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第6章 何故
05 受信
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「あっ!」
スマホを見ていた功助が急に声をあげた。
「どうしたのダーリン!」
「どうしたんですかコースケ隊長!」
「何かあったのですかコースケ様!」
と功助が見ているスマホの画面を見た。
「あ、うん。バッテリーの残量が3パーセントになってる。充電が切れそうだ……。でもたぶん大丈夫だと思う。リペアさんからは光属性の魔力を当てると充電できるって聞いてるからね。よし、それじゃ試してみようかな」
功助はテーブルの上にスマホを置くとその上に両掌をかざした。そしてちょっとずつ、ちょっとずつ治癒や再生、癒しの属性である『光』の魔力を注いでいった。
「おっ、数字が上がっていってるぞ。4パーセント、6パーセント、8パーセント。へえ、充電器でするより速いなこれは。もう14パーセントも充電できてる。ははっ、こりゃいい」
「あ、これね。これがダーリンの世界の数字なのね。へえ、どんどん変わっていってるわね」
シャリーナも興味津々でスマホを見ている。
「魔具師のリペアは三日かかって80パーセントにしたって言ってましたが。さすがはコースケ隊長、魔力量が違うと注ぎ込まれる魔力もかなり違うんですね」
とラナーシア。
「あっ、もうすぐ80パーセントになりますよ」
とミュゼリア。
「えっ?なんでミュゼちゃん異世界の数字がわかるの?もしかして」
「はい。コースケ様に教えていただきました。といってる間にもう90パーセントです。すごいですコースケ様」
「ははは。ほんとだ。もうすぐ満タンだよ。95、96、97、98、99、。よしっと。100パーセント充電完了だ」
功助がうれしそうにスマホの上から両掌を除けたその時。
ピロピロピロピロピロ!
「ウギャッ!」
「うわっ!」
「きゃっ!」
シャリーナ、ラナーシア、ミュゼリアが突然の電子音に驚いた。
「何?何が起こったの!ねえダーリン!」
「コースケ隊長これはいったい?」
「コ、コースケ様…」
「あ、ああ、あ、……」
三人の問いかけに答えることもできず口を開いたままスマホを凝視する功助。
「……じゅ、受信してる……。な、なんでだ…」
スマホのディスプレイを見るとメール受信中とSNSのアプリもメッセージを受信しているのがわかった。
そして数秒後。メールとメッセージは受信されたのだった。
「コースケ様…」
「あ、うん。でも、嘘だろ……。なんで異世界にメールが送られてきたんだ」
「メール?何それ」
と今はもう静かになったスマホを見るシャリーナ。
「あ、はい。元の世界でこのスマホを使ってできる文章をやり取りできる方法です。異世界であるこちらの世界に送られてくるはずのないものです。なのにそれが送られてきた……」
功助の身体は少し震えていた。
「あのコースケ様。それってスマホでできるお手紙みたいなものですか?」
「あ、うん、そう。スマホでできる手紙の交換。でも……、そんなバカな…」
「ダーリン。それでそのメールがそのスマホに届いたっていうの?」
「た、たぶん」
「それでは見てみればいかがでしょうコースケ隊長」
とラナーシアがメールを確認してはどうかと功助に言った。
「あ、うん……」
功助は震える手でスマホを持つとメールとSNSを確認した。
「す、すごい。メールが500件以上来てるし、SNSも300件以上も……」
功助はそのメールを確かめるためにディスプレイをタップした。
「そんなにあるのダーリン」
「あのコースケ様、読んではいただけませんか?」
「あ、うん。読み上げよう…か」
そして功助はディスプレイをタップした。
「どこに言ってるんだ功助」「何してるんだ連絡してこい」「安藤さん、連絡ください」「どこ行ったんだお前。いい加減に出てこい」「安藤くん、何があったかわからないが連絡をしてきてください」「おい功助。どこにいるんだ」「功助さん、連絡ください、でないと私…」
功助が行方不明になった直後は功助を心配するメッセージが続いた。
そして父からのメール。
「功助、お前の捜索願を出した」
それを読んで目を伏せた。
「おい、お前このままだとクビだぞ」「安藤、あの書類はどこにあるんだ早く出しに来い」「功助よ、あの借りた金はもらっとくからな」「安藤さん、お願い返事ください」「功助、早く戻ってこいよ」「お前、そんなヤツだったのか」「どこかで野たれ死んでるんだろおまえ」「恨んででてくるなよな」「安藤くん、俺を一人にしないでくれ」「あなたはお星さまになったのね」
