異世界人と竜の姫

アデュスタム

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第8章 嵐の竜帝国

05 濁流

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「シオン」
『はい』
 被災地に向かう二人。
「気をつかってくれてありがとう」
『はい?なんのことでしょう?』
「首を傾げるシオンベール。
「俺のことを一番に思ってくれてたんだな。それなのにシオンの気持ちがわからなかった俺を許してくれ」
『はい?なんのことでしょうか?』
「俺、シオンに嫌われたかと思ってさ。話がしたくても、俺を避けてたし。でも、気づいたんだ。ほんと女心ってむずかしいよな。シオンの俺への心遣い、気づかずごめん。そして、ありがとう」
『あ、いえ、えと、な、な、なんのことでしょうか…?わ、わた、私には思い当たる節が無いのですが!?』
「あはは。そうか。でもありがとうシオン」
『……』

 無言で被災地に向かう二人。そして、前方に濁流渦巻くアール川が見えた。
『あれがアール川です。なんて恐ろしい光景なのでしょう』
「そうだな。すごい濁流だ。シオン、孤児院に急ごう」
『はい!』
 川は茶色く濁り、瓦礫や樹木などが暴れながら流れて行く。すでに岸部と川の境はなく広範囲が濁流に呑まれている。
 その時これまでにないような大きな雷鳴が聞こえた。それはアール川の上流の山に落ちたようだった。
「すごい雷だ。なんか耳がキンキンする」
 と頭を振る功助。
『はい。驚きました』
 シオンベールも頭を振り少し震えた身体に力を入れて震えを止めた。
「あっ!誰かいる!助けないと」
 濁流の中を酒樽にしがみつき流されている人を見つけた功助はすぐさま救助に向かう。
『あそこにも人が!』
 シオンベールもその樽にしがみついている人の前方で必死に助けを求める人を見つけた。
 功助は両腕で抱え、シオンベールはその足で優しく身体を掴む。二人はそれぞれ救助すると高台で避難している人たちのところに運んで行った。
 何人かを救助し孤児院と養老院のあった地区に急ぐ二人。
『どこ!どこなの!』
 孤児院に続く橋も流され周囲は茶色く濁った濁流のため正確な場所がわからない。シオンベールは長い首を大きく振り孤児院を捜す。
「ん?あれは?シオン、孤児院じゃないけどあれって養老院か?!」
『どこですか!あ、はい、そうみたいです。養老院です」
 青い屋根の養老院が今にも流されそうになっていた。
「養老院には俺が救助にいく。シオン、お前は孤児院に迎え」
『で、でも』
「早く行け!手遅れになったらどうする!」
『…はい、わかりました。コースケ様、養老院、お願いします』
 そういうとシオンベールは上流に飛んで行った。

 功助は養老院に近づくと窓から中を伺う。中では老人たちが身を寄せ合っていた。
「大丈夫ですか!」
 窓から中に入ると驚いたような顔の老人たち。
「お、おおっ!兄ちゃん?何をしておる、ここは危険じゃすぐに逃げるんじゃ!」
 と老婆が言う。もう腰まで水につかっている。早く助けないととあせる。
「俺は大丈夫です。それよりみなさん大丈夫ですか!これで全員ですか!?」
「あ、ああ。これで全員じゃ。あと五人ほどいたんじゃが……、流された。たぶんもうダメじゃろうな」
 老人が悔しそうに話す。
「そうですか……。それじゃここを脱出しましょう」
 功助は水魔法で半球状のカプセルのようなものを作るとその中に全員入ってもらった。
  ゴゴゴゴゴゴ。ギシッギシッ。バキッ!
 濁流の力についに養老院が崩壊を始めた。
「よし、行くぞ!」
 功助は風魔法で水のカプセルを浮かせるとそのまま屋根を突き破り外に出た。そして数秒後養老院は濁流に呑み込まれたのだった。
「ふう。間一髪だったな」
 功助は高台に向かい老人たちを降ろすとシオンベールの許に飛んだ。

