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エピローグ, 春、また巡りて
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数ヶ月後。
正式な婚姻の儀が執り行われ、桜歌は「御堂桜歌」となった。
紫苑は相変わらず溺愛モード全開で、桜歌が外出しようとすると「どこに行くの?」「誰と会うの?」「いつ帰ってくるの?」と質問攻めにするのが日課になっていた。
「紫苑、過保護すぎます……!」
「だって心配なんだもん。君、可愛いから、また誰かに狙われたらどうしようって」
「もう御堂の名前もらってるのに、誰が狙うんですか……!」
「それでも心配なの」
紫苑は、桜歌をぎゅっと抱きしめた。
「……君は、僕の宝物だから」
その言葉に、桜歌は思わず笑ってしまった。
「……紫苑、本当に馬鹿みたいなことを言う」
「うん。君の前でだけね」
ふたりは、笑い合った。
ある春の日。
桜歌は、庭で茶を淹れながら、ふと思った。
あの日、泥の中で死にかけていた自分が、まさかこんな未来を手に入れるとは思ってもみなかった。紫苑に拾われて、育てられて、愛されて――
今、自分はここにいる。
幸せな、幸せな場所に。
「何考えてるの?」
背後から、紫苑が抱きついてきた。
「……紫苑のことを」
「嬉しいこと言ってくれるね」
紫苑は、桜歌の首筋にキスをした。
「……っ、ちょ、昼間から……!」
「いいじゃない。君は僕の妻なんだから」
「だからって……!」
ふたりの笑い声が、春の庭に響いた。
桜が散り、新緑が芽吹き――また新しい季節が、巡ってくる。
桜歌と紫苑の物語は、これからも続いていく。
ずっと、ずっと――愛し合いながら。
正式な婚姻の儀が執り行われ、桜歌は「御堂桜歌」となった。
紫苑は相変わらず溺愛モード全開で、桜歌が外出しようとすると「どこに行くの?」「誰と会うの?」「いつ帰ってくるの?」と質問攻めにするのが日課になっていた。
「紫苑、過保護すぎます……!」
「だって心配なんだもん。君、可愛いから、また誰かに狙われたらどうしようって」
「もう御堂の名前もらってるのに、誰が狙うんですか……!」
「それでも心配なの」
紫苑は、桜歌をぎゅっと抱きしめた。
「……君は、僕の宝物だから」
その言葉に、桜歌は思わず笑ってしまった。
「……紫苑、本当に馬鹿みたいなことを言う」
「うん。君の前でだけね」
ふたりは、笑い合った。
ある春の日。
桜歌は、庭で茶を淹れながら、ふと思った。
あの日、泥の中で死にかけていた自分が、まさかこんな未来を手に入れるとは思ってもみなかった。紫苑に拾われて、育てられて、愛されて――
今、自分はここにいる。
幸せな、幸せな場所に。
「何考えてるの?」
背後から、紫苑が抱きついてきた。
「……紫苑のことを」
「嬉しいこと言ってくれるね」
紫苑は、桜歌の首筋にキスをした。
「……っ、ちょ、昼間から……!」
「いいじゃない。君は僕の妻なんだから」
「だからって……!」
ふたりの笑い声が、春の庭に響いた。
桜が散り、新緑が芽吹き――また新しい季節が、巡ってくる。
桜歌と紫苑の物語は、これからも続いていく。
ずっと、ずっと――愛し合いながら。
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