何かわけのわからないメッセージもあったがみんな功助を心配しているようだ。
そしてSNSを見る。
「お兄ちゃん連絡ください」「功助ひと様に迷惑をかけるんじゃない」「功助、お願い、母さんも父さんも心配してるから連絡ちょうだい。真依も悲しんでるしディーもあなたを捜して家の中をうろうろしてるのよ」「おい功助、来週の飲み会どうするんだ」「いい加減にしろよお前、既読ぐらいつけろやバカ」
家族や友人からのメッセージでいっぱいの受信箱。
「お兄ちゃん、もうお兄ちゃんには会えないの?みんな、みんなお兄ちゃんのこと捜してるんだよ。ねえ、連絡もできないの。ねえお兄ちゃん。お願いだから連絡して。生きてるんだよねお兄ちゃん」
「功助、明日お前のマンションを引き払ってくる。お前の荷物は全部自宅の元のお前の部屋に置いておく。そうそう会社からもはっきりさせてくれと言ってきている。仕方ないから無期限の給食願いを頼んだからな」
「功助。今どうしてるの、きちんとご飯は食べられてるの?病気になってない?ケガしてない?生きているんだよね。功助、戻ってきて」
家族からのメッセージ。それを読み上げているうちに功助の声は次第に小さくなっていった。そして、
「う、うぅっ」
功助はスマホをテーブルに置くと下を向いて肩を震わす。
「ダーリン……」
そっと功助の肩に手を置くシャリーナ。
下を向いてる功助の膝に落ちる数滴の涙。
「コースケ隊長……」
ラナーシアはシャリーナと反対の肩に優しく手を置いた。
「コースケ様……」
功助の後ろに回ったミュゼリアはその震える背中にそっと手を当てた。
そしてコースケを囲む三人の頬を伝う涙。
「……ありがとう。少し落ち着いた。ほんとありがとう」
袖で目を擦ると力なく微笑んだ。
「でも、メールでしたか、それがなぜ異世界に届いたんでしょうね」
スマホを見て首を傾げるラナーシア。
「そうよねえ。ありえないんだけどねえ」
とシャリーナも不思議そうだ。
「あの、私こう思うのですが」
と功助の後ろからミュゼリアがスマホを覗き込んで言った。
「ん?どう思うんだ?」
「はい。このスマホに充電された魔力ですが、さっきまではこっちの世界に住むリペアさんの光属性の魔力でした。でも今はスマホと同じ世界のコースケ様の光属性の魔力です。それがうまく元の世界と繋がる条件になったのではないでしょうか」
「ふむふむ。その発想いいかもしれないわねミュゼちゃん」
「私もそう思います」
とシャリーナとラナーシア。
「そっか。スマホと同じ世界の俺の魔力だからか。それならもしかして電話もできるかも……」
「デンワ?コースケ様、なんですかそのデンワとは?」
「あ、うん。このスマホを使って相手と話ができる方法だよ」
「そうなんですか。ということは元の世界ともお話が…」
とミュゼリアが話を続けようとした時。
ピロン!
「きゃっ!ま、また音がしましたコースケ様」
「あ、うん。したな。この音は…」
スマホを持ち上げてみるとSNSの着信の通知だった。
「……ま……、真依からだ……」
「マイ…?そ、それってコースケ様、コースケ様の妹君のマイ様じゃ……」
「あ、うん。そうだ…。妹の真依だ……」
功助はその震える指でディスプレイをタップした。
「お兄ちゃん!メッセージ見れたんだね。既読がついてるよ。今どこにいるの?連絡はできるの?できるんならメールでも電話でもなんでもいいから連絡してきて。もうみんな心配してるんだよ。早く連絡くださいお兄ちゃん」
「真依……」
「コースケ様」
「ダーリン、早くデンワでもメールでもしてあげたらどう?」
「コースケ隊長」
三人に促される功助。
「あ、うん。電話…してみるよ」
功助は深呼吸を二度三度して妹の電話番号をタップした。
トゥルルルルル、トゥルルルルル。
『もしもしお兄ちゃん!お兄ちゃんでしょ!お兄ちゃんだよね!お兄ちゃんやね!』
電話に出たのは真依だった。いつもとおりあわてると話しの最後の方で関西弁になってしまうし、興奮すると全部関西弁になる。父の出身は関西だ。だからその影響を多分に受けていた。
「あ、うん。俺だよ真依」
『お、お兄ちゃん!よかったほんとうによかった。でも、本当にお兄ちゃんなんだよね、本当にお兄ちゃんの功助なんだよね。そうなんやね!』
「ああ。間違いなくお前の兄貴の功助だよ真依」
『お兄ちゃーーーん!グスン。ほんとにもうどこに行ってるのよ!ズズッ。なんで連絡してくれなかったの!クスン。父さんも母さんもディーもあたしも心配してたんやで!わかってんのこのアホ兄貴!』
