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プロローグ

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実は天使のお仕事をお手伝いする悪魔のアグアニエベも、招待なしに参加していたのでしたが。天井にぶら下がって双眼鏡で眺めて笑っていました。覗き見して楽しんだ人。


「面白い事になってきましたね。そうでなくちゃ。転生させたかいが無いでしょう。」


この国に魔法使いを再生させる。という目的だけでは面白味が無さすぎるというだけの悪魔。要は、退屈しているのだ。


「でも、これだけでは物足りません。そうだ、皆で異世界(こっちが異世界なのだが)でへも行ってみましょう。私も久しぶりに里帰り。楽しそうですね!」


と、危険物ばかりを取り扱う裏の魔道具屋へと向かったのだった。どうやら、また、トラブルを撒き散らす様子。今度は何を?





『スイッチが、入りました。異世界へ飛び立ちます。場所は、日本という国。年代指定、時間指定は出来ません。安全の保証は付けておりません。自分の身は、自分で守りましょう!』





時は、現代である。と、始まりますー。



今回の主人公は、墨田 太くん17歳。

太くんは夕方になって布団から這い出し、着替えて家から出た。何処かに行くつもりでは無くて。


「居られねーよなあ。ゴロゴロちゃんだから。」


あても無く歩きながら独り言。そして、ヘラヘラと笑う。自分でも、どうしようも無いんだ。分からないんだから。


(神さまってのが居るのなら、さー。どうにかして欲しいぜ。天使でもよこして、救ってよ。)


そんなの、出来るかい。神さまなんてのは、架空の人物。天使てのも、オールナッシング!

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