『どこ!どこなの!』
 孤児院を捜すシオンベール。
『あっ!あった!』
 そこには一階が完全に水没しているレンガ造りの孤児院がグラグラと揺れながら濁流に耐えていた。
『待ってて!今行きますからね!』
 シオンベールは一声鳴くと赤い屋根に向かった。
『いた!』
 シオンベールは赤い屋根の家に近づくと長い首を伸ばし中を見た。中には15人の子供たちと院長、そして4人の大人が震えていた。
『よかった。みんな無事みたい。でも早くしないと!』
 シオンベールは竜化を解除し人化すると二階のベランダに降りて窓を叩く。
「あっ!姫様だ!」
 一人の子供の声で全員ベランダを見る。
「ご無事ですか?」
 窓から入ってきたシオンベールに子供は喜び大人は驚く。
「な、何故姫様がこのようなところへ!」
 一人の老人が説明を求めた。
「院長先生、説明はあとです。すぐにここから避難します」
 と全員を見渡す。
「(でも、どうやって。コースケ様は何か半球状の中に乗せていたけれど……)」
 竜化した背中に乗せようかと思ったが二十人は乗せられない。一度往復しようか、でもそれでは間に合わないかもと考えていると、シオンベールと同じようにベランダの窓から入ってきた者がいた。
「姫様、お手伝いいたします」
 入ってきたのはミュゼリアだった。
「ミュゼリア!なぜあなたがここに?」
「はい。姫様とコースケ様のお手伝いがしたくて。さあ、私も竜化いたします。二人ならみなさんを同時に安全な場所までお運びできるかと」
 微笑むミュゼリア。
「……ミュゼリア、ありがとう、感謝します。さすがはコースケ様専属侍女、そして私の戦友!」
「はい!」
 と少しはにかむミュゼリア。
「まずは姫様、竜化してください。子供たちをお背中にお乗せ致します。そしてそのあと私が大人の方々と残った子供たちを運びます」
「わかりました。みなさんこのミュゼリアの言うとおりにしてください。私が竜化しますので背中に乗ってください」
 と言うと院長がめっそうもないと頭を下げる。
「姫様のお背中に乗せていただくなどと無礼なことは……」
「院長!いいですか!今、そのようなことはまったく意味がありません。どうか、どうか私たちの背に乗ってください。いいですね!」
「姫様……」
 困惑する院長。
「院長先生、姫様のおっしゃるようにしてください。そうでないと全員この濁流に呑み込まれて命を落とします!」
 とミュゼリア。
「……わかりました。姫様、侍女のお方、よろしくお願いいたします」
 と深々と頭を下げる院長。
「それでは」
 とシオンベールが竜化した。
 ミュゼリアは子供たちをシオンベールの背中に次々と乗せていく。
 そして十人ほど乗せた時。
  グワゴゴゴゴゴゴゴ!
 家が大きく震えそして腹まで震わす爆音が聞こえた。
 何だと思い上流を見ると、なんと白竜城の主塔ほどの巨岩が激流に乗って転がってきたのが見えた。
「ビギャワアアアアア!」
 シオンベールが絶叫した。
「えっ!」
 ミュゼリアもそれを確認すると急いで子供たちをシオンベールの背中に乗せられるだけ乗せる。
「だ、ダメ!間に合わない!」
 どんどん迫ってくる巨岩。泣きわめく子供たち。
 その時上流の方で大声が聞こえた。
「うおわありゃあああああああ!」
 シオンベールとミュゼリアがそちらを、巨岩の方を見ると全身から魔力を噴き出して巨岩に立ちはだかる功助の姿が見えた。

