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(15) 勝利したものの
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バトリシアは、肩を落とした。彼女にとっては、プライドが傷付けられた出来事だったのだろう。
「甘く、見ていた。あの魔法使い喰いの女の力を!」
ただの魔女じゃない。喰った魔法使いの魔力を身体に溜め込んでいるのだ。恐らく、百人以上は喰われた。
「その魔力を奪う事を考えて、闘いながら魔力を抜き取ったら暴発してしまい。魔女の破裂の反動で、この世界に飛ばされていた。ストレージが限界だったのか、分からなかったんだ。」
その為に、「茹で玉子」全員を危険にさらす事になった。異世界に飛ばすなんて、生きてたから良かっただけだ。
「大丈夫だよ、落ち込むなって。な?」
バトリシアが項垂(うなだ)れている原因は分からないが、とりあえず慰めておく芙蓉。元妻から叱られていた癖が出た。
『とりあえずってのは、辞めてよね。どうでもいいって思って腹が立つの!』
だって、しょうがないじゃないか。これが、僕だから。優柔不断で、事なかれ主義で生きて来たんだよ。
そんな僕を好きになって、結婚したいって追いかけたのは君でしょ?
別れた妻の思い出に浸ってショボくれた芙蓉は、帰宅すると不味い場面に遭遇する。
エリザベス「何なの?これ、芙蓉さんの結婚式でしょ。」
ガブリエル「この世界は、こんな挙式をするんですね。」
エレン 「すみません。お掃除してたら、クローゼットの中から出て来て。」
女の子だから、出て来た芙蓉の結婚式のアルバムに大喜びしている。オマケに、高校時代のアルバムもあった。
離婚して持ち出したはずだから、ここには無いはずの物だ。元妻の荷物も細部にわたってコピるのか、恐ろしい!
ガブリエル「ね、これは芙蓉さんの学生時代かしら。可愛いいー!」
エリザベス「何なの?奥さんが、どの写真も隣なのね。仲良しだわ!」
はい、僕に惚れてましたから。気がつくと、隣に居ました。エレンが、じっと芙蓉を見つめる。嫌な事を言われそうだ。
「あの、離婚されたのは何か理由が?」
「はい、性格の不一致です。」
よく有る理由。それが、他人には受け入れられると思って決めました。
「性格の不一致って、学生の時からの長いお付き合いですよね。分からなかったんですか?」
「はい、そうみたいです。結婚は、しないと分かりません。」
何故か、離婚に関心がある様子。結婚したい相手でも居るのか。会話している2人の横を通って、パトリシアは着替えに部屋へ入ろうとする。
何と二階部屋を天井に穴を開けて設置したのだ。階段を使って上がるのだが、エリザベスが呼び止めた。
「何なの?まだ、着替えなくていいでしょう。太くんが電話の扱いを教えてくれたんですの。皆で記念ショットとかいうのをとりましょうよ。芙蓉さん、お願い。」
頼まれて、芙蓉は自分のスマホを取り出した。ガブリエルがエレンをパトリシアの隣に立たせて教える。
「それで写した画は、別画に移せるそうよ。何枚にもできるそうだから、私達に記念に1枚ずつ欲しいわ。エレンも、そうでしょ?」
エレンは頬を染めて、「はい!」と力を込めて答えた。エリザベスもガブリエルも、エレンの片思いを知っているのだ。
その後、複写された写メは1人ずつ渡された。勿論、エレンの宝塚になるのだ。大好きなパトリシアの男装が、何時でも見れる。
(パトリシアさんは、この世界の服がお似合いですわ。何を着ても素敵だけど!)
パトリシアと一緒なら、何処へ行っても怖くない。ずっと、側に居たい。それが、エレンの願いだった。
「甘く、見ていた。あの魔法使い喰いの女の力を!」
ただの魔女じゃない。喰った魔法使いの魔力を身体に溜め込んでいるのだ。恐らく、百人以上は喰われた。
「その魔力を奪う事を考えて、闘いながら魔力を抜き取ったら暴発してしまい。魔女の破裂の反動で、この世界に飛ばされていた。ストレージが限界だったのか、分からなかったんだ。」
その為に、「茹で玉子」全員を危険にさらす事になった。異世界に飛ばすなんて、生きてたから良かっただけだ。
「大丈夫だよ、落ち込むなって。な?」
バトリシアが項垂(うなだ)れている原因は分からないが、とりあえず慰めておく芙蓉。元妻から叱られていた癖が出た。
『とりあえずってのは、辞めてよね。どうでもいいって思って腹が立つの!』
だって、しょうがないじゃないか。これが、僕だから。優柔不断で、事なかれ主義で生きて来たんだよ。
そんな僕を好きになって、結婚したいって追いかけたのは君でしょ?
別れた妻の思い出に浸ってショボくれた芙蓉は、帰宅すると不味い場面に遭遇する。
エリザベス「何なの?これ、芙蓉さんの結婚式でしょ。」
ガブリエル「この世界は、こんな挙式をするんですね。」
エレン 「すみません。お掃除してたら、クローゼットの中から出て来て。」
女の子だから、出て来た芙蓉の結婚式のアルバムに大喜びしている。オマケに、高校時代のアルバムもあった。
離婚して持ち出したはずだから、ここには無いはずの物だ。元妻の荷物も細部にわたってコピるのか、恐ろしい!
ガブリエル「ね、これは芙蓉さんの学生時代かしら。可愛いいー!」
エリザベス「何なの?奥さんが、どの写真も隣なのね。仲良しだわ!」
はい、僕に惚れてましたから。気がつくと、隣に居ました。エレンが、じっと芙蓉を見つめる。嫌な事を言われそうだ。
「あの、離婚されたのは何か理由が?」
「はい、性格の不一致です。」
よく有る理由。それが、他人には受け入れられると思って決めました。
「性格の不一致って、学生の時からの長いお付き合いですよね。分からなかったんですか?」
「はい、そうみたいです。結婚は、しないと分かりません。」
何故か、離婚に関心がある様子。結婚したい相手でも居るのか。会話している2人の横を通って、パトリシアは着替えに部屋へ入ろうとする。
何と二階部屋を天井に穴を開けて設置したのだ。階段を使って上がるのだが、エリザベスが呼び止めた。
「何なの?まだ、着替えなくていいでしょう。太くんが電話の扱いを教えてくれたんですの。皆で記念ショットとかいうのをとりましょうよ。芙蓉さん、お願い。」
頼まれて、芙蓉は自分のスマホを取り出した。ガブリエルがエレンをパトリシアの隣に立たせて教える。
「それで写した画は、別画に移せるそうよ。何枚にもできるそうだから、私達に記念に1枚ずつ欲しいわ。エレンも、そうでしょ?」
エレンは頬を染めて、「はい!」と力を込めて答えた。エリザベスもガブリエルも、エレンの片思いを知っているのだ。
その後、複写された写メは1人ずつ渡された。勿論、エレンの宝塚になるのだ。大好きなパトリシアの男装が、何時でも見れる。
(パトリシアさんは、この世界の服がお似合いですわ。何を着ても素敵だけど!)
パトリシアと一緒なら、何処へ行っても怖くない。ずっと、側に居たい。それが、エレンの願いだった。
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