇者が言います。
勇者はあまり飲酒を好む人ではないはずですが、どうやら今日は少しばかり飲みたい気分のようです。
しかし、わたしの考えが見通されていた事に驚きました。
わたしは剣でありますので勿論表情というものは御座いません。それだというのに、何故勇者にはわかってしまったのでしょうか。
思わず無言でいると、勇者が小さく笑ったのが、鞘ごしに伝わって参りました。
珍しい、勇者の笑顔でした。
「お前は分かりやすい」
『そう、でしょうか……?』
「そうだよ」
言い切られてしまえば「そうですか」と返すしかなく、それがまた面白かったのか勇者は珍しく笑い続けました。
そりゃあ、そりゃあですよ? 魔王には同情を禁じえないところは御座います。
けれど相手はあの闇の魔物なのですよ? それをこの家に一緒に住まわせるだなんて、勇者は勇者でちょっとおかしくなってしまったのでしょうか?
しかし残念ながら、わたしはこの勇者が冗談を言うタイプではないのはよく知っています。冗談を言うときには、必ず半分以上の本気や揶揄があるという事だって知っています。
つまりは、わたしの勇者は本気でこの魔王をここに住まわそうとしているのです。
「……あのガキか」
「勇大って呼んでくれる。これから、君が育てる子供だ」
「日本人か」
「だから何? 選り好みできる立場?」
じわじわと近寄ってくるエードラムと勇者の体格差は、びっくりするくらいにあります。
魔王は勇者よりも頭ふたつは大きいですし、横幅で言えば勇者が一人くらいは入ってしまいそうなくらいあります。
しかし腕を組んでエードラムを睥睨する勇者は一切ひかず、逆にエードラムは背を丸くして完全にその赤い眼に気圧されているようなので、立場はまるで逆転しているかのようです。
エードラムには、今後生きるためには選択肢というものはほとんどないと言ってもいいでしょう。
勿論彼には自分のプライドを選ぶ権利は存在します。
自分のプライドを守り、勇者の手を拒むのであればそれはそれでいいと思うのです。
しかし彼があくまでも『生きる』という事を重視しているのであれば、勇者の手を拒むのは得策ではないと言えるでしょう。
何しろ彼は人間世界での生活経験なんてものは存在しません。
闇の世界に戻る事が出来ない以上、何としても闇の力を取り戻すという努力をするか、そうでなければ人間として順応するかしか生きる手立てはないのです。
そして、闇の力を取り戻すにしても、何よりもまず自分の生活基盤を整えて情報を集める必要はあるわけで。
まるで獣のような唸り声をあげて勇者を睨む魔王には、二つの選択肢が存在します。
しかし、最早彼にはどちらを選んでも経過は同じでしかないという、苦渋の決断だったのかもしれません。
こうして、魔王の角ぽっきり事件が発端の魔王同居事件が勃発したのでありました。
勇大、と名の付けられている日本人の子供は、とても愛らしい子供でありました。
まだよっつであるらしい彼が笑うと家の中が花開くようで、普段表情の乏しい勇者もこのときばかりは口角を上げて笑うのです。
勿論、育児というものが大変でないわけはありません。
毎日決まった時間に食事を摂らねばなりませんし、お昼寝だって必要です。勇大はまだ幼くシャイですので、頻繁に勇者を呼んでは一緒に居て欲しがります。
ですが、彼一人にかまけていられるほど私の勇者が暇であるわけではなく、学校もあれば魔物退治もあります。
勇者は育児のために学校を近場のものに選び昼には必ず戻って食事や昼寝の相手をしているわけですが、大変そうだと思うことは多々とあります。
普段は保育園に通っている勇大ですが、保育園に毎日いけるわけでもありません。
その理由は、勇大が保育園に行けるのは闇の気配が無い場合に限られてしまっているからです。
勇大は基本的には土日以外は保育園に通っているのですが、勇者からして「闇の気配が濃い」と判断された日には保育園をお休みして結界を張ってある家の中でお留守番をしなければならないのです。
この場合の「闇の気配」は、夜に魔物が出現する兆候があったりする日のことを示しています。
闇というものは、人間に忍び寄りその精神や肉体を蝕みます。
その気配に鈍感な人間も居れば敏感な人間も居り、ほとんどの人間は闇に対して鈍感で、その気配に気付きすらしません。
しかし勇大はその気配にはとても敏感で、闇に触れてしまうと必ず体調を崩してしまうのです。
そもそも子供は総じて闇の気配には敏感なものらしく、子供が突然熱を出したり夜泣きをしたりというのはほとんどにおいて闇の魔物の気配が原因とも言われています。
これでは、心配で心配でとても保育園になんかは連れてはいけません。
なのでそういう日は、わたしと勇大は二人でお留守番、なのです。
ですが今日からは、もう一人留守番の供が出来ました。
もう一人、というのは、勿論魔王エードラムの事です。