「あれ?あれはミュゼ。どうして……。ってミュゼだなあもう」
 シオンベールの手伝いをしようと孤児院に向かうとその中に入って行くミュゼリアを見つけると苦笑する功助。
「シオンの手伝いはミュゼにまかせてと。俺は孤児院に瓦礫とかがぶつからないようにするか」
 功助は孤児院の上流側に陣取ると流れてくる瓦礫や岩、樹木などを孤児院にぶつからせないよう遠ざけたり砕いたりした。
 その時、
  グワゴゴゴゴゴゴゴ!
 上流からとてつもない巨大な岩が濁流に押され転がってきた。
「な、なんじゃあれは!」
 少しひるむ功助。
「くそっ、真っすぐこっちに向かってくるぞ。今あんなのが来たら……。全員即死だ」
 功助はそう呟くと巨岩の目の前まで飛んだ。
「でかい、でかすぎるだろこれ。いくら異世界でもでかすぎるだろ!」
 10階建てのビルがそのまま転がってきているようだと功助は少し身体が震えた。
「やるしか、やるしかない!シオンとユリアルと融合した時のような威力はないだろうけど、この岩を砕かないと」
 功助は両の拳を巨岩に向ける。そして体内の魔力と気をその拳に集中していく。少しずつ純白に輝いてくる拳。それに伴い功助の全身からも純白の魔力が迸る。
 小さな太陽と化した功助は巨岩に向けて超コースケ砲を放った。
「うおわありゃあああああああ!」
 まるで全身から放たれたような超コースケ砲は巨岩に命中すると岩全体を包み込んだ。
 グゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!
 木端みじんに砕ける巨岩。だが周囲に拡がらずそのまま川の中に崩れ落ちる巨岩。
「わっ!うわああああああああ!」
 だが巨岩が崩れる時、なんと功助に向かい倒れてきた。
 功助に無数の爆散した岩や砂塵が襲い掛かる。そしてなんと激流の中に岩もろとも沈んで行ったのだった。

『コースケ様ぁぁぁぁぁ!』
「そ、そんな……、嘘……。そんなことあるわけない!コ、コースケ様ぁぁぁぁぁ!」
 シオンベールとミュゼリアの絶叫は濁流の爆音と爆風にかき消された。
『コ、コースケ様……。今、今行きます!私がコースケ様をお助けいたします!待っててください!!』
「うわああああん!」「こ、怖いよぉ!」「助けて助けて助けてぇぇ!」
 功助を助けに行こうとするシオンベール。だが背中に乗せた子供たちが恐怖に泣き叫ぶ。
「姫様……。姫様今のうちに子供たちを!」
 ミュゼリアの声に我を取り戻すシオンベール。
『(そ、そうでした。今私は子供たちを救うためにここにきたのです。……コースケ様……。助けに行きたい……でも、ううっ)』
 大粒の涙が竜と化したシオンベールの目から零れ落ちる。だが豪雨によりその涙はすぐに宙に散った。
『コースケ様、今しばらく、今しばらくお待ちください。子供たちを安全なところに連れて行ったら、私がコースケ様をお助けいたします!)』
 パギャー!
 シオンベールは一声鳴くと背中に乗せた子供たちに不安を与えないようゆっくりと上昇した。その後を竜化したミュゼリアが同じく背中に院長たちを乗せ飛び立った。

