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第5章 黒い目玉
08 風の覚醒
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コンコン。
ベルクリットと入れ替わるようにミュゼリアがイリスたち四人の見習い魔法師を連れて戻ってきた。
「イリスさんたちをお連れいたしました」
「ありがとミュゼちゃん。さあみんな、入ってちょうだい」
ミュゼリアがドアを大きく開くと四人の少女たちが入ってきた。
「失礼しましゅ!」
「失礼します」
「失礼するのじゃ」
「失礼いたします」
イリス、もーざ、フランサ、メリアが順番に入ってきて壁際に一列に並び右拳を左胸に充てて敬礼をした。
「わざわざ呼び出してごめんね。それとさっきコースケ隊長から話を聞いたわよ。いろいろと情報ありがとう」
シャリーナは椅子から立つと四人にねぎらいの言葉をかける。
「それでイリス」
「ふぁい!」
ビクッとなって返事をするイリス。
「あんたの瞳のことで来てもらったの。今からそれについて話するから真剣に聞くように」
「あ、はい。わかりまちた!」
と顔をこわばらせた。
「それから他の三人もよく聞いててね」
「はい!」
三人は同時に返事をした。
「ただし、このことは他の人にしゃべったらダメ。本来は風属性を持つ者にだけ教えることなの。だから決して他言無用。いいわね」
シャリーナはいつもと違い真剣な目を四人の見習い魔法師に向けている。
「は、はい!」
四人は左胸に右拳を当てもう一度返事をした。
「そうなんですか、ラナーシア副隊長もいないのはそれでですか。じゃ俺も…」
功助が退室を申し出ようとするとその腕をガシッとつかむシャリーナ。
「ラナーシアはあたしの親友だから知ってるわよ。他の人ならともかく、ダーリンだけはいてていいからね。あたしの特別な人なんだから、うふっ」
そういうとつかんでいた腕にムギュッと抱き着いた。その爆乳に挟まれた功助の腕。四人の娘たちはなんとも言えない苦笑を浮かべていた。ただしイリスはうらやましそうに腕を挟んでいるその爆乳を見ていた。
「そ、それでは私は失礼いたします」
ペコリと頭を下げて退室しようとしているミュゼリア。
「あっ、いいのいいの。ミュゼちゃんもいてていいのよ。でも絶対に他言無用よ、、ベルクリット隊長にも内緒だからね」
とニコリとほほ笑む。
「えっ、はい。よろしいのですか私などがご一緒してても」
「いいわよ。あっそうそう、ねえミュゼちゃん。この部屋に防音の魔法かけてくれない?」
「へ?あ、はい。わかりました」
ミュゼリアは両手を広げると一瞬のうちにこの控室の中に結界を張った。
「……」
口をパクパクさせて何かを言っているシャリーナだが何も聞こえない。四人の見習いもキョロキョロしているが何が起こっているのかわからない様子。
「………」
功助はミュゼリアに向かって何かをしゃべりかけているがこちらも何を言っているのかわからない。
「あ、ああっ!すみません!」
ミュゼリアがあわてて両手を振り張った結界を消すとシャリーナと功助の声が聞こえてきた。
「ちょっとミュゼちゃんそれ違う!」
苦笑するシャリーナ。
「ミュゼ、何したんだ?」
頭に疑問符を浮かべる功助。
「も、申し訳ございません!」
とペコペコと頭を下げるミュゼリア。
「すみません!防音と消音の結界を間違えました。すみませんシャリーナ隊長、コースケ様!それにイリスさんたちもすみません」
とまた頭をペコペコさせて恥ずかしそうに顔を真っ赤にするミュゼリア。
「あははは。いいのいいの。ちょっと驚いちゃったけど気にしないでねミュゼちゃん」
と笑うシャリーナ。
「そうだったのか。急に何も聞こえなくなったからびっくりしたよ」
