異世界人と竜の姫

アデュスタム

文字の大きさ
63 / 74
第7章 魔王

08 怒りの功助

しおりを挟む
 ゼドンは功助に右拳を叩き込む。が、功助はそれを軽く手で払いお返しに右拳をぶつける。だがこちらも少し身体をそらし空を切らせた。
 功助が右拳を引いたその隙にゼドンは後方へ大きく跳躍。功助との距離をとった。
「これならどうだ!?」
 ゼドンは身体の周囲に竜巻を生み出すと同時に口から不気味な黒い靄を吐き出す。その靄を取り込んだ竜巻を功助目掛け放ったのだった。
「こんなものが効くとでも思ってるのか?」
 腕を一振りすると迫りくる竜巻は暗い空に霧散した。
「やはりこんな子供だましは効かぬか。ならば!」
 地を蹴ると恐ろしい形相で功助の間合いに入るゼドン。だが功助はカウンターで拳をゼドンの顔目掛け振りぬいた。だが、
「な、なんで!」
 功助の拳はゼドンの顔をすり抜けた。
「あがっ!」
 そして功助の側頭部を強い衝撃が襲う。目の前から消えたゼドンがなんと真横から拳を叩き込んだのだった。
 地面をえぐりながら真横に吹っ飛ぶ功助。
「うっ…。うぐわっ!」
 ようやく止まると先回りしていたゼドンが功助の頭を蹴り上げ空高く舞い上がらせた。そしてゼドンも跳躍するといまだ勢いよく上昇する功助に追いつき再びその身体を地面に向けて蹴った。
「あがっ!ゲホゲホ……」
 勢いよく地面に激突した功助。大きなクレーターを作った。
「どわっ!」
 間髪入れず今度は横っ腹に魔力球を撃ちこまれ吹っ飛ばされた。
 数十メートル跳ばされゴロゴロ転がるとようやく止まる。
「く、くそっ!はあはあ、ううぅっ、はあはあはあ……、ケホッ」
吐いた血でむせる功助。
『コースケ様!大丈夫ですか!』
『大丈夫コースケ!』
 シオンベールとユリアルが心配そうにしている。
『あ、ああ。大丈夫だ、大丈夫だけど少し痛いかな』
『コースケ様、それは大丈夫じゃないってことです!』
『ははは。…かもな』
 その時、
『コースケ、いい加減にしてよ!』
 とユリアルが怒声を飛ばす。
『ボクの力を使ってって言ったよね。なんで使わないの?』
『そうです。私の力も存分に使ってくださいと申し上げたのに!』
『……あ、うん。ははは、わかった?』
『『そりゃわかるでしょ!』』
 と二人が怒声をあげた。
『ごめん。今からは存分に使うから』
『『そうしてください』』
 少しうめき声をあげながらうつ伏せになるとゆっくりと身体を起こし四つん這いになった。
「けほっ…、はあはあ……」
 前を見るとうれしそうに笑うゼドンが立っていた。
「おらっ!弾けろ!」
 ゼドンは功助の顔面に渾身の蹴りを見舞う。
  ガキッ!
 まるで金属同士がぶち当たったような音が響いた。
「なんだと!」
「悪かったな止めてしまって」
 功助は左手でゼドンの足首をガシッとつかみ止めた。そして空いた右手にユリアルの光の魔力を込めるとゼドンの膝にその手刀を叩きつけた。
「お返しだ!」
「うぐわあああああ!」
 バキッという音とともにゼドンの右足は膝が逆に曲がった。そして下腿が膝からちぎれた。
 たまらず大きく後方に跳ぶゼドン。右足からボタボタと黒い血が地面に落ち黒い水たまりを作った。
 黒い靄が足の切断面に集まり傷を治癒させようとしているがなかなか治癒できない。
「くそっ!なぜだ!なぜ治癒できん!」
 痛む足を抑えるゼドン。
「教えてやろう」
 功助は左手にゼドンのちぎれた下腿を持ち立ち上がった。
「白竜神ユリアルの光の魔力のせいだ。お前たち魔族を滅するための光の魔力。ユリアル一人じゃここまでの威力はないけど俺と竜の姫の力を合わせると究極の光の魔力となる。だからもうお前には勝ち目は無い。こんなふうにな」
 功助は握ったゼドンの下腿を前に突き出すと手に光の魔力を集中させた。
「な、なんと!」
 ゼドンの下腿は光に包まれると黒い煙をあげながら消滅した。
「それとそのお前の足の傷。もう治らないぞ。血は止まるだろうがもう再生はしない」
「ぬぬぬぬぬぬ!ぬわんだとおおおおお!」
 身体から黒い靄を噴き上げるとゼドンは宙に浮き功助目掛け跳んだ。だが功助は冷静に胸の前で腕をクロスさせるとその腕を真横に開いた。
「くらえシオンの怒りのブレスだ!」
 竜の姫シオンベールの青白い灼熱のブレスが胸の人竜球から放たれた。
 そのブレスに頭から突っ込むゼドン。
「うぐおわああああああ!」
 ブレスの凄まじい炎に押し返され地面をえぐりながら吹き飛ぶゼドン。
「フログス親子を狂わせ、フェンリルを使いシオンの人竜球を壊しその命をおびやかし、ミュゼにまで魔の手をかけたこと、俺は絶対に許さない」