「悪い。どうしても連絡ができなかったんだ。できる方法がなかったんだ。ほんとごめんな真依」
『ううん。こうやって元気な声が聞けてよかったよ。それで今どこにいるん?ねえ、スマホも繋がらなかったことをかんがえると誰かに拉致されたとか?ねえ、そこどこなん?』
「あ、ああ、ここはな……、異世界なんだ」
『……そんなアホな……。もしかして頭でも打った?それとも変な薬してるんちゃうやろな!もしそうやったら許さへんで!わかってるやろ!』
「はは、やっぱそうなるよな。でも心配するな、頭も打ってないし変な薬も絶対にしてない。まあ、信じろと言う方がおかしいよな」
『どゆことなん?』
「ここは本当に異世界なんだ。あの日マンションに帰って玄関開けたら真っ白な光に包まれて…、気が付いたら大草原に寝てた。そしていろいろあってこうして元気に生きてる」
『……、んなアホな…、なんやねんそれ?異世界トリップしたっちゅうん?にわかには信じられへんねんけど。特に電話やと。お兄ちゃんが嘘ついてるんやとは思えへんけど、やっぱり言葉だけやと信じられへんであたし。もしできるんやったら証拠見せてぇな』
関西弁になる真依。
「証拠か…。そうだよな。えーとだな……」
心配そうに功助を見ている三人を見る。
「なあ真依」
『何や?』
「電話かけなおすから切っていいかな?」
『へ?切るん電話?』
「大丈夫、すぐにかけなおすから」
『う、うん。でもちゃんとまたつながるんでしょね?』
「大丈夫だと思うぞ」
『わかった。すぐにかけなおしてよね』
「ああ、それじゃ切るぞ」
そう言うと功助は通話を切った。
「ダーリン?」
「真依が俺がいるところが異世界だという証拠を見せろっていうからちょっと手伝ってくれます?」
「いいけど、どうするの?」
「魔法を見せます」
プルルルルルルルル
『お兄ちゃん、なんでビデオ通話?』
「おっ、映った映った」
功助は不思議そうな顔で見つめてきた真依を見て喜んでいる。
「これの方が証拠を見せられるからな」
『ま、そうだろうけどさ?……ってお兄ちゃんの後ろに色とりどりの髪の女の人が!?』
功助の後で同じようにスマホの画面を見入る三人がいた。
「す、すごい!相手の顔が見えてる?」
「それもすぐそこにいるようです」
「はい。まるでスマホの中におられるように感じてしまいます」
シャリーナ、ラナーシア、ミュゼリアがディスプレイに映った真依を見て驚いている。
「紹介しよう。こちらの銀色の髪の人が魔法師隊隊長のシャリーナさん。それから真ん中の赤い髪が魔法師隊副隊長のラナーシアさん、そしてこっちの水色の髪の人は俺の専属侍女のミュゼリアさん。彼女は青の騎士団の団長と結婚が決まってるんだ「
『えっ、お兄ちゃんに専属侍女がいるの?すごーい!それに結婚まできまってるんだ。えと、おめでとうございます!』
目を真ん丸にして驚く真依。
「あ、ありがとうございます」
少しはにかみスマホの中の真依にペコリとするミュゼリア。
「それじゃ真依、証拠を見せるよ。シャリーナさん」
「わかったわ。とその前に、あたしここ竜帝国魔法師隊隊長シャリーナ・シルフィーヌ、よろしくねマイちゃん。それじゃここが異世界だって証拠見せてあげるね」
少し離れるとシャリーナは身体の周囲に風を纏わすとゆっくりと宙に浮いた。
『うわっすごい浮いてるやんか!ねえお兄ちゃんトリックも何もないんだよね?細い糸でぶら下がってるわけじゃないんだよね!ほんますごいわ』
「ああ。何もないぞ。その証拠に……。ミュゼ」
「はい」
ミュゼリアはシャリーナの上下左右を手に持った木刀でめちゃくちゃに振り回す。当然何か支えるものがあれば木刀に当たるがそんな様子は微塵もない。
『ほんまなん?』
でもまだ少し不信感があるようだ。
「それならこれは」
とシャリーナは宙に浮いたまま真横になった。
『あっ!なんで?銀の髪も着ている服も重力に逆らっておんなじように真横になってる……。これはほんまかも』
「もひとつおまけにこれはどう?」
そう言うとシャリーナの身体は逆さまになった。そしてシャリーナの周囲を再びミュゼリアが木刀で何も支えがないことをアピールした。
『ほえ~。あかん……、あかんわこれ。ほんまもんや。なあお兄ちゃん。信じざるを得んわこれ。ほんまにお兄ちゃんは異世界に行ってしもたんやな……』
驚愕の中に悲しみが混じった。
「ああ。俺は確かに異なる世界にいる。連絡できなかったことわかってくれたか真依?」
『うん。わかった。それで……、還ってくる方法はあるの……?』
功助を見つめる真依。
「……あるには……あるけど…」
『何よそれ。あるんなら早く還ってきたらいいのに!』