 孤児院の子供たちを安全な高台に避難させるとシオンベールは功助を救助するため飛び立とうとする。だがそこに怒りの声がかけられた。
「待って姫様!なんでこんなとこにいるんですか!それにさっきとても大きな魔力を感じたわよ、あれってダーリンじゃなかったの!」
 その声はシャリーナだった。竜化したカレットとともにたくさんの人たちが避難してきたこの高台にやってきたのだった。
「パギャピギャパーギャ!」
「あたしは竜語がわからないから人化してください!」
 そう言われシオンベールは白い光とともに人化した。
「シャリーナ隊長。もうしわけございません」
「で、なんでここにいるんですか姫様!それとダーリンは?!」
 目を吊り上げて怒るシャリーナ。
「あの、それは……」
 シオンベールはかいつまんで説明する。
「そう。でもね人が足りないとはいえ一国の王女が出てきたらダメでしょう!ミュゼちゃんも同罪よ!何してんの!それにダーリンはどうしたのダーリンは!」
 雷にも負けない声でシオンベールとミュゼリアに怒声を浴びせるシャリーナ。
「えと、あの……」
 ミュゼリアは功助が今大変だということを説明した。それを聞いて顔を青くするシャリーナ。
「ちょっ、ちょっとそれ……。早く捜しに行かないとダーリンが死んじゃうじゃない!行くわよ!」
 シャリーナは風を纏うと宙に飛び上がる。シオンベールもミュゼリアも竜化しシャリーナを追いかけた。

「いない!いない、いない、いない、いない、いない!!どこ!どこに行ったのダーリーーーン!!」
 濁流の水面を目を皿にして功助を捜すシャリーナ。
 シオンベールもミュゼリアも必死に功助を捜す。
『いない!いない!いない!いない!コースケ様ぁぁぁぁ!どこに、どこにおられるのですかぁぁぁぁぁ!』
 シオンベールが濁流の上をかすめながら捜す。
『コースケ様、コースケ様、コースケ様ぁぁぁ!どこに行かれたのですかぁぁぁ!』
 ミュゼリアも必死に捜すが見つからない。
 功助を捜している間にも何人もの人たちを救助する三人。
 時は止まることなくうごき続ける。功助の姿はいまだ見つからない。
』こうなったら!』
 シオンベールは功助が沈んだ辺りに狙いを定めると、濁流の中に飛び込んだ。
 水は濁り1メートル先どころか1センチ前も見えない。それに囂々と流れる水の音で聴覚も効かない。だがシオンベールは勘を頼りに川底までたどり着くと周囲を捜す。
                        功助の魔力は自分の体内に流れているからどんな微かな魔力でも関知できる。シオンベールは集中し功助の魔力を捜す。
 だが勢いよく流れてくる石や瓦礫が身体のいたるところにぶつかる。障壁を張ればいいがそうすれば功助の魔力を関知する制度が落ちる。シオンベールは痛みに耐え魔力を捜す。
『どこ、どこに行ったのコースケ様……。ダメ、いない……』
 川底をゆっくり歩きながら功助を捜す黄金の竜シオンベール。
『ダメ、息が続かない……』
 一度水中から飛び上がるシオンベール。
『はあはあはあ。……コースケ様……』
 川の上を憎らしそうに見つめるシオンベール。
「パギャピギャパーギャーーー!」
 川に向かい絶叫するシオンベール。

 それから何時間たったのだろう。もしかすると一時間もたっていないかもしれない。シオンベールとシャリーナ、ミュゼリアは全力で功助を捜索する。三人の顔はもう涙と豪雨でグシャグシャになっている。それでもあきらめず功助を捜索している。
「ダメ……、ダーリンが見つからない……。仕方ない、一旦休まないと……。姫様、ミュゼちゃん、一度休むわよ!」
 創作を続けているシオンベールとミュゼリアに近づき声をかけるシャリーナ。
「一度休憩をとらないとあたしたちの身体ももたない。だからちょっとだけ休憩するわよ」
 その言葉にシオンベールは首を振る。しかしシャリーナは黄金の瞳を見つめ言った。
「ダメです姫様。ダーリンが見つかった時にボロボロの身体じゃダーリンが逆に心配するか怒るわよきっと。元気な笑顔でダーリンを迎えるなら今休まないと。ね、姫様」
 その言葉にしぶしぶ従うシオンベール。