  うつ伏せで体中から黒い煙をあげるゼドンを見下ろす功助の目は冷血だった。
「ぐ…、うぐっ……。くそっ……」
 起き上がろうとするも功助はゼドンの横っ腹に一発蹴りを入れる。
「フログス子爵の分だ!」
「うわがっ!」
 再び吹き飛び地面に大穴を開ける。
「さあ、最期の時だ。完全に消滅させてやる!」
 功助は両腕をゼドンに向けると己の体内魔力とシオンベールの黄金の魔力、そしてユリアルの純白の光の魔力をその拳に注ぎ込む。
 そして光の球となった魔力の塊を放とうとしたその時。
「なんだっ!俺の腕が!」「な、何?あたしのお腹から!あっうぐわっ!」「俺の足ぃぃぃぃ!」「な、何これ!私の胸が!」
 白竜軍の方から叫び声が聞こえてきた。
「なんだ?!」
 功助が思わず白竜軍を見るとその半分ほどの者たちが叫び苦しんでいた。
 指先から黒く変色していき煙を出して消失している腕を抑える兵士、ローブを突き破り腹から出てきた黒い靄に絶叫する魔法師、いきなり両足が破裂し倒れる騎士、そして急激に膨張した胸に押しつぶされそうになっている女性兵士。
「なっ……!……お、お前のしわざか!」
 放つ寸前だったコースケ砲を霧散させてしまい苦しむ白竜軍を見てゼドンを睨む功助。
「ああ。だがあまり効いてないヤツもいるようだが。かなりの魔力を持っているようだな。くくく」
 うれしそうに笑うゼドン。
 ゼドンのいうとおり白竜軍の中にはあまり症状がでていない者もいた。
 シャリーナとミュゼリアはふらふらとなり蒼白で、ラナーシアとベルクリットとハンスはひざまづき嘔吐している程度だ。
「も、……もしかしてさっきの竜巻、あの黒い靄……!」
「おお、察しがいいな。そのとおりだ。貴様が拡散してくれたおかげだ。感謝する。ぐわははははははは!」
高笑いをするゼドン。
「くっ!」
 歯噛みする功助。
『な、なんてことを……!どうしたらいいのでしょうユリアル』
 功助と融合した二人も憤りを露わにしている。
『きっとボクの白竜の光を浴びればあの黒い靄の呪縛から解き放てると思う』
『ならば今すぐに!』
『でもあいつはそうはさせてくれなさそうだよシオンベール』
 ユリアルがそう言った直後ゼドンの両腕から黒い魔力砲が撃ちだされた。
「貴様には何もさせん!」
 卑しく笑いながら黒い魔力砲を連発するゼドン。功助は右に左に回避しながら反撃のチャンスを伺うがなかなかその隙が見つからない。
「くそっ!」
 防戦一方の功助。その耳には苦しむ白竜軍の苦悶の声が響く。そして、
「えっ!?城からも……」
 白竜城からも恐怖におびえる声が聞こえてきたのだった。
「畜生め!」
 無限ともいえる数の魔力球を防ぐ功助にあせりの色が見えてきた。その時。
「うがっ!」
 ゼドンが吹っ飛んだ。
 白竜軍から飛んできた巨大な|風塊》ウインドソリッド》が真横からゼドンを吹き飛ばしたのだった。
「ミュゼ、それにシャリーナさん」
 大きく肩で息をしている二人の姿が目に入る。黒い靄の影響で魔力が残り少ないのに二人で援護してくれたのだ。
「ありがとうミュゼ、シャリーナさん」
 功助はすぐさま吹き飛ばされたゼドンに向けて両腕を向けた。そして再びシオンベールとユリアル、自分自身の魔力をその拳に集約していく。その拳はまばゆいほどの純白の光を放ち身震いするほどの魔力が渦を巻いている。
「覚悟しろゼドン!」
 ようやく起き上がり功助を見たゼドンはその顔に恐怖を貼り付けた。
「な、なんという凄まじさ……。あれほどの魔力……。し、死んでたまるか!」
 ゼドンは右手を上下に振り空間に裂け目を生み出すと、よろよろとその中に入ろうとしている。
「させるか!くらえ超コースケ砲!!」
 両拳から放たれた純白の光の束が驚愕に目を見開くゼドンに向かい直進した。そして空間の裂け目とともにゼドンを超コースケ砲が呑み込む。
「……!!」
 ゼドンは断末魔の声をあげることもできず身体は神聖なる光の束に呑み込まれた。薄れゆく意識の中徐々に蒸発し焼死していく己の身体に恐怖を感じながらゼドンの魔の身体は蒸発したのだった。
 そしてそこには、一対のヒツジのようなツノが転がっていた。
「ユリアルやったぞ!ゼドンを滅したぞ!」
 ゼドンを滅した光の束は少し白んできている夜明け前の空に吸い込まれていった。
『う、うん。ありがとうコースケ、本当にありがとう。これで、これでボクの母も浮かばれるよ。ほんとうれしいよ』
 少し涙声のユリアルはうれしそうだ。
『よかったですねユリアル』
 シオンベールも少し涙声だ。
「さあ、今度は白竜軍を、みんなを助けよう。二人とももう少し力を貸してくれ」
『『はい』』