「申し訳ございませんでしたコースケ様」
と今度はすまなさそうなミュゼリア。
「ははは。いいって、そんなに気にしない気にしない。なあみんな」
功助は四人の見習いたちに顔を向けた。
「へ?は、はい。気にしないでくだしゃいミュゼリアさん!」
とイリスが代表して返事をした。
「はいはい。それじゃ改めて防音の結界張ってくれるかしらミュゼちゃん」
「あっ、はい!」
ミュゼリアはそう言い手を大きく広げると今度こそ防音の結界を張った。
「うん。さすがはミュゼちゃん。完璧な防音結界ね」
シャリーナはぐるっと見渡すとミュゼリアに向けて親指を立てた。
「さてと、お待たせ。話するわね。そんなに硬くならず楽にして。でも、ちょっとその前にみんなに質問させてちょうだい」
と言うと四人の見習いを見渡した。
「最初に、ねえメリア」
「はい!」
自分が呼ばれるとは思っていなかったメリアがそれでもあわてずに返事をした。
「あなたのその目、いつからブラウンの瞳なのか覚えてる?」
「はい。わたくしのこの瞳の色は生まれた時からだそうです」
そう言うとシャリーナは大きく頷く。
「それじゃフランサは?」
「はい。我も生まれつきと両親から気化されておりますです」
「そう。それじゃもーざは?」
「はい。私も生まれつき緑の目と髪です」
「そう。ありがと」
三人の返事を聞き頷くシャリーナ。
「さてとイリス」
「はいっ!」
「あなた今までは何色の瞳だったかしら?」
「はいっ、私の目の色は青紫でしたっ!髪の毛はちょっとくすんだ銀色ですっ!」
と元気よく返事をした。
「そう。みんなとは違って、髪と同じ銀色じゃなく青紫色だったのね」
「はいっ、そうですっ!」
またも元気に返事をする。
「えっとね、火、土、水の属性を持っている者は生まれつき瞳の色にその影響が出て来るの。でも風属性を持つ者は生まれた時は別の色なのが普通なのね。でもちゃんと髪は銀色系統の色になるのよ。イリスはくすんだ銀色、そしてあたしは白に近い銀色なの。知り合いには赤っぽい色や青っぽい色の銀髪もいたわね」
シャリーナは話をしながら自分の白銀の髪をその細い指先でくるくる巻いていじっている。
「瞳の色のことに話を戻すけど、あたしの瞳の色はもともと緑色だったのよ。それで、なぜ瞳の色が変わったかってことなんだけど」
そう言うと四人の見習いを一人一人見た。
「恐怖よ」
イリスを見てニヤリとするシャリーナ。ビクッと少し首を竦めるイリス。
「それはどういうことなんですシャリーナさん」
功助が少し緊張感のある雰囲気の中尋ねた。
「イリス、あなたあの黒い一つ目を見て怖かったでしょ?」
「は、はい。とても怖かったです」
とイリス。すると横にいるモーザがそれに続いた。
「イリスはとても怖がっていました。しゃがみ込みガタガタと震えていました。最後にはこの小さな身体からよくこんな声がというほどの絶叫をあげていました」
モーザはイリスを横目で見ながらシャリーナに話をした。
「そう。かなり怖かったようね。実はその恐怖が風属性を覚醒させるスイッチになってたのよ。風属性を持ってうまれてきた者は今のあなたたちの歳くらいに恐怖や強い興奮状態になると真の風属性が覚醒するの。ちなみにあたしが覚醒したきっかけはやはり恐怖だったわ。14歳の時にあたしの出身の村近くの森に薬草を採りにいった時にゴブリンに遭遇したの。それもなんと十匹のゴブリンに襲われかけたのよ。そこで真の風属性に覚醒してさ、それで襲ってきたゴブリンをズッタズタにしてやったわ。ほんっとスーッとしたのを覚えてるわ」
うふふと薄ら笑いをするシャリーナ。イリス以外の三人の見習いはすこしひいていた。ちなみに功助とミュゼリアもひいていた。
「イリス」
「はいシャリーナ隊長!」
「わかってくれたかしら?」
「はいっ!ゴブリンはズッタズタにすればいいんですねっ!」
ガクッ!
