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Present#5 要撃-ambush-
Present#5 要撃-ambush-1 side.??
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一概に「警察」といっても、その構成はそれなりに複雑だ。
まず、警察というのは、警察庁と各都道府県に置かれる警察組織に分類される。
警察庁もまた警察組織のひとつに違いないが、庁は首都に置かれたものだけを指す。
その規模は日本最大であり、かつ庁は各都道府県の警察組織を管轄する機構として、そのほとんどが国家公務員。つまるところ、ここへの配属はエリートコースといっていい。
ちなみに、各都道府県に配置された警察官は地方公務員にあたるわけで、このあたりで人間関係も複雑そうだと想像も膨らむが、それはまぁ、今は忘れてもらっても構わない。
人間関係なんていうのは、どこに居ようと複雑怪奇、触らぬ神になんとやら、だ。
さて、一方で、各都道府県における警察庁的役割を果たす機関を、警察本部という。
庁及び本部の仕事は、様々な課を管轄し、合わせて地方に警察署を置きこれもまた管轄すること。
人々が最も目にするだろう「交番のお巡りさん」は、この警察署の下部機構にあたる。
ざっと大まかな組織図を頭に入れて状態で、改めて今この町の状況を見つめ直してみよう。
この町は別に、首都にある町でもなければ、そんな大層な重要都市でもない。
廃れた……強いて言えばちょっと古くからヤクザが占めていて、小競り合いのような抗争が続き、何年かに1度大規模に人がいなくなることもある、そんな、どこかにはありそうな町だ。
だが、目の前のちんけな地方の警察署には最近、組織犯罪対策本部、つまり、
庁の管轄部門である「組対」の若きエリートが派遣されてきたという。
誰が見たって、少なくとも男たちからすれば、なんとも大げさなものと苦笑せずにはいられない。
しかも、それだけにはとどまらず。
その若きエリートは、子供も笑ってしまうような命令を警察官達に通達した。
曰く、『署外、単独行動ヲ禁ズ』ると。
今、署から出てくる二人組の若い警察官がいる。
一時間ほど前だろうか。
届いた報告では、彼らはまだ夏仕様の制服のままだったはずだが、今は私服に着替えている。
彼ら「お巡りさん」の主な業務は、地域の安全を守るための街頭活動・パトロールと、そのほか、事件や事故が起こった場合に、真っ先に現場へ駆けつけること。
その勤務体制は二分され、緊急度の高い事件や事故の発生時に本部からの指令を受けての出動するか、もしくは、彼らのように交番や駐在所に朝から翌朝昼頃まで勤務するかである。
察するに、今目の前の二人は、当直明けの報告と引継ぎのため署へ戻り、そして家路に着いた、というところだろう。
これから非番に入ろうという姿からは、隠しきれない疲労がにじみ出ているようにみえた。
以上、彼ら二人の勤務体制と、その他諸々の個人情報を絶え間なく受信する文明の利器の画面を閉じ、男は携帯をスーツの裏ポケットへしまいこむ。
近づいてくる若い警官のうちの一人は、刈り上げた髪を少しばかり明るく染め、パーカーにジーンズというラフな格好だ。
聞こえる会話の敬称からも、警察学校を卒業したばかりの新人というのは、こちらに違いない。
そして、もう一人。
穏やかな表情のまま、時折新人の話に相槌をうちながら歩く、Yシャツの童顔の警官。
男が僅かに目を細め、もうそろそろか、と腕時計を確認したその時、突如新人の携帯がけたたましく鳴り出した。
「すみません、電話出ていいですか」
「いいですよ、僕は公園の方にいますね」
普通はここで分かれ、それぞれの家路に着くのだろうが、ありがたいことに、彼らは律義に署の通達を守る心づもりらしい。
そうして、通りに面する公園――男がいる公園に、目的の人物はやってくる。
周囲を警戒する様子もない。
まだ強い、夏の日差しを避けるように、彼は日陰のベンチに腰をかけ、少し首元を緩めて、深く息を吐く。
