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第4章 『ミロワ』
第19話 二兎を追う者
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————翌日、タスクとジャンの二人はゼフィール号の燃料と食料を確保するべく小さな町へとやって来ていた。
町の住民に訊いたところ、扶桑国どころか移民のコミュニティすら存在していないことが分かり、二人は遅めの朝食を取るため年季の入ったカフェに席を取った。
すっかり冷めてしまっているマドレーヌをタスクが無言で咀嚼していると、同じく冷めてパサパサとなったクロワッサンを片手に新聞を読んでいたジャンが興味深そうな声を上げる。
「うへえー……、怖えな。マジかよ……」
「どうした、ジャン」
ゴール語の会話は出来るけれども読み書きは然程得意ではないタスクが尋ねると、ジャンは読んでいた新聞をテーブルに置いて、ある記事に指を差した。
「この国のいろんなとこで大量殺人事件が発生してるんだと」
「大量殺人事件? 『晄石獣』の仕業か?」
「そうかも知れねえが、刃物で斬られたような傷が致命傷になってることから人間の可能性が高いらしいってよ。『晄石獣』がやったら爪や牙の痕が残るだろ?」
「刃物で斬られた傷……」
その言葉を聞いたタスクは口元に指を当てて考え込む仕草を見せた。
「……先ほどいろんな場所で言っていたが、それはどの辺りで起きている……?」
「だから色々だって。どの現場も数百キロは離れてて、今のところ規則性は分かってねえらしいぜ」
「…………」
無言のタスクに今度はジャンが尋ねる。
「もしかしてだけどよ、この事件の犯人がアンタの仇かって思ってる?」
「……何故分かる……?」
「そりゃあスゲえ食いついてるし、何より刃物で斬られたってのがクセえよな。この国の奴の仕業なら刃物より銃を使う可能性が高い。アンタと同郷の仇なら当然そいつもカタナを使うと思ったのさ。どうよ、名探偵ジャン様の推理は?」
「……その通りだ。大した考察力だな」
「お褒めの言葉ありがとう。でも、俺的にこの犯人はアンタの仇とは違うような気がするな。わざわざ外国に逃亡してまでこんな大それた事件を起こす意味が分かんねえし、さっき言った通り事件現場が離れ過ぎてて、単独犯の可能性は低いってよ」
「…………」
ジャンの考察は筋が通っているように思えたが、タスクはなおも無言で考え込む。その様子を見たジャンは薄いコーヒーで喉を潤わせてから口を開いた。
「……なあ、アニキ。以前から訊きたかったんだけどよ、アンタ、姉ちゃんと仇の野郎、どっちの優先順位が上なんだい?」
「……優先順位だと……?」
「いや、もし姉ちゃんと仇のどっちかしか選べねえってなった時、アンタはどんすんのかなって」
「決まっている。姉上を保護して仇も討つ。どちらも成し遂げてみせる」
「ふーん。そりゃ大した心意気だけど、なんかそれにピッタリな言い回しがあったよな。えーと、確か————」
腕組みをして考え込んでいたジャンは思いついたように、指を2本立てて見せた。
「————『二兎を追う者は一兎も得ず』だ!」
「…………!」
ジャンの指摘を受けたタスクは大きく眼を見開いた後、勢いよく椅子から立ち上がった。
「な、なんだよ、急にビックリするじゃねえか。ただのジョークだよ」
「……いや、すまん。過敏に反応してしまった」
落ち着きを取り戻したタスクは非礼を詫びて席に着いた。ジャンはタスクのガチ目な反応に内心ドキドキしていたが、すぐに笑顔を見せて腕を広げる。
「ま、まあ心配する必要もねえか。我らがシュウちゃんは野ウサギを二匹、見事に狩ってきてくれたモンな。きっとアンタならどっちも上手くいくさ」
「…………」
慌ててフォローを入れたジャンだったが、タスクは食事が終わるまで終始無言のままだった。
◇
————買い物を終えた二人はこれまで通り扶桑国の移民で形成されるコミュニティを当たるべく、ゴール国の街道をゼフィール号で快走していた。
しかしその道中、側車に乗っているタスクはカタナを握ったまま黙して何も語らない。元々口数が多いタイプではないが、今は何やら無言の圧を全身から発しているようで、生粋の陽キャであるジャンもなかなか声を掛けるタイミングが見つからない。
その時だった。
街道の脇から大蛇型の『晄石獣』が進路を塞ぐように飛び出してきた。4メートルほどの体長で額のツノは黄色である。
「ありゃあ下から2番目の『黄晄石』だな。どうするよ、アニキ?」
「……振り切れるか?」
「だな。幸い昨日『赤晄石』を手に入れてフトコロは暖けえし、無理に相手することもねえやな!」