「みんな!大丈夫か!」
 後方で待機していた白竜軍に近づくとその光景に功助は歯噛みした。痛みに自分の身体をかきむしる者泡を吹いて痙攣してる者、ただ痛みに耐え涙を流すもの。……阿鼻叫喚が拡がっていた。
「……ダ、ダーリン……。う、うぅ……。も、もうダメかも……。ぐぼっ」
 功助は倒れているシャリーナの横にしゃがむとその顔を見る。
「シャリーナさん!」
 黒い靄の血のようなものを吐くシャリーナ。その顔は蒼白で、綺麗だった銀色の瞳は濁り功助を見ていても焦点が合っていないようだ。
「コ……、コースケ様……。ご無事で……。げほっ」
 その横でミュゼリアも苦悶の表情で黒い靄を嘔吐し全身を痙攣させていた。
「ミュゼ…。俺は大丈夫だ。シャリーナさん、ミュゼ、さっきは援護してくれてありがとう、おかげでゼドンを滅することができたよ。今すぐに助けるからな」
 功助は立ち上がると両手を思いっきり開いた。そして額の水晶のようなツノに意識を向ける。そして体内の魔力をそのツノから放射状に解き放った。
 白く光る水晶のツノ。そこから放たれた白い浄化の光は倒れている白竜軍全員を包み込む。あちこちから聞こえていた呻き声や叫び声は徐々に聞こえなくなり、そして数分後、その白い光は徐々に薄くなり消えた。
 そこには苦痛で苦しむものは誰一人おらず、白竜軍全員が安心しきった顔で眠っていた。
 だが一人だけすぐに目を覚ました者がいた。
「あれ?あれれれれれれ?どうなったの?一体どうなったの?」
 パッチリと目を覚ましたのはシャリーナだった。
「あっ、ダーリン!」
 ピョコンと跳ね起きたシャリーナは目の前で微笑んでいる功助に気づいた。
「よかったシャリーナさん。体調はどう?」
「へ?う、うん。どこも痛くないし苦しくもないし。シャリーナ隊長の体調は言うことなしよ!……あはは」
 と自分で言ったことにちょっと恥ずかしさを覚えたようだ。
「ははは。それはよかった。ミュゼも大丈夫みたいだな」
 シャリーナの横ですやすやと眠っているミュゼリアを見て再び微笑む功助。
『コースケ、ホッとしてる場合じゃないよ。白竜城の中にも犠牲者がいるんだから』
『そうですコースケ様。早く城の中も浄化しないと』
「あっ、そうだった」
 とあわてる功助。
「今の声はもしかして姫様と白竜神様?」
 頭の中に直接聞こえてきた声にほんの少し驚くがすぐに冷静になり功助を見る。
「はい。なので今から城の中に行ってきます。白竜軍のことよろしくお願いします」
「わかったわ。城の中のみんなをよろしくねダーリン」
 はいと言う言葉とともに功助は白竜城に向かって飛んだ。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

【完結】うだつが上がらない底辺冒険者だったオッサンは命を燃やして強くなる

邪代夜叉(ヤシロヤシャ)
ファンタジー
まだ遅くない。 オッサンにだって、未来がある。 底辺から這い上がる冒険譚?! 辺鄙の小さな村に生まれた少年トーマは、幼い頃にゴブリン退治で村に訪れていた冒険者に憧れ、いつか自らも偉大な冒険者となることを誓い、十五歳で村を飛び出した。 しかし現実は厳しかった。 十数年の時は流れてオッサンとなり、その間、大きな成果を残せず“とんまのトーマ”と不名誉なあだ名を陰で囁かれ、やがて採取や配達といった雑用依頼ばかりこなす、うだつの上がらない底辺冒険者生活を続けていた。 そんなある日、荷車の護衛の依頼を受けたトーマは――

おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう

お餅ミトコンドリア
ファンタジー
 パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。  だが、全くの無名。  彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。  若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。  弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。  独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。  が、ある日。 「お久しぶりです、師匠!」  絶世の美少女が家を訪れた。  彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。 「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」  精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。 「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」  これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。 (※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。 もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです! 何卒宜しくお願いいたします!)

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―

ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」 前世、15歳で人生を終えたぼく。 目が覚めたら異世界の、5歳の王子様! けど、人質として大国に送られた危ない身分。 そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。 「ぼく、このお話知ってる!!」 生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!? このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!! 「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」 生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。 とにかく周りに気を使いまくって! 王子様たちは全力尊重! 侍女さんたちには迷惑かけない! ひたすら頑張れ、ぼく! ――猶予は後10年。 原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない! お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。 それでも、ぼくは諦めない。 だって、絶対の絶対に死にたくないからっ! 原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。 健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。 どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。 (全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

処理中です...