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異世界とオーク顔の少年
第二十四話 オーガ
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エマ(王女)視点
「何で勝手な事を!!」
私は父親である国王に詰め寄った。
「何でとは?」
「異世界人に関しては私に一任して下さったのでは無かったのですか?!」
「確かに、それに関しては一任した。しかしな、これ以上の財政の圧迫も放置出来んのだよ。今、異世界人一人を養うのにいくら消費しているか知らぬ分けではあるまい?それに彼等の問題と言える行動についてもだ」
国王はどうでも良さそうに言った。
「確かにそうかもしれませんが!」
「それだけ分かっていれば十分だ。それに、迷宮に行きたいと言ったのは彼等だ。勝手に行かせておけば良い」
「ちょっと待ってください!!彼等の身に何かあっても良いと言うのですか?!死んでしまったらどうするんですか!!」
「そっちこそ何を言っている?さっきからワシはそう言っている。多すぎるのなら間引けば良い。問題のある異世界人は排除すれば良い」
国王の言葉に私は思わず絶句してしまうが、
「まぁ、あの勇者とかいう男の事が心配かもしれんが。あの男が本当に勇者なのならば必ず帰ってくる。帰ってこなければそれまでの男だ。勇者では無かったということだろう」
「そんな!」
「お前はあの男にたいそう入れ込んでる様だが、ろくに剣術の訓練にも出ずに女の所に入り浸ってるみたいじゃあないか?」
「ならばなおの事!!今の彼等が迷宮になど潜ったらどうなるか、ただでさて魔物が活性化しているのいうのに!」
「だから。それで丁度良いと何度も言っておる。良いではないか、迷宮に潜りたいと言ったのは彼等で、その責任を負うべきなのももちろん彼等だ。例え死んだとしてワシ等にその責任が有る分けでは無い」
「何故その様な事を!」
「もうよい!下がれ!!」
国王がそう言うと、近衛兵が立ち上がって私を取り囲む、
こうなってしまうと私は下がざるをえなかった。
確かに、異世界人達の存在はこの国の財政を圧迫していた。
毎日湯船に浸かりたがるし、舌が肥えているため良いものを食べたがった。
そのくせ、成果が低いのが私としても頭の痛い所だった。
戦闘の訓練に参加すれば、スキルばかり悪戯に発動させて、実践向きの訓練を殆んどしない。
城内で無闇に剣を抜いたり、メイドに手を出そうとしたりする。
他にも、神様に祈りを捧げて起こす『奇蹟』の効果を上げるために聖書も読む事を推奨しているのだが、異世界人は何故か神に対して嫌悪感があって例え聖書を読んでも好ましい成果を得られない事が多かった。
ツルギも、『何が良く、何が悪いかは神様には頼らず自分で考えるものだ』と言って聖書を読みたがらない。
そして思うような成果が得られないと、教え方が悪いと言うのだった。
もちろんそんな態度では、教える方が参ってしまう。
剣術の教え手はコロコロと代わり、習う方も習い難くなっているのも成果の出ない原因だが、まぁ、これも自業自得か。
しかし、こんな所で『勇者』を失いたくないのも事実だ。
迷宮に行くと言って出ていってしまった。
今から兵を派兵しても間に合わない。
帰りを祈って待つ他無さそうだ。
・
後でわかった事だが、この様な結果になった理由はいくつかある。
一つはクラスメイト達は、スキルの多さが強さだと勘違いしていた事。
もう一つは、クラスの中で底辺の僕が魔物相手に無双しているのを見て、『自分は田中より強いはずだから、自分達も同じようには戦える』そう勘違いした事。
もう一つは僕はスキルを使わずに戦っていたので、スキルを使わなくても簡単に魔物を殺せる事から魔物は弱いと思った事。
最後の一つは、クラスの中で底辺の僕よりレベルが低いなんて我慢出来ない。
矛盾しているように感じるかもしれないけれど、要は色んな感情から最悪な行動に出た。
・
「もう少しだ!!」
誰かがそう言う声を聞いて気が緩むが、
目の前にオークの集団が現れてレオンさんが、
「やべぇな」
と言った。
砦までもう少し、その場所でオークが現れたということは、
「撤退ですかね?」
「俺ならな。お荷物がいる状態での連戦なんて御免だ。本当なら砦の生存者の確認には行くべきなんだがな」
僕もせマリアがいるし、
無理をするつもりは無い。
「じゃあ撤退って事で」
ジリジリと下がろうとしたその時、
「へぇ、こいつ等がオークか、本当に田中にそっくりだな」
そう言って馬車を降りるクラスメイトがいた。
えっ?
このタイミングで何を考えてるんだ?