「いや、実は……」
功助は元の世界への帰還方法を話した。今いる白竜城の王女が竜化時の牙を引き抜きこの世界で目覚めた地面に突き刺し自分の魔力を注げば還れること。だが牙を引き抜かれた王女は死ぬのだと。
『あちゃあ。それはちょっと酷いんじゃない。王女様ってどんな人かわからないけど……。お兄ちゃんその王女様のこと嫌いじゃないんでしょ?』
「あ、ああ」
『うーん、そりゃこっちに還ってくるの躊躇するよねえ……』
と眉間を寄せる。
『他に方法は無いの?』
「あるにはある。けどこれもけっこう大変なんだ」
功助はまた話した。四大魔族の屍とともに魔力と気を地面に注げば帰還できることを。三人の魔族の屍はあるが魔族の長の屍が手に入るかどうかわからないのだと。
『そうなんだ……。魔族の長か……。長なんだからそんなに簡単に表れないだろうし、それに強いんでしょその魔族の長』
「そうよ。とても強いらしいわ」
と真依に応えたのはシャリーナだった。
「魔族の長ゼドンはここ何百年も現れてないの。伝説や言い伝えじゃとっても強いと言われてるわ。大陸を剥がして空高くに投げたとか、海水を全部蒸発させたとか。まあ、眉唾物の伝説も多いけど。それでも強いことはまぎれもない事実なのよ」
『へえ。そうなんだ。……ということはお兄ちゃんをこっちに帰還させるには王女様の牙しか選択肢がないってことなのかな……?』
「……」
真依の言葉に沈黙する四人。
『あのさお兄ちゃん』
「な、なんだ?」
『あたしさ、一度その王女様と話してみたいんだけど可能かな?』
「へ?なんでお前がシオンと話したいんだ?」
『シオンっていうのその王女様』
「あ、うん。シオンベールっていうんだ」
『そう。ならお願い。いつでもいいからさ』
「ま、まあいいけど……。何考えてんだお前?」
『話したいだけよ。お願いね』
「あ、うん」
と功助。
「ところで真依。父さんと母さんはどうしてる?それにディーも」
『元気だよ。今日も失踪したお兄ちゃんの手がかりを捜すのに出かけてるけどディーはリビングで寝てるよ』
「そ、そうなんだ。……で、いつ戻る?』
「さあ?わからない。でも一時間もすれば帰ってくると思うよ』
「そうか。それじゃそれくらいにまた電話するよ」
『うん。それとさ、そっちの様子を写真か動画で送ってよ。父さんたちに転送するからさ』
「わかった。いくつか送るよ。それじゃあとで連絡するからな」
『うん。必ず電話してよ。お願いだからね』
「わかった。それじゃあな」
そう言って功助はスマホを置いた。
「コースケ様」
「うん。繋がったな…」
スマホを見るとバッテリーは95パーセントになっていた。
「また電話するのね、ダーリン」
「そうですね。今度は親父たちもいると思うけど」
と顔を覗き込んできているシャリーナを見た。
「でも、なんだな」
「なんですかコースケ様」
「電話してて思ったんだけど、けっこう冷静に話できてたかなって。さっきメール見た時なんてうれしいのか悲しいのかわからなかった。電話でもそうなのかなと思ったけど、案外普通に話できたよ」
小さく肩を竦める功助。
「さあ。真依に送る写真を撮ってくるよ。あっ、そうそう、、あとで電話する時、二人にも来て欲しいんですけどいいですか」
功助はシャリーナとラナーシアを順番に見た。
「いいわよ。そんなの当然よ。ね、ラナーシア」
「はい。当然ですよコースケ隊長」
「ありがとうございます。それじゃ…、えーと、今は4時半か」
壁の時計を見る。
「だいたい5時半過ぎに俺の部屋に来てもらえますか」
「わかったわ」
「はい、5時半過ぎですね。了解しました」
「よろしくです。さミュゼ、行こうか」
「はい、コースケ様」
そして功助はミュゼリアを伴い控室を出た。
外に出た功助はさっそくとばかり自主練をしている新人魔法師や見習い魔法師の訓練風景をスマホで撮った。
ちょうどイリスが風魔法の浮遊を使ってモーザの頭の上を走っているところが撮れた。
自室に戻った功助は窓の外の風景を撮った。そしてボール遊びをしている子供たちも撮った。有翼の少年が上空からボールを下にいるケンタウロスの少女目掛け投げるところがうまく撮れた。
「よしっと。なあミュゼ」
「はい、コースケ様」
「今からシオンのとこに行ってくるけど、シャリーナさんたちがもうすぐ来るからすまないけどここで応対しててくれないか?」
「姫様のところに行かれるのですか?はい、わかりました。私はシャリーナ隊長たちをここでお待ちいたします」
「頼むね」
そういうと功助は部屋を出た。
そしてゆっくりと廊下を歩きながらさっき撮った写真を添付したメールを真依に送信した。
