21 / 43
(20) 息抜きにギルドのお仕事
しおりを挟む
何時までも遊んでいられないとアンジェラは考えた。窮屈な令嬢生活だと身体が鈍る。というより、ウズウズしていた。
(モンスター退治やりたい。ストレスを発散させなきゃ。)
どうやったら、自由の身になれるのか。婚約しても、まだ、13歳だから結婚にはならない(中身はヤリ直し前の17歳)。
(忘れてた、誕生日が過ぎてるじゃない!)
何年も居なかった令嬢の誕生日を誰も覚えてなかったらしい。それが分かると寂しくなる。誰も祝ってくれない14歳だった。では、バースデー記念に1暴れしよう。
この付近にあるギルドへ登録。SSレベルの勇者は大歓迎。
「王様に要請しても、兵士をよこしてくれなくて困ってたんだ。強い勇者は、隣国のインベルへ行っちゃってるし。」
「インベルに?ああ、内戦ね。」
隣国では、大臣が反乱を起こして内紛が続いていた。その為に兵士が足りず国外から人を集めている。辺境では、それほどでも無かったのに。どうして、足りないのか?
「王様は、兵士や勇者に低い報酬を出すだけだからな。怪我をしても何の手当ても無いときたら他へ行くよ。」
成る程、そういう事か。ここは、王家の領地内だ。害獣駆除の費用も出し惜しみするのだろう。でも、バースデー記念のストレス発散だから気にしないわ。
「え、こんな料金設定でもいいの?ありがとう!」
ギルドのカウンターの職員は大喜び。人助けも、出来そうです。一石二鳥!
ギルド依頼「害獣駆除」、バルーンコーンが森に増殖して入れない。薬草の採集や木の実取りが出来なくなっていた。
「わー、凄い。山盛りだし!」
森の中の木という木に風船のようなバルーンコーンが色とりどりに張り付いている。
様々な色で綺麗なのだが、木の樹蜜を吸うから大量だと枯れてしまうのだ。おまけに攻撃すると汁を吐く。これがベタベタして臭いから困る。
「皆んなを困らせたら、駄目じゃない。さー、行くわよ。魔法スキル「転送」!」
魔法を使って人の来ない土地の山奥に飛ばしてしまう。数分で全て送ってしまった。
「ギルド依頼の仕事「バルーンコーン退治」。土地の領主に確認してもらいました。害獣駆除の料金、10万円。安いけどサービスです。
ギルドへ戻って次の依頼を受ける。片付けては、次の依頼を受ける繰り返し。
「ゴブリンが悪戯ばかりするから駆除」「ムカデゴザルスの卵駆除」「マミーが屋根裏に居るので駆除」の以上で報酬は25万円と大した事は無かった。でも、運動不足解消。
「感謝されて、お土産をもらったから。家に届いたかしら。」
アンジェラは、家に顔を出す事にした。家といっても、エドウィン公爵家では無い。自分の家だ。別荘へ戻って隠し部屋から移動すると下男のダレンが迎える。
「おかえりなさいませ、お嬢様。野菜や果物が届いてました。お客様にもお出しします。」
「お客様が泊まってるの。私の知ってる人?」
「はい、エドワード様です。ギルドのチームを連れて。」
「ギルドの仕事をしたのね、挨拶に行かなくちゃ。」
エドワードは、勇者だ。闘う事が大好きで辞められないらしい。まだ、日が沈んでいないのに連れて来た勇者達と酒を飲んでいる。アンジェラを見ると立ち上がって抱き締めた。
「アンジェラ、会いたかった!」
こんな風にされたら、誰だって勘違いしてしまう。でも、この美しい人は本心を出したりしない。それをアンジェラは知っていた。
(好きになってなくて、良かったわ。そうでないと泣く事になるから。)
誰にでも親切でスキンシップする美男子。もしかしたら、たった1人の為に心は捧げているのかもしれない。
凄く大好きな人がいて、結ばれる事の無いと分かっていたら。忘れられない相手だと悲し過ぎる。
エドウィン家の別荘では、侍女がアンジェラの食事を見守っていた。あまり、食が進まない。お嬢様は食欲が無いようだ。
(ある時と無い時の差が激しいわ。医者を呼んだ方が良いのかも。)
都を立つ時に公爵から命令されている。健康面に気をつけろと。病気にでもなられたら、首になるかもしれなかった。
「ごちそうさま。」
「お嬢様、ご気分でも。料理が、お口に合いませんか?」
「食べたくないの、休みたいわ。」
「では、寝室の支度を致します。」
アンジェラは、表情も変えない。ここへ来て滅入ってしまったのか。口数も少なくなり座ったまま過ごすだけだ。都へ戻りたいのだろうか。
着替えさせて寝台へ横になるのを無届けて寝室を出る侍女。途端に寝室の中の令嬢は木偶人形に変わった。アンジェラの身代わり人形である。
「こんばんは、アンジェラさん?おや、人形が寝てますね。何処へ出かけたのでしょうか。」
やって来たアグアニエベは残念そうに姿を消した。アンジェラから作品のネタを手に入れようと思って来たのだ。 また、小説の締め切りが迫っていた。
天使のお手伝いをしている悪魔ですから、嘘は御法度。嘘をついたら、バレた時に罰を受けてしまいますから。
(モンスター退治やりたい。ストレスを発散させなきゃ。)
どうやったら、自由の身になれるのか。婚約しても、まだ、13歳だから結婚にはならない(中身はヤリ直し前の17歳)。
(忘れてた、誕生日が過ぎてるじゃない!)