言うなりジャンはエンジンを全開にして『ヘビ型晄石獣』を振り切った。どんどん小さくなっていく『ヘビ型晄石獣』から視線を戻してジャンはタスクに話しかける。
「『黄角』ならその辺の『晄石狩り』でも充分倒せるだろうし、ほっといても平気だろ」
「ああ。余程のことでもない限り足を止めずに行ってくれ」
「————ピィィィィィッ‼︎」
ジャンの声にタスクが返事した時、上空で優雅に風に乗っていたシュウが何かに反応したように突然激しい鳴き声を上げた。
「何だあ⁉︎ 急にどした、シュウ⁉︎」
「……見ろ、ジャン」
タスクが指差した先は薄汚れたマントを頭からすっぽり被った人物が二頭の『ゾウ型晄石獣』に囲まれている場面であった。
「うえっ、今度は『紫角』かよ! 言ってるそばから余程のことが起きちまったじゃんか!」
「…………」
慌てた様子のジャンとは対照的にタスクは動こうとしない。
「た、助けてやんねえの……⁉︎」
「そうじゃない。おかしいと思わないか……?」
「おかしい? って、何がだよ?」
「『晄石獣』は人間を見ると問答無用で襲い掛かってくるだろう。だが、あの人物は————」
タスクの言葉を聞いたジャンは改めて前方に視線を戻した。その指摘通り、二頭の『ゾウ型晄石獣』は人間が間近にいるというのにも関わらず襲う素振りを見せていなかった。
「……ど、どうなってんだ、ありゃあ……⁉︎」
「いったい何者だ、あの者は……」
二人が様子を窺っている内に『ゾウ型晄石獣』たちがこちらに気付き、謎の人物を放置して一斉に向かって来た。
「こっちに来やがったぜ、アニキ!」
「……仕方ない」
側車から降りたタスクは『毘沙門天』の力を宿して、二頭の『ゾウ型晄石獣』を一瞬で屠って見せた。
「さっすが、タスクのアニキだ! 『紫角』がもうすでにザコ扱い!」
指をパチンと弾いてジャンが喝采を送るが、タスクはそれには応えず『神降ろし』を解いて謎の人物に近寄っていく。
謎の人物は『晄石獣』に囲まれていたためか、それともタスクの鬼神じみた強さに恐れをなしているのか、呆然と突っ立ったまま動こうとしない。だが、タスクは警戒を怠らず充分に間合いを取って足を止めた。
「心配はいらない。俺は流れの『晄石狩り』だ。怪我などはしていないか?」
「…………」
タスクがゴール語で気遣う声を掛けたが、謎の人物は何も答えない。発音が悪かったのかと思い、もう一度口を開こうとした瞬間、一陣の風が吹いて謎の人物のマントが煽られた。
「————ッ‼︎」
ついに露わになったその素顔を瞳に映したタスクの表情が驚愕で固まった。
町の住民に訊いたところ、扶桑国どころか移民のコミュニティすら存在していないことが分かり、二人は遅めの朝食を取るため年季の入ったカフェに席を取った。
すっかり冷めてしまっているマドレーヌをタスクが無言で咀嚼していると、同じく冷めてパサパサとなったクロワッサンを片手に新聞を読んでいたジャンが興味深そうな声を上げる。
「うへえー……、怖えな。マジかよ……」
「どうした、ジャン」
ゴール語の会話は出来るけれども読み書きは然程得意ではないタスクが尋ねると、ジャンは読んでいた新聞をテーブルに置いて、ある記事に指を差した。
「この国のいろんなとこで大量殺人事件が発生してるんだと」
「大量殺人事件? 『晄石獣』の仕業か?」
「そうかも知れねえが、刃物で斬られたような傷が致命傷になってることから人間の可能性が高いらしいってよ。『晄石獣』がやったら爪や牙の痕が残るだろ?」
「刃物で斬られた傷……」
その言葉を聞いたタスクは口元に指を当てて考え込む仕草を見せた。
「……先ほどいろんな場所で言っていたが、それはどの辺りで起きている……?」
「だから色々だって。どの現場も数百キロは離れてて、今のところ規則性は分かってねえらしいぜ」
「…………」
無言のタスクに今度はジャンが尋ねる。
「もしかしてだけどよ、この事件の犯人がアンタの仇かって思ってる?」
「……何故分かる……?」
「そりゃあスゲえ食いついてるし、何より刃物で斬られたってのがクセえよな。この国の奴の仕業なら刃物より銃を使う可能性が高い。アンタと同郷の仇なら当然そいつもカタナを使うと思ったのさ。どうよ、名探偵ジャン様の推理は?」
「……その通りだ。大した考察力だな」
「お褒めの言葉ありがとう。でも、俺的にこの犯人はアンタの仇とは違うような気がするな。わざわざ外国に逃亡してまでこんな大それた事件を起こす意味が分かんねえし、さっき言った通り事件現場が離れ過ぎてて、単独犯の可能性は低いってよ」
「…………」
ジャンの考察は筋が通っているように思えたが、タスクはなおも無言で考え込む。その様子を見たジャンは薄いコーヒーで喉を潤わせてから口を開いた。
「……なあ、アニキ。以前から訊きたかったんだけどよ、アンタ、姉ちゃんと仇の野郎、どっちの優先順位が上なんだい?」
