(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

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「 1ー17 」僕の処分

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週末に行われる儀式。それが、御前様の負担になってきているのを宿主は気がついていた。だから、津海井小路が帰宅するのを待っていたのだ。

城を訪問した宿主は、これまでの事を報告した。


「御前様の手当ては、充分では無いようです。改善されていません。」

「充分では無いのか。仕方あるまい、生物(なまもの)をあてがうか。適当な品を選んでおこう。兄達のようになっては困るからな。」

「枕香の候補が出ましたので、交代させる事になると思います。」

「やはり、代身では不足だったようだな。早く交代させろ。」


交代の話が決まっているのを薫は知らなかった。だから、宿主から聞かされた時は喜んだのだ。これで、身代わりから解放されると。


「じゃ、何時ですか。帰るのは?」

「まだハッキリとは決まってないので。その時は、知らせます。荷物は、まとめておいてください。」


はい、喜んで。ウキウキしながら、段ボール箱に荷物を入れていく。これで、帰れる。元の生活に。

小さな影が見えたので目で追うと鼠さんだった。


「鼠下駄さん、聞いて聞いて。僕、帰るんだ。新しい人が決まったんだって。」

「お主、始末されるのだぞ。殺されるのだ!」


思いがけない言葉。理解出来なくて薫は固まった。そんなの、あり得ない。どうして、僕が殺されるの?悪い冗談は止めて!


「嘘だ、そんな事するはず無いよ。僕を殺すだなんて。」

「留目の家の役割りを知らないようだな。教えてやろう。大昔に津海小路家の祖先と契約が成された。支援をする代償として家族から生け贄を差し出すと!」


それを聞いて薫には思い当たる事があった。だから、従兄弟の馨の身代わりになれと叔父の命令したんだ。


「じゃあ、じゃあ、僕が殺されると分かってたんだね。」


僕が死んでも良かったんだ。自分の息子が生き残る為だったら。世話になってから優しくされた事は無いけど、冷たすぎる。悲しくなった。




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