何年も居なかった令嬢の誕生日を誰も覚えてなかったらしい。それが分かると寂しくなる。誰も祝ってくれない14歳だった。では、バースデー記念に1暴れしよう。
この付近にあるギルドへ登録。SSレベルの勇者は大歓迎。
「王様に要請しても、兵士をよこしてくれなくて困ってたんだ。強い勇者は、隣国のインベルへ行っちゃってるし。」
「インベルに?ああ、内戦ね。」
隣国では、大臣が反乱を起こして内紛が続いていた。その為に兵士が足りず国外から人を集めている。辺境では、それほどでも無かったのに。どうして、足りないのか?
「王様は、兵士や勇者に低い報酬を出すだけだからな。怪我をしても何の手当ても無いときたら他へ行くよ。」
成る程、そういう事か。ここは、王家の領地内だ。害獣駆除の費用も出し惜しみするのだろう。でも、バースデー記念のストレス発散だから気にしないわ。
「え、こんな料金設定でもいいの?ありがとう!」
ギルドのカウンターの職員は大喜び。人助けも、出来そうです。一石二鳥!
ギルド依頼「害獣駆除」、バルーンコーンが森に増殖して入れない。薬草の採集や木の実取りが出来なくなっていた。
「わー、凄い。山盛りだし!」
森の中の木という木に風船のようなバルーンコーンが色とりどりに張り付いている。
様々な色で綺麗なのだが、木の樹蜜を吸うから大量だと枯れてしまうのだ。おまけに攻撃すると汁を吐く。これがベタベタして臭いから困る。
「皆んなを困らせたら、駄目じゃない。さー、行くわよ。魔法スキル「転送」!」
魔法を使って人の来ない土地の山奥に飛ばしてしまう。数分で全て送ってしまった。
「ギルド依頼の仕事「バルーンコーン退治」。土地の領主に確認してもらいました。害獣駆除の料金、10万円。安いけどサービスです。
ギルドへ戻って次の依頼を受ける。片付けては、次の依頼を受ける繰り返し。
「ゴブリンが悪戯ばかりするから駆除」「ムカデゴザルスの卵駆除」「マミーが屋根裏に居るので駆除」の以上で報酬は25万円と大した事は無かった。でも、運動不足解消。
「感謝されて、お土産をもらったから。家に届いたかしら。」
アンジェラは、家に顔を出す事にした。家といっても、エドウィン公爵家では無い。自分の家だ。別荘へ戻って隠し部屋から移動すると下男のダレンが迎える。
「おかえりなさいませ、お嬢様。野菜や果物が届いてました。お客様にもお出しします。」
「お客様が泊まってるの。私の知ってる人?」
「はい、エドワード様です。ギルドのチームを連れて。」
「ギルドの仕事をしたのね、挨拶に行かなくちゃ。」
エドワードは、勇者だ。闘う事が大好きで辞められないらしい。まだ、日が沈んでいないのに連れて来た勇者達と酒を飲んでいる。アンジェラを見ると立ち上がって抱き締めた。
「アンジェラ、会いたかった!」
こんな風にされたら、誰だって勘違いしてしまう。でも、この美しい人は本心を出したりしない。それをアンジェラは知っていた。
(好きになってなくて、良かったわ。そうでないと泣く事になるから。)
誰にでも親切でスキンシップする美男子。もしかしたら、たった1人の為に心は捧げているのかもしれない。
凄く大好きな人がいて、結ばれる事の無いと分かっていたら。忘れられない相手だと悲し過ぎる。
エドウィン家の別荘では、侍女がアンジェラの食事を見守っていた。あまり、食が進まない。お嬢様は食欲が無いようだ。
(ある時と無い時の差が激しいわ。医者を呼んだ方が良いのかも。)
都を立つ時に公爵から命令されている。健康面に気をつけろと。病気にでもなられたら、首になるかもしれなかった。
「ごちそうさま。」
「お嬢様、ご気分でも。料理が、お口に合いませんか?」
「食べたくないの、休みたいわ。」
「では、寝室の支度を致します。」
アンジェラは、表情も変えない。ここへ来て滅入ってしまったのか。口数も少なくなり座ったまま過ごすだけだ。都へ戻りたいのだろうか。
着替えさせて寝台へ横になるのを無届けて寝室を出る侍女。途端に寝室の中の令嬢は木偶人形に変わった。アンジェラの身代わり人形である。
「こんばんは、アンジェラさん?おや、人形が寝てますね。何処へ出かけたのでしょうか。」
やって来たアグアニエベは残念そうに姿を消した。アンジェラから作品のネタを手に入れようと思って来たのだ。 また、小説の締め切りが迫っていた。
天使のお手伝いをしている悪魔ですから、嘘は御法度。嘘をついたら、バレた時に罰を受けてしまいますから。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
156
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる