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(32) 最終話
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落ち着いた内装とインテリア。趣味の良い品のある屋敷であった。そのティールームで、お茶をふるまわれる。
エリザベスが、エドワードに尋ねる。
「エドワードさん。ここの調度品は、どなたが選ばれたのかしら。素敵だわ。」
「これは、僕の物じゃないの。パティが、用意してたから。パティに聞いて下さい。」
パトリシアは、お茶を入れている執事に顔を向ける。
「ここは、買い取った時に執事に任せたので。彼に聞いて下さい。都の大きな屋敷の執事だったので、名執事ともいえます。」
執事は、誇らしげに胸を反らした。
「褒めて頂き恐縮(きょうしゅく)です。代々、執事を務めて詳しいだけですので。」
その後、エリザベスと話をして盛り上がったようだ。すっかり、気に入っている。引き抜きたいとまで、言う。
契機の衰退で破産する貴族が多く、この執事も影響を受けて務め先を失ったらしい。パトリシアが雇い入れて働いていた。
夜のお勉強会「パトリシアの魔法教室」
今夜から、新しい生徒が入りました。エドワード・フォスターくん、17歳。元は、ファビアン王子。死んだ事になってます。
「気がついたら、あの屋敷に寝てるから驚いちゃって。意識だけ身代わり人形に残して、身体は移動させてたらしいんだ。おかげで助かったよ。」
ニコニコしながら、自分が死んだ時の話をする。別人のように明るくなった。もう、暗殺に怯えて暮らさなくても良いからだ。
刺客は、身代わり人形を襲ったと言う。この国に魔法使いは居ないので、身代わり人形も見た事が無い。脈の無い人形は、死亡扱い。
ファビアンが気がつくと、知らない屋敷で寝ていたという事だ。王子の生活をしなくていいから、大喜び。ハッピーです。
「僕の身の上は、両親が他界(たかい)して兄弟なし。遺産は沢山あって、遊んで暮らせる。ドルウ・ゴメスという商人の叔父が後見人で、独身。お嫁さんになりたくない?」
と、軽い若者に変身したようだ。娘たちと笑いながら雑談。同じ魔法を勉強する生徒仲間だ。
パトリシアは、エドワードに前世の親友の面影を見ていた。ますます、フランソワに似て来た。
(このままだと、完全に覚醒するかもしれないな。ファビアンは失せて、エドワードになるわけか。それも、何かの意味があるのだろうな。)
この世に、意味の無い物は存在しないのだ。起こる事の全てに意味がある。
教師のパトリシア以外の集まった者の共通点は、パトリシアに助けられた事。彼女を信じて疑わない。
パトリシアは、注意を促(うなが)した。
「エドワード、油断するなよ。これから、王家は皆で殺し会う。正式な王位継承者が居ないから、誰でもいいんだ。そうなると、次々に貴族が姿を消して社会が壊れて行く。」
何時かは、王家の者は君だけになるだろう。その時は、俺が新しい国を造るのに手を貸すぞ。最強の魔法使いであるドルウ・ゴメスが!
ーーーーーおわりーーーー
「作者より」
ここまで読んで下さったお客様には、感謝です。
ありがとうございましたm(__)m
2022,03,09
エリザベスが、エドワードに尋ねる。
「エドワードさん。ここの調度品は、どなたが選ばれたのかしら。素敵だわ。」
「これは、僕の物じゃないの。パティが、用意してたから。パティに聞いて下さい。」
パトリシアは、お茶を入れている執事に顔を向ける。
「ここは、買い取った時に執事に任せたので。彼に聞いて下さい。都の大きな屋敷の執事だったので、名執事ともいえます。」
執事は、誇らしげに胸を反らした。
「褒めて頂き恐縮(きょうしゅく)です。代々、執事を務めて詳しいだけですので。」
その後、エリザベスと話をして盛り上がったようだ。すっかり、気に入っている。引き抜きたいとまで、言う。
契機の衰退で破産する貴族が多く、この執事も影響を受けて務め先を失ったらしい。パトリシアが雇い入れて働いていた。
夜のお勉強会「パトリシアの魔法教室」
今夜から、新しい生徒が入りました。エドワード・フォスターくん、17歳。元は、ファビアン王子。死んだ事になってます。
「気がついたら、あの屋敷に寝てるから驚いちゃって。意識だけ身代わり人形に残して、身体は移動させてたらしいんだ。おかげで助かったよ。」
ニコニコしながら、自分が死んだ時の話をする。別人のように明るくなった。もう、暗殺に怯えて暮らさなくても良いからだ。
刺客は、身代わり人形を襲ったと言う。この国に魔法使いは居ないので、身代わり人形も見た事が無い。脈の無い人形は、死亡扱い。
ファビアンが気がつくと、知らない屋敷で寝ていたという事だ。王子の生活をしなくていいから、大喜び。ハッピーです。
「僕の身の上は、両親が他界(たかい)して兄弟なし。遺産は沢山あって、遊んで暮らせる。ドルウ・ゴメスという商人の叔父が後見人で、独身。お嫁さんになりたくない?」
と、軽い若者に変身したようだ。娘たちと笑いながら雑談。同じ魔法を勉強する生徒仲間だ。
パトリシアは、エドワードに前世の親友の面影を見ていた。ますます、フランソワに似て来た。
(このままだと、完全に覚醒するかもしれないな。ファビアンは失せて、エドワードになるわけか。それも、何かの意味があるのだろうな。)
この世に、意味の無い物は存在しないのだ。起こる事の全てに意味がある。
教師のパトリシア以外の集まった者の共通点は、パトリシアに助けられた事。彼女を信じて疑わない。
パトリシアは、注意を促(うなが)した。
「エドワード、油断するなよ。これから、王家は皆で殺し会う。正式な王位継承者が居ないから、誰でもいいんだ。そうなると、次々に貴族が姿を消して社会が壊れて行く。」
何時かは、王家の者は君だけになるだろう。その時は、俺が新しい国を造るのに手を貸すぞ。最強の魔法使いであるドルウ・ゴメスが!
ーーーーーおわりーーーー
「作者より」
ここまで読んで下さったお客様には、感謝です。
ありがとうございましたm(__)m
2022,03,09
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