「驚くだろうな」
功助は少し笑みをこぼした。
スマホを見ていた功助が急に声をあげた。
「どうしたのダーリン!」
「どうしたんですかコースケ隊長!」
「何かあったのですかコースケ様!」
と功助が見ているスマホの画面を見た。
「あ、うん。バッテリーの残量が3パーセントになってる。充電が切れそうだ……。でもたぶん大丈夫だと思う。リペアさんからは光属性の魔力を当てると充電できるって聞いてるからね。よし、それじゃ試してみようかな」
功助はテーブルの上にスマホを置くとその上に両掌をかざした。そしてちょっとずつ、ちょっとずつ治癒や再生、癒しの属性である『光』の魔力を注いでいった。
「おっ、数字が上がっていってるぞ。4パーセント、6パーセント、8パーセント。へえ、充電器でするより速いなこれは。もう14パーセントも充電できてる。ははっ、こりゃいい」
「あ、これね。これがダーリンの世界の数字なのね。へえ、どんどん変わっていってるわね」
シャリーナも興味津々でスマホを見ている。
「魔具師のリペアは三日かかって80パーセントにしたって言ってましたが。さすがはコースケ隊長、魔力量が違うと注ぎ込まれる魔力もかなり違うんですね」
とラナーシア。
「あっ、もうすぐ80パーセントになりますよ」
とミュゼリア。
「えっ?なんでミュゼちゃん異世界の数字がわかるの?もしかして」
「はい。コースケ様に教えていただきました。といってる間にもう90パーセントです。すごいですコースケ様」
「ははは。ほんとだ。もうすぐ満タンだよ。95、96、97、98、99、。よしっと。100パーセント充電完了だ」
功助がうれしそうにスマホの上から両掌を除けたその時。
ピロピロピロピロピロ!
「ウギャッ!」
「うわっ!」
「きゃっ!」
シャリーナ、ラナーシア、ミュゼリアが突然の電子音に驚いた。
「何?何が起こったの!ねえダーリン!」
「コースケ隊長これはいったい?」
「コ、コースケ様…」
「あ、ああ、あ、……」
三人の問いかけに答えることもできず口を開いたままスマホを凝視する功助。
「……じゅ、受信してる……。な、なんでだ…」
スマホのディスプレイを見るとメール受信中とSNSのアプリもメッセージを受信しているのがわかった。
そして数秒後。メールとメッセージは受信されたのだった。
「コースケ様…」
「あ、うん。でも、嘘だろ……。なんで異世界にメールが送られてきたんだ」
「メール?何それ」
と今はもう静かになったスマホを見るシャリーナ。
「あ、はい。元の世界でこのスマホを使ってできる文章をやり取りできる方法です。異世界であるこちらの世界に送られてくるはずのないものです。なのにそれが送られてきた……」
功助の身体は少し震えていた。
「あのコースケ様。それってスマホでできるお手紙みたいなものですか?」
「あ、うん、そう。スマホでできる手紙の交換。でも……、そんなバカな…」
「ダーリン。それでそのメールがそのスマホに届いたっていうの?」
「た、たぶん」
「それでは見てみればいかがでしょうコースケ隊長」
とラナーシアがメールを確認してはどうかと功助に言った。
「あ、うん……」
功助は震える手でスマホを持つとメールとSNSを確認した。
「す、すごい。メールが500件以上来てるし、SNSも300件以上も……」
功助はそのメールを確かめるためにディスプレイをタップした。
「そんなにあるのダーリン」
「あのコースケ様、読んではいただけませんか?」
「あ、うん。読み上げよう…か」
そして功助はディスプレイをタップした。
「どこに言ってるんだ功助」「何してるんだ連絡してこい」「安藤さん、連絡ください」「どこ行ったんだお前。いい加減に出てこい」「安藤くん、何があったかわからないが連絡をしてきてください」「おい功助。どこにいるんだ」「功助さん、連絡ください、でないと私…」
功助が行方不明になった直後は功助を心配するメッセージが続いた。
そして父からのメール。
「功助、お前の捜索願を出した」
それを読んで目を伏せた。
「おい、お前このままだとクビだぞ」「安藤、あの書類はどこにあるんだ早く出しに来い」「功助よ、あの借りた金はもらっとくからな」「安藤さん、お願い返事ください」「功助、早く戻ってこいよ」「お前、そんなヤツだったのか」「どこかで野たれ死んでるんだろおまえ」「恨んででてくるなよな」「安藤くん、俺を一人にしないでくれ」「あなたはお星さまになったのね」
何かわけのわからないメッセージもあったがみんな功助を心配しているようだ。
そしてSNSを見る。