そして、唐突に、彼の正面に影を落とした男を見上げる顔が、やはり聞いている年齢よりも幼く見えて、
男は思わず微笑みを浮かべながら、尋ねた。
「富岡 小太郎さんですね?」
まず、警察というのは、警察庁と各都道府県に置かれる警察組織に分類される。
警察庁もまた警察組織のひとつに違いないが、庁は首都に置かれたものだけを指す。
その規模は日本最大であり、かつ庁は各都道府県の警察組織を管轄する機構として、そのほとんどが国家公務員。つまるところ、ここへの配属はエリートコースといっていい。
ちなみに、各都道府県に配置された警察官は地方公務員にあたるわけで、このあたりで人間関係も複雑そうだと想像も膨らむが、それはまぁ、今は忘れてもらっても構わない。
人間関係なんていうのは、どこに居ようと複雑怪奇、触らぬ神になんとやら、だ。
さて、一方で、各都道府県における警察庁的役割を果たす機関を、警察本部という。
庁及び本部の仕事は、様々な課を管轄し、合わせて地方に警察署を置きこれもまた管轄すること。
人々が最も目にするだろう「交番のお巡りさん」は、この警察署の下部機構にあたる。
ざっと大まかな組織図を頭に入れて状態で、改めて今この町の状況を見つめ直してみよう。
この町は別に、首都にある町でもなければ、そんな大層な重要都市でもない。
廃れた……強いて言えばちょっと古くからヤクザが占めていて、小競り合いのような抗争が続き、何年かに1度大規模に人がいなくなることもある、そんな、どこかにはありそうな町だ。
だが、目の前のちんけな地方の警察署には最近、組織犯罪対策本部、つまり、
庁の管轄部門である「組対」の若きエリートが派遣されてきたという。
誰が見たって、少なくとも男たちからすれば、なんとも大げさなものと苦笑せずにはいられない。
しかも、それだけにはとどまらず。
その若きエリートは、子供も笑ってしまうような命令を警察官達に通達した。
曰く、『署外、単独行動ヲ禁ズ』ると。
今、署から出てくる二人組の若い警察官がいる。
一時間ほど前だろうか。
届いた報告では、彼らはまだ夏仕様の制服のままだったはずだが、今は私服に着替えている。
彼ら「お巡りさん」の主な業務は、地域の安全を守るための街頭活動・パトロールと、そのほか、事件や事故が起こった場合に、真っ先に現場へ駆けつけること。
その勤務体制は二分され、緊急度の高い事件や事故の発生時に本部からの指令を受けての出動するか、もしくは、彼らのように交番や駐在所に朝から翌朝昼頃まで勤務するかである。
察するに、今目の前の二人は、当直明けの報告と引継ぎのため署へ戻り、そして家路に着いた、というところだろう。
これから非番に入ろうという姿からは、隠しきれない疲労がにじみ出ているようにみえた。
以上、彼ら二人の勤務体制と、その他諸々の個人情報を絶え間なく受信する文明の利器の画面を閉じ、男は携帯をスーツの裏ポケットへしまいこむ。
近づいてくる若い警官のうちの一人は、刈り上げた髪を少しばかり明るく染め、パーカーにジーンズというラフな格好だ。
聞こえる会話の敬称からも、警察学校を卒業したばかりの新人というのは、こちらに違いない。
そして、もう一人。
穏やかな表情のまま、時折新人の話に相槌をうちながら歩く、Yシャツの童顔の警官。
男が僅かに目を細め、もうそろそろか、と腕時計を確認したその時、突如新人の携帯がけたたましく鳴り出した。
「すみません、電話出ていいですか」
「いいですよ、僕は公園の方にいますね」
普通はここで分かれ、それぞれの家路に着くのだろうが、ありがたいことに、彼らは律義に署の通達を守る心づもりらしい。
そうして、通りに面する公園――男がいる公園に、目的の人物はやってくる。
周囲を警戒する様子もない。
まだ強い、夏の日差しを避けるように、彼は日陰のベンチに腰をかけ、少し首元を緩めて、深く息を吐く。
そして、唐突に、彼の正面に影を落とした男を見上げる顔が、やはり聞いている年齢よりも幼く見えて、
男は思わず微笑みを浮かべながら、尋ねた。
「富岡 小太郎さんですね?」
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