(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー13 」お猫さまには分かる

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宿主は、量まで馨を送って来た。薫は命令に歩きベッドへ入る。


「では、カオルさん。おやすみなさい。」


そう言って、宿主は灯りを消して部屋を出た。鼠が建物の壁を走り、窓を開ける。


「旦那様、あやつは居なくなりました。」


如花がピューンと飛んで部屋の床に足を着いた。


「匂うぞ、淫魔の臭が。祓(はら)え!」


主の命令に鼠下駄は、香木を取り出すと火を点けた。口に加えて部屋を走り回る。如花は、尻尾を振り回し拡散した。それで、満足したらしい。

次には、寝ている薫の頭を猫パンチー。パッコーン!


「ぐっ、痛ーーい!」


薫は頭を押さえて呻く。如花はペシッと尻尾でベッドを打った。ご機嫌よろしくない。


「愚か者めが。ろくでなしの手伝いをしおって!」

「あ、ニャーかちゃん!叩かないでよ。」

「ボーとしておるからだ。プイッ。」

「ボーて?僕、寝てる間に帰ってたんだ。やっぱり、薬でも飲まされてるのかな。」

「薬どころでは無い。もっと、怖い物だぞ。」

「何、それ?冗談は止めてよ、怖がらせないで。」


冗談では無いのだが、言っても馬鹿には理解できないだろう。そう、如花は考えた。三股の猫に懐いてくるくらいだ。


「お前、化け物に慣れておるな?」

「うん。父さんの爺ちゃんの家に行くと居るから。」

「だから、化け物を寄せるのか。」

「なーに、寄せるって?」

「好かれておるという意味だ。自然と集まって来る。」

「へー、そーなんだ。」


へーじゃない。化け物が集まるという事は災難も引き寄せるという事だ。その証拠に。


「父親の仕事の失敗に借金。母親の浮気、両親の離婚。1家離散というのは、どうだ?」

「凄いー、当たってる。どうして、分かるの?」

「お前の・・(せいだ)。顔を見たら分かるのだ。」


本人は知らない。知らない方が良いのか。自分のせいで不運を招いているというのを。ならば、導かなくては。不を可へ変える為に。

薫は痛みに顔をしかめる。如花が引っ掻いたのだ、後頭部を。


「ニャーかちゃん、痛いよ。やめて。」

「如花だというのに、猫あつかいするでない。」

「だって、可愛いもん。」

「仕方ないのー。」


どうやら、如花は「可愛い」に弱いらしかった。

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