「お兄ちゃん連絡ください」「功助ひと様に迷惑をかけるんじゃない」「功助、お願い、母さんも父さんも心配してるから連絡ちょうだい。真依も悲しんでるしディーもあなたを捜して家の中をうろうろしてるのよ」「おい功助、来週の飲み会どうするんだ」「いい加減にしろよお前、既読ぐらいつけろやバカ」
家族や友人からのメッセージでいっぱいの受信箱。
「お兄ちゃん、もうお兄ちゃんには会えないの?みんな、みんなお兄ちゃんのこと捜してるんだよ。ねえ、連絡もできないの。ねえお兄ちゃん。お願いだから連絡して。生きてるんだよねお兄ちゃん」
「功助、明日お前のマンションを引き払ってくる。お前の荷物は全部自宅の元のお前の部屋に置いておく。そうそう会社からもはっきりさせてくれと言ってきている。仕方ないから無期限の給食願いを頼んだからな」
「功助。今どうしてるの、きちんとご飯は食べられてるの?病気になってない?ケガしてない?生きているんだよね。功助、戻ってきて」
家族からのメッセージ。それを読み上げているうちに功助の声は次第に小さくなっていった。そして、
「う、うぅっ」
功助はスマホをテーブルに置くと下を向いて肩を震わす。
「ダーリン……」
そっと功助の肩に手を置くシャリーナ。
下を向いてる功助の膝に落ちる数滴の涙。
「コースケ隊長……」
ラナーシアはシャリーナと反対の肩に優しく手を置いた。
「コースケ様……」
功助の後ろに回ったミュゼリアはその震える背中にそっと手を当てた。
そしてコースケを囲む三人の頬を伝う涙。
「……ありがとう。少し落ち着いた。ほんとありがとう」
袖で目を擦ると力なく微笑んだ。
「でも、メールでしたか、それがなぜ異世界に届いたんでしょうね」
スマホを見て首を傾げるラナーシア。
「そうよねえ。ありえないんだけどねえ」
とシャリーナも不思議そうだ。
「あの、私こう思うのですが」
と功助の後ろからミュゼリアがスマホを覗き込んで言った。
「ん?どう思うんだ?」
「はい。このスマホに充電された魔力ですが、さっきまではこっちの世界に住むリペアさんの光属性の魔力でした。でも今はスマホと同じ世界のコースケ様の光属性の魔力です。それがうまく元の世界と繋がる条件になったのではないでしょうか」
「ふむふむ。その発想いいかもしれないわねミュゼちゃん」
「私もそう思います」
とシャリーナとラナーシア。
「そっか。スマホと同じ世界の俺の魔力だからか。それならもしかして電話もできるかも……」
「デンワ?コースケ様、なんですかそのデンワとは?」
「あ、うん。このスマホを使って相手と話ができる方法だよ」
「そうなんですか。ということは元の世界ともお話が…」
とミュゼリアが話を続けようとした時。
ピロン!
「きゃっ!ま、また音がしましたコースケ様」
「あ、うん。したな。この音は…」
スマホを持ち上げてみるとSNSの着信の通知だった。
「……ま……、真依からだ……」
「マイ…?そ、それってコースケ様、コースケ様の妹君のマイ様じゃ……」
「あ、うん。そうだ…。妹の真依だ……」
功助はその震える指でディスプレイをタップした。
「お兄ちゃん!メッセージ見れたんだね。既読がついてるよ。今どこにいるの?連絡はできるの?できるんならメールでも電話でもなんでもいいから連絡してきて。もうみんな心配してるんだよ。早く連絡くださいお兄ちゃん」
「真依……」
「コースケ様」
「ダーリン、早くデンワでもメールでもしてあげたらどう?」
「コースケ隊長」
三人に促される功助。
「あ、うん。電話…してみるよ」
功助は深呼吸を二度三度して妹の電話番号をタップした。
トゥルルルルル、トゥルルルルル。
『もしもしお兄ちゃん!お兄ちゃんでしょ!お兄ちゃんだよね!お兄ちゃんやね!』
電話に出たのは真依だった。いつもとおりあわてると話しの最後の方で関西弁になってしまうし、興奮すると全部関西弁になる。父の出身は関西だ。だからその影響を多分に受けていた。
「あ、うん。俺だよ真依」
『お、お兄ちゃん!よかったほんとうによかった。でも、本当にお兄ちゃんなんだよね、本当にお兄ちゃんの功助なんだよね。そうなんやね!』
「ああ。間違いなくお前の兄貴の功助だよ真依」
『お兄ちゃーーーん!グスン。ほんとにもうどこに行ってるのよ!ズズッ。なんで連絡してくれなかったの!クスン。父さんも母さんもディーもあたしも心配してたんやで!わかってんのこのアホ兄貴!』
「悪い。どうしても連絡ができなかったんだ。できる方法がなかったんだ。ほんとごめんな真依」
『ううん。こうやって元気な声が聞けてよかったよ。それで今どこにいるん?ねえ、スマホも繋がらなかったことをかんがえると誰かに拉致されたとか?ねえ、そこどこなん?』