高台に移り一休みする三人。シャリーナがドーム状の障壁を張雨風を防ぎ、ミュゼリアが水魔法で三人のずぶ濡れの身体から水分を吸い上げた。
「さっきよりはましになったわね雨」
 シャリーナがそれでも強い雨を見てつぶやく。
「はい。早く止んで欲しいです」
 とミュゼリアが悲しそうに答えた。
「コースケ様……」
 シオンベールは囂々と流れる濁流を見つめている。
 5分ほどたった時だった。下流の方から強い魔力を感じた三人。
「これって!」
「はい、恐らく」
「コースケ様の魔力!」
 シャリーナは風を纏い、シオンベールとミュゼリアは瞬時に竜化し障壁から飛び出した。
 高速で飛ぶ三人。約1kmの下流で三人は度肝を抜かれた。
「な、名によあれ……?」
 シャリーナが目を見開き身体を震わせた。
「パギャワォ!」
「ギャワオオ!」
 シオンベールもミュゼリアも目を見開いていた。
 荒れ狂うアール川の真ん中、凄まじい濁流と瓦礫の山が押し流されている川の真ん中にぽっかりと穴が空いたように川底が見えていた。その直径約20メートル。そしてその中心に誰かが座っていた。
「ダ、ダーリン……」
『『コースケ様……』』
 そう、そこに座っていたのは功助だった。功助の周囲の水はまるで壁のように周囲に聳え、まるで断崖絶壁のよう。そして豪雨も強風もその穴を避けるように周囲に拡散していた。
 シオンベールたちに気づいた功助はニコリと微笑むと片手をひょいと上げた。

「コースケ様、ご無事で、ご無事でよかった!」
「ほんっと、心配したんだからねダーリン!」
 川底に座っている功助の許に降り立った三人。シオンベールとシャリーナは功助に抱き着き涙を流している。それを見て満面の笑顔のミュゼリア。
「心配かけてごめん」
 と謝罪する功助。
「……コースケ様、でも、なぜこのようなことになってるのでしょう?」
 周囲を取り囲む水の壁を見渡して功助に尋ねるシオンベール。
「ああ。あの巨岩を砕いたまではよかったんだけど、俺の方に倒れてきてさ、ほんと死ぬかと思ったよ。でも、とっさに障壁を張ったんだ。でも頭に岩が当たってさ気を失ったんだよ。それでここまで流されてきた。でも障壁が少し小さかったみたいで息苦しさで目が冷めた。なんか岩や泥に埋まっててさ、周囲を見ても真っ暗でさ。なんとか脱出しようとして魔力を込めたら爆発してしまって。それでこの状態ってわけ」
 でも凄いなこれと言って周囲の水の壁を見る。
「まあ、助かったんならいいわよ。でもね、なんであたしの、魔法師隊隊長の命令が効けなかったのかしら?これは命令無視で懲罰もんよ。ほんとにもう、今日は出動禁止って言ってたのに。忘れたの?!」
 目の前まで顔を近づけると怒りの目で功助を睨むシャリーナ。
「あ、いえ。隊長の命令を無視したんじゃなくて……」
「ごちゃごちゃ言わないの!今何時だと思ってるの!」
「あ、はい。で、何時なんですか?」
 と冷や汗をかきながらシャリーナの目を見る功助。
「えーと、ミュゼちゃん、今何時?」
「あ、はい。今は……」
 と言って胸元から懐中時計を取り出すミュゼリア。
「あっ!ああああああっ!いいいい今は…」
「うん、何時?」
「いいい今はですね……」
「はい。何時なんですかミュゼリア」
「今は……23時50分です……」
 それを聞いて沈黙する三人。
「だ、ダダダ……!」
「ストーーップ!もういいですよシャリーナさん。俺、救助活動参加しますから」
「ダーリン……」
「コースケ様。でも、今日を逃せば……」
 とシオンベール。
「気にするなシオン。どうせ今から行っても間に合わないからな。今後のことは救助が終わってから考えればいいだけだ。さあ、みんなを救助しに行こう」
 功助は立ち上がると三人を順番に観ると笑顔で言った。
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