その場にいた全員がずっこけた。
「ちょっとイリス!あんたボケ過ぎ!ちゃんと話聞いてたのあんた?」
「へ?う、うん、聞いてたけど…。なんかおかしい?」
「ふう。ほんっとイリスねあんた」
「へ?」
頭の上に疑問符をたくさん浮かべるイリスだった。
「ふふ。まあいいわ。これが風属性の真の覚醒についてよ。このことはあまり他言しないようにね。で、何か質問あるかしら?」
と四人を見渡す。
「ないようね。質問が無いなら今日はもうあがってちょうだい。ダーリン」
「は、はい」
急に声をかけられた功助。
「悪いんだけどこの娘たちと外に出て訓練中の見習いたちに今日はあがってって言ってきてくれるかしら」
「あ、はい。了解しました。それじゃみんなお疲れ。さあ、外行こうか」
「はい」
四人の見習いは最後に敬礼をして功助とミュゼリアとともに控室から外に出た。
「お疲れ様ですコースケ様」
対策会議を終えて部屋に戻ってきたのは23時を少し回ったころだった。
「ふう」
といいながら会議の緊張で凝り固まった首をぐるぐる回す功助。
「お茶でもどうぞ」
「ありがと」
ミュゼリアが出したお茶をふうふうと言いながら一口飲む。
「はあ。一息ついたぁ」
「ふふふ。かなりお疲れですね」
「ああ、うん」
「それで、何か決まりましたか?」
「うん。まあたいしたことは決まってないんだけどね」
と功助。
決まったことといえば引き続き魔具が場内に入り込んでいないかを巡回し気を付けること、そしてこのことが魔王ゼドンの仕業として白竜城の警備の強化と食料や武器の整備と備蓄。そのほか諸々である。
「そうですか。まあ、今はそれくらいかもしれませんね」
「うん。まあ、気を付けるって言ってもどう気を付けるのかって思ったんだけど俺の場合は魔力砲のことをなるべく口に出さないようにするくらいかな」
「うふふ。そうですね。でもあれを知られたとしても対抗策なんてないんじゃないでしょうか」
となぜか胸を張るミュゼリア。
「あはは」
苦笑する功助。
「さてと。コースケ様そろそろお休みになってください。もうこんな時間です」
ミュゼリアが壁の時計を見ると23時半を過ぎていた。
「うん、そうだな。そろそろ休むとするか。明日はまた魔法師隊の訓練があるしな」
それではおやすみなさいとミュゼリアは退室し功助も寝室に向かった。
ベルクリットと入れ替わるようにミュゼリアがイリスたち四人の見習い魔法師を連れて戻ってきた。
「イリスさんたちをお連れいたしました」
「ありがとミュゼちゃん。さあみんな、入ってちょうだい」
ミュゼリアがドアを大きく開くと四人の少女たちが入ってきた。
「失礼しましゅ!」
「失礼します」
「失礼するのじゃ」
「失礼いたします」
イリス、もーざ、フランサ、メリアが順番に入ってきて壁際に一列に並び右拳を左胸に充てて敬礼をした。
「わざわざ呼び出してごめんね。それとさっきコースケ隊長から話を聞いたわよ。いろいろと情報ありがとう」
シャリーナは椅子から立つと四人にねぎらいの言葉をかける。
「それでイリス」
「ふぁい!」
ビクッとなって返事をするイリス。
「あんたの瞳のことで来てもらったの。今からそれについて話するから真剣に聞くように」
「あ、はい。わかりまちた!」
と顔をこわばらせた。
「それから他の三人もよく聞いててね」
「はい!」
三人は同時に返事をした。
「ただし、このことは他の人にしゃべったらダメ。本来は風属性を持つ者にだけ教えることなの。だから決して他言無用。いいわね」
シャリーナはいつもと違い真剣な目を四人の見習い魔法師に向けている。
「は、はい!」
四人は左胸に右拳を当てもう一度返事をした。
「そうなんですか、ラナーシア副隊長もいないのはそれでですか。じゃ俺も…」
功助が退室を申し出ようとするとその腕をガシッとつかむシャリーナ。
「ラナーシアはあたしの親友だから知ってるわよ。他の人ならともかく、ダーリンだけはいてていいからね。あたしの特別な人なんだから、うふっ」
