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(22) 僕は結婚したい
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生きる事に精一杯だった王子は、初めて自ら行動した。父王に嘆願したのだ。
「父上、婚約者との結婚を許してください!」
王様は今までは内向的な性格で頼りないと思っていたから、喜んだ。機嫌も良かったので、許可しました。
こちらは、パトリシアの家。またしても、父親の帰宅。当分は愛人の家に居ると思っていたので、家族は迷惑顔。
「パトリシア、話がある。結婚式が早まりそうだ。母親と嫁入りの仕度をしろ。これで、爵位が上がるぞ!」
娘を王子と結婚させたら、自分が出世する。それだけを喜んでいる人。そんな父親だから、逆らわない娘。
だけど、部屋に戻ると計画を練りだした。
(あいつは、転生する前の親友だぞ。結婚なんか、できるか。何とかしないと!)
パトリシアの頭の中では、親友のフランソワとドルウだった自分が結婚式をしている様しか浮かばない。とんでもない話だ。
裸になって互いの筋肉自慢をして見せ合っていたのが、結婚か。男同士で夫婦ってのは、勘弁してほしい!
一国の王子の結婚式となると、国家事業になる。本来なら、盛大なイベントとなるのだが。
「王子様たちの喪が有りますので、地味にされますか。派手に行うと国民の反感が。」
「善きに、はからえ。」
王様は、どうでも良いので適当。またしても、地味婚が決定。その決定事項を大臣が婚約者の館へ通知に訪問した。
「慣例どおり、挙式前のお祓いをさせて頂きます。城の呪い師(まじないし)を連れて参りました。」
田舎から出て来たばかりの男爵家。お祓いなんか、やった事も無い。おまじないくらいだ。されるがまま。
お城には、呪い師という役職があり。下から最高位までの呪い師が代々で仕えているという話だ。
もちろん、男爵家に来たのは下の呪い師。
「悪霊退散ーー!退散、退散、退散!」
パトリシア令嬢は、その様を熱心に見入っていた。感心な娘だ。王子の婚約者だからか。
いいえ、お勉強です。この国では、王様が呪い師を信頼して使っているようなので。魔法使いと違う仕事を見学しました。
「父上、婚約者との結婚を許してください!」
王様は今までは内向的な性格で頼りないと思っていたから、喜んだ。機嫌も良かったので、許可しました。
こちらは、パトリシアの家。またしても、父親の帰宅。当分は愛人の家に居ると思っていたので、家族は迷惑顔。
「パトリシア、話がある。結婚式が早まりそうだ。母親と嫁入りの仕度をしろ。これで、爵位が上がるぞ!」
娘を王子と結婚させたら、自分が出世する。それだけを喜んでいる人。そんな父親だから、逆らわない娘。
だけど、部屋に戻ると計画を練りだした。
(あいつは、転生する前の親友だぞ。結婚なんか、できるか。何とかしないと!)
パトリシアの頭の中では、親友のフランソワとドルウだった自分が結婚式をしている様しか浮かばない。とんでもない話だ。
裸になって互いの筋肉自慢をして見せ合っていたのが、結婚か。男同士で夫婦ってのは、勘弁してほしい!
一国の王子の結婚式となると、国家事業になる。本来なら、盛大なイベントとなるのだが。
「王子様たちの喪が有りますので、地味にされますか。派手に行うと国民の反感が。」
「善きに、はからえ。」
王様は、どうでも良いので適当。またしても、地味婚が決定。その決定事項を大臣が婚約者の館へ通知に訪問した。
「慣例どおり、挙式前のお祓いをさせて頂きます。城の呪い師(まじないし)を連れて参りました。」
田舎から出て来たばかりの男爵家。お祓いなんか、やった事も無い。おまじないくらいだ。されるがまま。
お城には、呪い師という役職があり。下から最高位までの呪い師が代々で仕えているという話だ。
もちろん、男爵家に来たのは下の呪い師。
「悪霊退散ーー!退散、退散、退散!」
パトリシア令嬢は、その様を熱心に見入っていた。感心な娘だ。王子の婚約者だからか。
いいえ、お勉強です。この国では、王様が呪い師を信頼して使っているようなので。魔法使いと違う仕事を見学しました。
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