歌の光花

古川優亜

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まぶしい笑顔と明るい夏

守ってあげる

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「あ、意外と早く起きた。」
サラが私の顔を覗き込みながら言った。
頭が少し、ぼーとする。
「おい、ウカ!!起きたならこいつをどうにかしてくれ!!」
サムの声が聞こえるような聞こえないような。
「おい、寝るなよ!ウカ!!!」
あわわ!!
眠らないから!!
お願いだから頭を揺らさないで~!!!!
「ちょ、サム!!ウカ、目回ってるじゃない!!」
バチン!と、大きな音が響いた。
いい音がしたなぁ。
私がそう考えていたら暖かい何かが体の上にいた。
「あ、さっき助けた男の子。ウカの上で寝ているから気を付けてね。」
えーと。
なぜ私の上??
「元気になってからウカのそばを離れないのよ、この子。」
私の上でぎゅうっとくっつく男の子。
それは、ただ可愛いとしか言えなくて。
私は上体を起こして頭をそっと撫でる。
小さく震えている。
今まで怖かったよね。
大丈夫だからね。
これからは私が守るから。
「よし、他の子たちも保護しようか。」
私が笑って言えば皆は頷いてくれる。
今日中には帰らないと。
チョコたちが寂しがる。
それから私たちは順調に子供たちを保護していく。
そして、帰るためにみんなで急いで馬車に揺られながら小さな子供たちの相手をする。
食べ物を大量に買って置き、お腹がすいたと言えば食べさせてあげる。
子供たちは私にだけ懐いており、私以外の人は全員無視。
好かれるのは嬉しいんだけど、他の人にも好意を寄せてほしいなぁ。
アンと、ラムはそうでもなかったんだけど。
私は夕方には戻れたのでチョコ、アン、ラムに協力してもらい子供たちを順番にお風呂に入れる。
サラ達にも協力してもらい、私は夕食作りに取り掛かる。
なるべく栄養満点のがいいんだよなぁ。
てなったら、シチューがいいかな。
素材の栄養すべて取れるし。
なにより、野菜をたくさん使えるし。
あとは、お肉を焼いて食べやすいように一口サイズに切る。
にしても・・・。
「アン、動きづらいし、けがしたら危ないから離れてくれない?」
私にぎゅうっとくっついてるアン。
正直、動きにくいし、けがをするかもしれないか心配。
でも、アンは寂しがりやで、よくラムを抱きしめている。
ラムも姉と一緒のほうが落ち着くらしく、アンにぴったり。
だから、今も後ろにラムがいるんだよねぇ。
ラム、視線が痛いよ。
「ウカちゃーん!。風呂全員上がったよー。」
ミカさんの元気な声がよく響くなぁ。
「アン、ラム。料理を運ぶから手伝って!」
私は二人に軽いものを持たせて食卓の準備をする。
にしても、どんどん家族が増えていくなぁ。
守ってあげたいのも増えていく。
宝物も増えていく。
この世界に来てからどんどん妹や弟が増えていく。
日本では妹だったから私より下の妹や弟ができるのはすごく嬉しい。
美味しそうに、または嬉しそうに食べる小さな子たち。
楽しそうに笑ったり怒ったりする、仲間。
こんなにも友達って。
仲間って嬉しくて愛しいもの何だ。
(スイのおかげで私すごく幸せだよ。)
どこにいるかもわからない。
それでも、ただスイに゛ありがとう”と言いたかった。
「て、おい!寝るなよ!!」
サムの大きな声で意識が戻る。
目の前に広がるのは疲れて寝込んでいる子供たち。
サラ・サム・ジョナさん・ミカさんの四人はベットまで運ぶのに忙しいらしい。
「ふふ。」
思わず笑みが零れる。
可愛くて愛しい子供たち。
これからは私があなたたちを守ってあげる。
私もベットまで運ぶのを手伝いながら思った。
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