そういうとつかんでいた腕にムギュッと抱き着いた。その爆乳に挟まれた功助の腕。四人の娘たちはなんとも言えない苦笑を浮かべていた。ただしイリスはうらやましそうに腕を挟んでいるその爆乳を見ていた。
「そ、それでは私は失礼いたします」
ペコリと頭を下げて退室しようとしているミュゼリア。
「あっ、いいのいいの。ミュゼちゃんもいてていいのよ。でも絶対に他言無用よ、、ベルクリット隊長にも内緒だからね」
とニコリとほほ笑む。
「えっ、はい。よろしいのですか私などがご一緒してても」
「いいわよ。あっそうそう、ねえミュゼちゃん。この部屋に防音の魔法かけてくれない?」
「へ?あ、はい。わかりました」
ミュゼリアは両手を広げると一瞬のうちにこの控室の中に結界を張った。
「……」
口をパクパクさせて何かを言っているシャリーナだが何も聞こえない。四人の見習いもキョロキョロしているが何が起こっているのかわからない様子。
「………」
功助はミュゼリアに向かって何かをしゃべりかけているがこちらも何を言っているのかわからない。
「あ、ああっ!すみません!」
ミュゼリアがあわてて両手を振り張った結界を消すとシャリーナと功助の声が聞こえてきた。
「ちょっとミュゼちゃんそれ違う!」
苦笑するシャリーナ。
「ミュゼ、何したんだ?」
頭に疑問符を浮かべる功助。
「も、申し訳ございません!」
とペコペコと頭を下げるミュゼリア。
「すみません!防音と消音の結界を間違えました。すみませんシャリーナ隊長、コースケ様!それにイリスさんたちもすみません」
とまた頭をペコペコさせて恥ずかしそうに顔を真っ赤にするミュゼリア。
「あははは。いいのいいの。ちょっと驚いちゃったけど気にしないでねミュゼちゃん」
と笑うシャリーナ。
「そうだったのか。急に何も聞こえなくなったからびっくりしたよ」
「申し訳ございませんでしたコースケ様」
と今度はすまなさそうなミュゼリア。
「ははは。いいって、そんなに気にしない気にしない。なあみんな」
功助は四人の見習いたちに顔を向けた。
「へ?は、はい。気にしないでくだしゃいミュゼリアさん!」
とイリスが代表して返事をした。
「はいはい。それじゃ改めて防音の結界張ってくれるかしらミュゼちゃん」
「あっ、はい!」
ミュゼリアはそう言い手を大きく広げると今度こそ防音の結界を張った。
「うん。さすがはミュゼちゃん。完璧な防音結界ね」
シャリーナはぐるっと見渡すとミュゼリアに向けて親指を立てた。
「さてと、お待たせ。話するわね。そんなに硬くならず楽にして。でも、ちょっとその前にみんなに質問させてちょうだい」
と言うと四人の見習いを見渡した。
「最初に、ねえメリア」
「はい!」
自分が呼ばれるとは思っていなかったメリアがそれでもあわてずに返事をした。
「あなたのその目、いつからブラウンの瞳なのか覚えてる?」
「はい。わたくしのこの瞳の色は生まれた時からだそうです」
そう言うとシャリーナは大きく頷く。
「それじゃフランサは?」
「はい。我も生まれつきと両親から気化されておりますです」
「そう。それじゃもーざは?」
「はい。私も生まれつき緑の目と髪です」
「そう。ありがと」
三人の返事を聞き頷くシャリーナ。
「さてとイリス」
「はいっ!」
「あなた今までは何色の瞳だったかしら?」
「はいっ、私の目の色は青紫でしたっ!髪の毛はちょっとくすんだ銀色ですっ!」
と元気よく返事をした。
「そう。みんなとは違って、髪と同じ銀色じゃなく青紫色だったのね」
「はいっ、そうですっ!」
またも元気に返事をする。
「えっとね、火、土、水の属性を持っている者は生まれつき瞳の色にその影響が出て来るの。でも風属性を持つ者は生まれた時は別の色なのが普通なのね。でもちゃんと髪は銀色系統の色になるのよ。イリスはくすんだ銀色、そしてあたしは白に近い銀色なの。知り合いには赤っぽい色や青っぽい色の銀髪もいたわね」
シャリーナは話をしながら自分の白銀の髪をその細い指先でくるくる巻いていじっている。