「……優先順位だと……?」
「いや、もし姉ちゃんと仇のどっちかしか選べねえってなった時、アンタはどんすんのかなって」
「決まっている。姉上を保護して仇も討つ。どちらも成し遂げてみせる」
「ふーん。そりゃ大した心意気だけど、なんかそれにピッタリな言い回しがあったよな。えーと、確か————」
腕組みをして考え込んでいたジャンは思いついたように、指を2本立てて見せた。
「————『二兎を追う者は一兎も得ず』だ!」
「…………!」
ジャンの指摘を受けたタスクは大きく眼を見開いた後、勢いよく椅子から立ち上がった。
「な、なんだよ、急にビックリするじゃねえか。ただのジョークだよ」
「……いや、すまん。過敏に反応してしまった」
落ち着きを取り戻したタスクは非礼を詫びて席に着いた。ジャンはタスクのガチ目な反応に内心ドキドキしていたが、すぐに笑顔を見せて腕を広げる。
「ま、まあ心配する必要もねえか。我らがシュウちゃんは野ウサギを二匹、見事に狩ってきてくれたモンな。きっとアンタならどっちも上手くいくさ」
「…………」
慌ててフォローを入れたジャンだったが、タスクは食事が終わるまで終始無言のままだった。
◇
————買い物を終えた二人はこれまで通り扶桑国の移民で形成されるコミュニティを当たるべく、ゴール国の街道をゼフィール号で快走していた。
しかしその道中、側車に乗っているタスクはカタナを握ったまま黙して何も語らない。元々口数が多いタイプではないが、今は何やら無言の圧を全身から発しているようで、生粋の陽キャであるジャンもなかなか声を掛けるタイミングが見つからない。
その時だった。
街道の脇から大蛇型の『晄石獣』が進路を塞ぐように飛び出してきた。4メートルほどの体長で額のツノは黄色である。
「ありゃあ下から2番目の『黄晄石』だな。どうするよ、アニキ?」
「……振り切れるか?」
「だな。幸い昨日『赤晄石』を手に入れてフトコロは暖けえし、無理に相手することもねえやな!」
言うなりジャンはエンジンを全開にして『ヘビ型晄石獣』を振り切った。どんどん小さくなっていく『ヘビ型晄石獣』から視線を戻してジャンはタスクに話しかける。
「『黄角』ならその辺の『晄石狩り』でも充分倒せるだろうし、ほっといても平気だろ」
「ああ。余程のことでもない限り足を止めずに行ってくれ」
「————ピィィィィィッ‼︎」
ジャンの声にタスクが返事した時、上空で優雅に風に乗っていたシュウが何かに反応したように突然激しい鳴き声を上げた。
「何だあ⁉︎ 急にどした、シュウ⁉︎」
「……見ろ、ジャン」
タスクが指差した先は薄汚れたマントを頭からすっぽり被った人物が二頭の『ゾウ型晄石獣』に囲まれている場面であった。
「うえっ、今度は『紫角』かよ! 言ってるそばから余程のことが起きちまったじゃんか!」
「…………」
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「た、助けてやんねえの……⁉︎」
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「おかしい? って、何がだよ?」
「『晄石獣』は人間を見ると問答無用で襲い掛かってくるだろう。だが、あの人物は————」
タスクの言葉を聞いたジャンは改めて前方に視線を戻した。その指摘通り、二頭の『ゾウ型晄石獣』は人間が間近にいるというのにも関わらず襲う素振りを見せていなかった。
「……ど、どうなってんだ、ありゃあ……⁉︎」
「いったい何者だ、あの者は……」
二人が様子を窺っている内に『ゾウ型晄石獣』たちがこちらに気付き、謎の人物を放置して一斉に向かって来た。
「こっちに来やがったぜ、アニキ!」
「……仕方ない」
側車から降りたタスクは『毘沙門天』の力を宿して、二頭の『ゾウ型晄石獣』を一瞬で屠って見せた。
「さっすが、タスクのアニキだ! 『紫角』がもうすでにザコ扱い!」
指をパチンと弾いてジャンが喝采を送るが、タスクはそれには応えず『神降ろし』を解いて謎の人物に近寄っていく。
謎の人物は『晄石獣』に囲まれていたためか、それともタスクの鬼神じみた強さに恐れをなしているのか、呆然と突っ立ったまま動こうとしない。だが、タスクは警戒を怠らず充分に間合いを取って足を止めた。
「心配はいらない。俺は流れの『晄石狩り』だ。怪我などはしていないか?」
「…………」
タスクがゴール語で気遣う声を掛けたが、謎の人物は何も答えない。発音が悪かったのかと思い、もう一度口を開こうとした瞬間、一陣の風が吹いて謎の人物のマントが煽られた。
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