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「アーランドさん、考えた仕掛けができたのでここのやつも変えて良いですか?」

 「ああ、よろしく頼むよ。隣のやつを見たけどだいぶ様変わりしたね。」

 さっさと変化させながらアーランドさんの疑問に答えていく。

 「そうですね、石造りにして外部から襲われる心配を減らしました。それと、ここに魔石を付けることでその日分くらいの契約魔法が使われるようになります。魔石に魔力を流して登録した人物以外はこの部屋を使えなくなるのでこれで防犯問題解決です。」

 「おお!凄いね!これは使いやすい!けど、これは魔法具なのかい?同じものが何個もあるとは思えないが…」

 「ああ、これは僕の契約魔法の一種なんですよ。この建物自体が僕の魔法で作ったものなのでそこに契約魔法を混ぜている形になります。なので僕がいなくても大丈夫ですし、その機能を維持するための魔力はここで過ごす人たちが寝ている時に余らせた分の魔力を利用しているので大丈夫なんです。」

 「なるほど!魔法は奥が深いんだね。それならふと思いついた事があるんだ。もし可能ならばそれに合わせて金銭を貯めておける機能が有れば良いと思うんだけど、どうかな?無料は絶対に良くないよ。」

 「あ!それは盲点でした。たしかに金銭が要らないとなれば際限がなくなりますしね。直ぐにやりますね。」

 魔石の隣に銀貨を入れられる穴を作って壁の中に穴を置いて置くこの中に溜まるようにするのだがここは僕のダンジョン判定だからそのまま吸収する形になる。

 「できました!1日銀貨1枚です。どうですかね?」

 「うん、良いと思うよ、何か問題があればその都度なんとかしていけば良いさ。ありがとうね。」

 「いえ、こちらこそ相談に乗っていただけで嬉しいです。ありがとうございます!」

 そのまま気楽に雑談しながら商品を並べてお客さん達が帰ってくるのを待つ。途中で離席して僕は後ろの部屋を改造する。錬金術ができるように器具を設置、それとは別に料理ができるようにもしておく、ここで温かいご飯を作れば売れるはずだ。用意するのは簡単な野菜スープと余ったオーク肉で作ったステーキだ。

 「アーランドさん、料理も売るつもりなんですけどアーランドさんってパンとかの主食になるようなものって前に売ってましたよね。どれくらいで売ってるんですか?」

 「そうだね。僕は銅貨3枚で売ってるよ。」

 相場の3倍か。

 「なら、野菜スープは一杯銅貨5枚、オーク肉のステーキは銀貨1枚ってところかな?」

 「そんな手の込んだものを用意できるのかい!あ、カズマ君は自分のところで用意したのか。なるほど、冒険者にして置くには勿体無いほどの商才だね…!それに、パンの値段を聞いてくれたって事は…」

 「はい!よかったらアーランドさんもパンを並べておいてください。多分腹をすかせた冒険者達が買ってくれますよ。」

 二人でふっふっふっと笑いながら準備をする。その間に居残り組のパーティーメンバーへと一人一人声掛けをしていく。持っていくものはCランクポーション1個ずつだ。

 「すいません、今日からこちらでポーションと料理の販売を行う冒険者兼商人のガズィです。よろしければお近づきの印にこちらをどうぞ、先ほどから気になってるであろうあの2つの家は僕が魔法で作ったものです。必要で有れば申してください、作りますので、それと費用としましては魔石が1つと銀貨1枚が1日ごとに必要となります。詳しいことはまた作る時にでも説明しますので。」

 そろそろ日も落ちるだろうと言う頃には魔の森に入っていた冒険者達が帰ってきていた。
冒険者達は各々のキャンプに戻りながらも帰ってきたら新たにできていた石造住居2つに目がチラチラと行っており残っていたメンバーにどう言うことかを聞いていた。居残り組はポーションを1つくれた気前の良さと無料で安心して休める住居の提供を行ってくれると言う話をしてくれているようだ。
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