魔王としての力を取り戻すための情報を提供する、という条件でこの家に留まることになったエードラムは、まさに勇者が言ったとおりに気の細かい男であったのか、勇者が彼の部屋を用意するや早速バタバタと家の中を飛び回りはじめました。
魔王がまず最初に始めたのは、家の中の掃除でした。
勇者はあまり掃除というものをしません。勿論適度に掃除はするのですが、大体にして稼動しているのは自動的に床を掃除してくれるお掃除ロボットくらいのものです。
勇者自身が掃除をするのは週に一回程度でしょうか。どうしても溜まってしまう家具の上の埃を落としてロボットに吸わせる程度ですが、住んでいる人数の少ないこの家では十分な掃除ではございました。
しかし勇者よりもずっと背の高い魔王から見るとこの家の上部は随分汚かったのでしょうか、エードラムはバケツと雑巾とはたきを持って家中の天井に近い壁を徹底的に掃除しておりました。
勇大との付き合いはどうかと言えば、最初こそ驚いてぎゃーぎゃー泣いていた勇大もエードラムとの生活が三日経過した頃にはもうすっかり慣れて掃除に奔走する魔王の後ろを短い足で楽しげにくっ付いて歩いていたのでした。
なんとも、子供の順応力というものには驚かされます。
留守がちな勇者に対してエードラムはこれからはどうしてもずっと家に居るものですから、それが嬉しかったというのもあるのかもしれません。
けれど、困ったのは保育園のお迎えでございました。
最初の日は、勇者が迎えに来る人の追加を申請するためにエードラムと、念のために私もバッグに潜んで一緒に保育園へ足を向けたのですが、それがまぁ大変な大騒ぎになってしまいました。
今ではすっかり慣れた勇大ですが最初は大泣きをしましたものですし、当然他の子供たちもエードラムの大きさにびっくりして大泣きしてしまったのです。
その時の声量ったらありませんでした。
わたしの音量センサーが振り切れてしまうのではないかというくらいの声量で泣き喚く子供と、反射的に逃げ出す子供と、それを追う保護者たちと。
あぁ、日本で言う阿鼻叫喚とはこのことを言うのですね!
──と、家に帰ってからつい言ってしまいましたらエードラムに思い切り壁に叩きつけられたのも、わたしにとっては修羅場で御座いました。
それでもまぁ、子供の順応力はやはり高いもの。
一緒に暮らし始めて六日目、エードラムが勇大の迎えにいくようになって四回目には、エードラムの身体によじ登る子供たちでおかしなツリーが出来上がっていたのでございました。
『順応出来てるみたいですな』
「だろうね」
『分かっておられたので?』
「まぁね」
勇者の口数はそう多くありません。
けれど、慣れない日本語の練習をするために裏面の白いチラシにメモをしつつ学習をしているエードラムと、一緒にひらがなの練習をしている勇大を見守る眼差しは、見たことがないくらいには穏やかで御座いました。
そもそも、勇者は何故エードラムを迎え入れる事にしたのでしょうか。
ふと、そんなことを考えます。
エードラムにはここに住むメリットというものは沢山存在しています。
しかし、勇者には彼をここに住まわせるメリットというのは、勇大の子守をしてもらえるという部分以外にはないように思えるのです。
万一彼が裏切ったらとか、そういう事を考えるとリスキーであるとも暴挙であるとも言える行為です。
今のところは落ち着いているようには見えますが、いつまた魔王としての本性を現さないとも限らないわけです。
わたしは勇者の剣でありますので、勇者に意見をするという事は基本的にはありません。
ですので、今回の事に関しても勇者がいいと言うのであればいい、というスタンスで見守ってきました。
しかしいざ一緒に暮らし始めてみると、どうしても不安になってしまうのは仕方がありません。
これは一度真剣に勇者に意見をするべきなのかと、ついつい考えてしまいます。
しかし、
「大丈夫だよ」
『……はい?』
「エドは大丈夫。心配する事は何もない」
ひとくち、あたためたワインを飲みながら勇者が言います。
勇者はあまり飲酒を好む人ではないはずですが、どうやら今日は少しばかり飲みたい気分のようです。
しかし、わたしの考えが見通されていた事に驚きました。
わたしは剣でありますので勿論表情というものは御座いません。それだというのに、何故勇者にはわかってしまったのでしょうか。
思わず無言でいると、勇者が小さく笑ったのが、鞘ごしに伝わって参りました。
珍しい、勇者の笑顔でした。
「お前は分かりやすい」
『そう、でしょうか……?』
「そうだよ」
言い切られてしまえば「そうですか」と返すしかなく、それがまた面白かったのか勇者は珍しく笑い続けました。
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