「あ、ああ、ここはな……、異世界なんだ」
『……そんなアホな……。もしかして頭でも打った?それとも変な薬してるんちゃうやろな!もしそうやったら許さへんで!わかってるやろ!』
「はは、やっぱそうなるよな。でも心配するな、頭も打ってないし変な薬も絶対にしてない。まあ、信じろと言う方がおかしいよな」
『どゆことなん?』
「ここは本当に異世界なんだ。あの日マンションに帰って玄関開けたら真っ白な光に包まれて…、気が付いたら大草原に寝てた。そしていろいろあってこうして元気に生きてる」
『……、んなアホな…、なんやねんそれ?異世界トリップしたっちゅうん?にわかには信じられへんねんけど。特に電話やと。お兄ちゃんが嘘ついてるんやとは思えへんけど、やっぱり言葉だけやと信じられへんであたし。もしできるんやったら証拠見せてぇな』
関西弁になる真依。
「証拠か…。そうだよな。えーとだな……」
心配そうに功助を見ている三人を見る。
「なあ真依」
『何や?』
「電話かけなおすから切っていいかな?」
『へ?切るん電話?』
「大丈夫、すぐにかけなおすから」
『う、うん。でもちゃんとまたつながるんでしょね?』
「大丈夫だと思うぞ」
『わかった。すぐにかけなおしてよね』
「ああ、それじゃ切るぞ」
そう言うと功助は通話を切った。
「ダーリン?」
「真依が俺がいるところが異世界だという証拠を見せろっていうからちょっと手伝ってくれます?」
「いいけど、どうするの?」
「魔法を見せます」
プルルルルルルルル
『お兄ちゃん、なんでビデオ通話?』
「おっ、映った映った」
功助は不思議そうな顔で見つめてきた真依を見て喜んでいる。
「これの方が証拠を見せられるからな」
『ま、そうだろうけどさ?……ってお兄ちゃんの後ろに色とりどりの髪の女の人が!?』
功助の後で同じようにスマホの画面を見入る三人がいた。
「す、すごい!相手の顔が見えてる?」
「それもすぐそこにいるようです」
「はい。まるでスマホの中におられるように感じてしまいます」
シャリーナ、ラナーシア、ミュゼリアがディスプレイに映った真依を見て驚いている。
「紹介しよう。こちらの銀色の髪の人が魔法師隊隊長のシャリーナさん。それから真ん中の赤い髪が魔法師隊副隊長のラナーシアさん、そしてこっちの水色の髪の人は俺の専属侍女のミュゼリアさん。彼女は青の騎士団の団長と結婚が決まってるんだ「
『えっ、お兄ちゃんに専属侍女がいるの?すごーい!それに結婚まできまってるんだ。えと、おめでとうございます!』
目を真ん丸にして驚く真依。
「あ、ありがとうございます」
少しはにかみスマホの中の真依にペコリとするミュゼリア。
「それじゃ真依、証拠を見せるよ。シャリーナさん」
「わかったわ。とその前に、あたしここ竜帝国魔法師隊隊長シャリーナ・シルフィーヌ、よろしくねマイちゃん。それじゃここが異世界だって証拠見せてあげるね」
少し離れるとシャリーナは身体の周囲に風を纏わすとゆっくりと宙に浮いた。
『うわっすごい浮いてるやんか!ねえお兄ちゃんトリックも何もないんだよね?細い糸でぶら下がってるわけじゃないんだよね!ほんますごいわ』
「ああ。何もないぞ。その証拠に……。ミュゼ」
「はい」
ミュゼリアはシャリーナの上下左右を手に持った木刀でめちゃくちゃに振り回す。当然何か支えるものがあれば木刀に当たるがそんな様子は微塵もない。
『ほんまなん?』
でもまだ少し不信感があるようだ。
「それならこれは」
とシャリーナは宙に浮いたまま真横になった。
『あっ!なんで?銀の髪も着ている服も重力に逆らっておんなじように真横になってる……。これはほんまかも』
「もひとつおまけにこれはどう?」
そう言うとシャリーナの身体は逆さまになった。そしてシャリーナの周囲を再びミュゼリアが木刀で何も支えがないことをアピールした。
『ほえ~。あかん……、あかんわこれ。ほんまもんや。なあお兄ちゃん。信じざるを得んわこれ。ほんまにお兄ちゃんは異世界に行ってしもたんやな……』
驚愕の中に悲しみが混じった。
「ああ。俺は確かに異なる世界にいる。連絡できなかったことわかってくれたか真依?」
『うん。わかった。それで……、還ってくる方法はあるの……?』
功助を見つめる真依。
「……あるには……あるけど…」
『何よそれ。あるんなら早く還ってきたらいいのに!』
「いや、実は……」
功助は元の世界への帰還方法を話した。今いる白竜城の王女が竜化時の牙を引き抜きこの世界で目覚めた地面に突き刺し自分の魔力を注げば還れること。だが牙を引き抜かれた王女は死ぬのだと。
