(完)恋なんてのは忌まわしいだけだが必要だよ

川なみな

文字の大きさ
44 / 67

「 2ー7 」あんまりです

しおりを挟む
嫌悪に満ちた眼差しが、バンバンと身体中に刺さる。初めて見てくれたのに、おぞましき表情とは。


「そんなーー。こんなに、好きなのに!」


君が忘れられなくて、こんなとこまで(変な学園)追っかけて来たというのに。1目で嫌われるなんて、不幸に崖っぷちじゃないか。


ジュ、ジュ、ジュワー。


なのに、なのに?何だ、この感覚は。足下から沸き上がる寒気。それが、ピリピリと痺れる。辛い物を食べた時と似ているぞ。


「どうして?(こんなに、痺れるんだろう)」


あまりの心地よさに、喘いでしまった僕。変なんです。気持ちいいんです、イキタクなるくらいに。

睨み付けていた彼が、それに気がついてオゾマシイ表情に変わるのが分かる。身体の芯を走る電気触感。


「ああー!(もっと、もっと)おっとっとー。」


いけない、口が勝手に動き出す。どうして、この歌を唄うんだろう。


「チッチッチッ、電線にチョロリンが2匹とまってる。それを魔法で打ってさ煮てさ食ってさ。♪追っかけてー。」


これじゃ、完全なアホだ。頭のおかしいオッサンだ。どーすれば、いいんだ。でも、見惚れてしまう相手の顔。三条 鮎次郎(さんじょう あゆじろう)くん。

彫像のように彫りの深い面立ち。鼻筋の通った凛とした顔に切れ上がった目。ウェーブのかかった黒い前髪の下から見据える眼の鋭さ。


「お前なんか、消、え、ろ!変態!」


彼の制服と髪が風に靡(なび)き出す。風も無い食堂の中で。宿主の声が響いた。


「伏せろ。皆、死にたくなかったら伏せるんだ!」


何の冗談ですか。命に関わる事なんて、この場所で起こるわけが無い。と、思ったら起きた。目の前で。


バシュッ、バシュッ バシュッバシュッーー!


三条 鮎次郎の身体から、無数の氷の刃が僕に向かって雨のように撃ち込まれたのだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

happy dead end

瑞原唯子
BL
「それでも俺に一生を捧げる覚悟はあるか?」 シルヴィオは幼いころに第一王子の遊び相手として抜擢され、初めて会ったときから彼の美しさに心を奪われた。そして彼もシルヴィオだけに心を開いていた。しかし中等部に上がると、彼はとある女子生徒に興味を示すようになり——。

同居人の距離感がなんかおかしい

さくら優
BL
ひょんなことから会社の同期の家に居候することになった昂輝。でも待って!こいつなんか、距離感がおかしい!

白花の檻(はっかのおり)

AzureHaru
BL
その世界には、生まれながらに祝福を受けた者がいる。その祝福は人ならざるほどの美貌を与えられる。 その祝福によって、交わるはずのなかった2人の運命が交わり狂っていく。 この出会いは祝福か、或いは呪いか。 受け――リュシアン。 祝福を授かりながらも、決して傲慢ではなく、いつも穏やかに笑っている青年。 柔らかな白銀の髪、淡い光を湛えた瞳。人々が息を呑むほどの美しさを持つ。 攻め――アーヴィス。 リュシアンと同じく祝福を授かる。リュシアン以上に人の域を逸脱した容姿。 黒曜石のような瞳、彫刻のように整った顔立ち。 王国に名を轟かせる貴族であり、数々の功績を誇る英雄。

執着

紅林
BL
聖緋帝国の華族、瀬川凛は引っ込み思案で特に目立つこともない平凡な伯爵家の三男坊。だが、彼の婚約者は違った。帝室の血を引く高貴な公爵家の生まれであり帝国陸軍の将校として目覚しい活躍をしている男だった。

目立たないでと言われても

みつば
BL
「お願いだから、目立たないで。」 ****** 山奥にある私立琴森学園。この学園に季節外れの転入生がやってきた。担任に頼まれて転入生の世話をすることになってしまった俺、藤崎湊人。引き受けたはいいけど、この転入生はこの学園の人気者に気に入られてしまって…… 25話で本編完結+番外編4話

金の野獣と薔薇の番

むー
BL
結季には記憶と共に失った大切な約束があった。 ❇︎❇︎❇︎❇︎❇︎ 止むを得ない事情で全寮制の学園の高等部に編入した結季。 彼は事故により7歳より以前の記憶がない。 高校進学時の検査でオメガ因子が見つかるまでベータとして養父母に育てられた。 オメガと判明したがフェロモンが出ることも発情期が来ることはなかった。 ある日、編入先の学園で金髪金眼の皇貴と出逢う。 彼の纒う薔薇の香りに発情し、結季の中のオメガが開花する。 その薔薇の香りのフェロモンを纏う皇貴は、全ての性を魅了し学園の頂点に立つアルファだ。 来るもの拒まずで性に奔放だが、番は持つつもりはないと公言していた。 皇貴との出会いが、少しずつ結季のオメガとしての運命が動き出す……? 4/20 本編開始。 『至高のオメガとガラスの靴』と同じ世界の話です。 (『至高の〜』完結から4ヶ月後の設定です。) ※シリーズものになっていますが、どの物語から読んでも大丈夫です。 【至高のオメガとガラスの靴】  ↓ 【金の野獣と薔薇の番】←今ココ  ↓ 【魔法使いと眠れるオメガ】

【完結】恋した君は別の誰かが好きだから

花村 ネズリ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。 青春BLカップ31位。 BETありがとうございました。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ 二つの視点から見た、片思い恋愛模様。 じれきゅん ギャップ攻め

【8話完結】帰ってきた勇者様が褒美に私を所望している件について。

キノア9g
BL
異世界召喚されたのは、 ブラック企業で心身ボロボロになった陰キャ勇者。 国王が用意した褒美は、金、地位、そして姫との結婚―― だが、彼が望んだのは「何の能力もない第三王子」だった。 顔だけ王子と蔑まれ、周囲から期待されなかったリュシアン。 過労で倒れた勇者に、ただ優しく手を伸ばしただけの彼は、 気づかぬうちに勇者の心を奪っていた。 「それでも俺は、あなたがいいんです」 だけど――勇者は彼を「姫」だと誤解していた。 切なさとすれ違い、 それでも惹かれ合う二人の、 優しくて不器用な恋の物語。 全8話。

処理中です...