「瞳の色のことに話を戻すけど、あたしの瞳の色はもともと緑色だったのよ。それで、なぜ瞳の色が変わったかってことなんだけど」
そう言うと四人の見習いを一人一人見た。
「恐怖よ」
イリスを見てニヤリとするシャリーナ。ビクッと少し首を竦めるイリス。
「それはどういうことなんですシャリーナさん」
功助が少し緊張感のある雰囲気の中尋ねた。
「イリス、あなたあの黒い一つ目を見て怖かったでしょ?」
「は、はい。とても怖かったです」
とイリス。すると横にいるモーザがそれに続いた。
「イリスはとても怖がっていました。しゃがみ込みガタガタと震えていました。最後にはこの小さな身体からよくこんな声がというほどの絶叫をあげていました」
モーザはイリスを横目で見ながらシャリーナに話をした。
「そう。かなり怖かったようね。実はその恐怖が風属性を覚醒させるスイッチになってたのよ。風属性を持ってうまれてきた者は今のあなたたちの歳くらいに恐怖や強い興奮状態になると真の風属性が覚醒するの。ちなみにあたしが覚醒したきっかけはやはり恐怖だったわ。14歳の時にあたしの出身の村近くの森に薬草を採りにいった時にゴブリンに遭遇したの。それもなんと十匹のゴブリンに襲われかけたのよ。そこで真の風属性に覚醒してさ、それで襲ってきたゴブリンをズッタズタにしてやったわ。ほんっとスーッとしたのを覚えてるわ」
うふふと薄ら笑いをするシャリーナ。イリス以外の三人の見習いはすこしひいていた。ちなみに功助とミュゼリアもひいていた。
「イリス」
「はいシャリーナ隊長!」
「わかってくれたかしら?」
「はいっ!ゴブリンはズッタズタにすればいいんですねっ!」
ガクッ!
その場にいた全員がずっこけた。
「ちょっとイリス!あんたボケ過ぎ!ちゃんと話聞いてたのあんた?」
「へ?う、うん、聞いてたけど…。なんかおかしい?」
「ふう。ほんっとイリスねあんた」
「へ?」
頭の上に疑問符をたくさん浮かべるイリスだった。
「ふふ。まあいいわ。これが風属性の真の覚醒についてよ。このことはあまり他言しないようにね。で、何か質問あるかしら?」
と四人を見渡す。
「ないようね。質問が無いなら今日はもうあがってちょうだい。ダーリン」
「は、はい」
急に声をかけられた功助。
「悪いんだけどこの娘たちと外に出て訓練中の見習いたちに今日はあがってって言ってきてくれるかしら」
「あ、はい。了解しました。それじゃみんなお疲れ。さあ、外行こうか」
「はい」
四人の見習いは最後に敬礼をして功助とミュゼリアとともに控室から外に出た。
「お疲れ様ですコースケ様」
対策会議を終えて部屋に戻ってきたのは23時を少し回ったころだった。
「ふう」
といいながら会議の緊張で凝り固まった首をぐるぐる回す功助。
「お茶でもどうぞ」
「ありがと」
ミュゼリアが出したお茶をふうふうと言いながら一口飲む。
「はあ。一息ついたぁ」
「ふふふ。かなりお疲れですね」
「ああ、うん」
「それで、何か決まりましたか?」
「うん。まあたいしたことは決まってないんだけどね」
と功助。
決まったことといえば引き続き魔具が場内に入り込んでいないかを巡回し気を付けること、そしてこのことが魔王ゼドンの仕業として白竜城の警備の強化と食料や武器の整備と備蓄。そのほか諸々である。
「そうですか。まあ、今はそれくらいかもしれませんね」
「うん。まあ、気を付けるって言ってもどう気を付けるのかって思ったんだけど俺の場合は魔力砲のことをなるべく口に出さないようにするくらいかな」
「うふふ。そうですね。でもあれを知られたとしても対抗策なんてないんじゃないでしょうか」
となぜか胸を張るミュゼリア。
「あはは」
苦笑する功助。
「さてと。コースケ様そろそろお休みになってください。もうこんな時間です」
ミュゼリアが壁の時計を見ると23時半を過ぎていた。
「うん、そうだな。そろそろ休むとするか。明日はまた魔法師隊の訓練があるしな」
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