『あちゃあ。それはちょっと酷いんじゃない。王女様ってどんな人かわからないけど……。お兄ちゃんその王女様のこと嫌いじゃないんでしょ?』
「あ、ああ」
『うーん、そりゃこっちに還ってくるの躊躇するよねえ……』
と眉間を寄せる。
『他に方法は無いの?』
「あるにはある。けどこれもけっこう大変なんだ」
功助はまた話した。四大魔族の屍とともに魔力と気を地面に注げば帰還できることを。三人の魔族の屍はあるが魔族の長の屍が手に入るかどうかわからないのだと。
『そうなんだ……。魔族の長か……。長なんだからそんなに簡単に表れないだろうし、それに強いんでしょその魔族の長』
「そうよ。とても強いらしいわ」
と真依に応えたのはシャリーナだった。
「魔族の長ゼドンはここ何百年も現れてないの。伝説や言い伝えじゃとっても強いと言われてるわ。大陸を剥がして空高くに投げたとか、海水を全部蒸発させたとか。まあ、眉唾物の伝説も多いけど。それでも強いことはまぎれもない事実なのよ」
『へえ。そうなんだ。……ということはお兄ちゃんをこっちに帰還させるには王女様の牙しか選択肢がないってことなのかな……?』
「……」
真依の言葉に沈黙する四人。
『あのさお兄ちゃん』
「な、なんだ?」
『あたしさ、一度その王女様と話してみたいんだけど可能かな?』
「へ?なんでお前がシオンと話したいんだ?」
『シオンっていうのその王女様』
「あ、うん。シオンベールっていうんだ」
『そう。ならお願い。いつでもいいからさ』
「ま、まあいいけど……。何考えてんだお前?」
『話したいだけよ。お願いね』
「あ、うん」
と功助。
「ところで真依。父さんと母さんはどうしてる?それにディーも」
『元気だよ。今日も失踪したお兄ちゃんの手がかりを捜すのに出かけてるけどディーはリビングで寝てるよ』
「そ、そうなんだ。……で、いつ戻る?』
「さあ?わからない。でも一時間もすれば帰ってくると思うよ』
「そうか。それじゃそれくらいにまた電話するよ」
『うん。それとさ、そっちの様子を写真か動画で送ってよ。父さんたちに転送するからさ』
「わかった。いくつか送るよ。それじゃあとで連絡するからな」
『うん。必ず電話してよ。お願いだからね』
「わかった。それじゃあな」
そう言って功助はスマホを置いた。
「コースケ様」
「うん。繋がったな…」
スマホを見るとバッテリーは95パーセントになっていた。
「また電話するのね、ダーリン」
「そうですね。今度は親父たちもいると思うけど」
と顔を覗き込んできているシャリーナを見た。
「でも、なんだな」
「なんですかコースケ様」
「電話してて思ったんだけど、けっこう冷静に話できてたかなって。さっきメール見た時なんてうれしいのか悲しいのかわからなかった。電話でもそうなのかなと思ったけど、案外普通に話できたよ」
小さく肩を竦める功助。
「さあ。真依に送る写真を撮ってくるよ。あっ、そうそう、、あとで電話する時、二人にも来て欲しいんですけどいいですか」
功助はシャリーナとラナーシアを順番に見た。
「いいわよ。そんなの当然よ。ね、ラナーシア」
「はい。当然ですよコースケ隊長」
「ありがとうございます。それじゃ…、えーと、今は4時半か」
壁の時計を見る。
「だいたい5時半過ぎに俺の部屋に来てもらえますか」
「わかったわ」
「はい、5時半過ぎですね。了解しました」
「よろしくです。さミュゼ、行こうか」
「はい、コースケ様」
そして功助はミュゼリアを伴い控室を出た。
外に出た功助はさっそくとばかり自主練をしている新人魔法師や見習い魔法師の訓練風景をスマホで撮った。
ちょうどイリスが風魔法の浮遊を使ってモーザの頭の上を走っているところが撮れた。
自室に戻った功助は窓の外の風景を撮った。そしてボール遊びをしている子供たちも撮った。有翼の少年が上空からボールを下にいるケンタウロスの少女目掛け投げるところがうまく撮れた。
「よしっと。なあミュゼ」
「はい、コースケ様」
「今からシオンのとこに行ってくるけど、シャリーナさんたちがもうすぐ来るからすまないけどここで応対しててくれないか?」
「姫様のところに行かれるのですか?はい、わかりました。私はシャリーナ隊長たちをここでお待ちいたします」
「頼むね」
そういうと功助は部屋を出た。
そしてゆっくりと廊下を歩きながらさっき撮った写真を添付したメールを真依に送信した。
「驚くだろうな」
功助は少し笑みをこぼした。
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