「馬車に戻ってください!!」
馬車に付いていた兵士さんがそう言うが、
クラスメイトは静止を無視する。
「砦は落ちた可能性がある!このまま撤退だ!!」
レオンさんが叫んだ。
しかし!
「ハッ!大丈夫たろ?!何とでもしてやるよ!」
クラスメイトがゾロゾロと馬車を降りてくる。
空城君のハーレム要員は降りては来ないが、空城君まで剣を持って立っている。
僕はため息を漏らしながら、マリアに駆け寄ると、アイテムポーチからマリアを背負う為の布を取り出した。
マリアは状況を分かっていてなされるがまま、義手と義足を外し、体を僕に預けてくる。
クラスメイトに見えない様に、『ラブホテル』の中のクローゼットに繋がっている『アイテムポーチ』の中に義手と義足を詰め込む。
「よし!俺が『大時斬り』で仕止める!皆下がってくれ!」
空城君が言った。
レオンさんを見ると、顔の右側を歪めて頷いた。
了解だ。
レオンさんとの付き合いも長い、何が言いたいかは何となく分かる。
多分、『コイツ等はほっといて俺等は逃げよう』これだ。
レオンさんとしても、勇者の『大時空斬り』は見てみたいだろうし。
さっき、空城君がスキルを発動させようとした時は、全部僕が潰しちゃったしね。
よいしょ。
とマリアを背中におぶって、立ち上がると後ろに大きく下がった。
逆に空城君が前に出ると、掲げた剣に魔力を込めていく。
オーク達はまだ遠く離れている。
これぐらい離れてればスキルの発動前に潰される事は無いだろう。
振り上げられた剣をオーク達も見ている。
ん?
見ている?
レオンさんが、オーク達は魔力の動きを読めないって、、、
一瞬にして血の気が引くが、ただ眺めている訳にはいかない!
『光乃護封剣!』
詠唱を破棄して『奇蹟』を起こす!
現れた二本の光の剣は2体のオークに突き刺さった!
そして!
『大時空斬り!!』
空城君が叫ぶ!!
水平に振り払われた剣から不可視の斬撃が飛ぶ!
草や木がなぎ払われるが、
光の剣が突き刺さった2体のオーク以外は、
斬撃を待ち構えていたようで、
屈んだり、
ジャンプしたりして、その斬撃を避けた!
ただのオークじゃあ無い!!
レオンさんをみると目が驚愕に見開かれている。
ジーンさんを見ると、ジーンさんは僕を見て頷いた。
僕も頷いて踵を返す!
僕が守るべき人はマリア以外に居ないし、
クラスメイトとマリア、両方守れる程僕は強く無い。
視界の片隅に入った空城君はMP切れからか尻餅を付いている。
しるか、こんな奴。
(さっさと逃げよ)
マリアを背負う紐を強く握り、町に戻るべく、馬車の最後尾に着くと、
自分達のの判断が遅かった事を知った。
この隊は魔物に囲まれていた。
そして、
聖子さんと杪さんのであろう悲鳴が飛び!
「「キャアー!!」」
オークは一人のクラスメイトの首をはねた!
飛び散る血と、響く叫び声!
『ヤバイな』
退路を塞がれた僕はレオンさんの近くに行く、
レオンさんは詠唱を始めていた、
『収束して拡散
凝縮して爆散
天も慌わ逃げうるか!』
僕もレオンさんの詠唱に合わせて!
『光乃護封剣!』
『エクスプロージョン!!』
逃げようとするオークを詠唱破棄で放った僕の『プリズン』が串刺しに、
からの!
『ドン!!』
10体以上のオークが光の爆発に巻き込まれ、
テニスコート1個分のスペースに大きな火柱が立ち上る!
炎の中のオークの影が倒れ、死んだことを知りながら、
逃げ惑っているクラスメイトを無視して、オークに襲い掛かるレオンさんの側をキープ!
レオンさんの近くが一番安全だ。
レオンさんの隣をキープしながら、襲い掛かってくるオークを殺す!
このオーク達は魔力の動きは見えるようだが、力や素早さに普通のオークとの違いは無い。
空城君を見ると、黒田さんに助けられて、馬車の中へと引きずり込まれていく。
しかし、逃げ遅れたクラスメイトが、
なす術も無く殺されていく、
背中から、
正面から、
オークの持つ剣で斬られ、倒れていく、
助けた方が良いのかな?って気持ちもあるはあるけど、その余裕は僕には無い。
オークの手薄な所を探すが、
良い感じで、『ワラワラ』と沸いてくる。
逃げる隙なんて無いよね。
レオンさんをチラ見すると、腕を下ろして一点を見つめている。
その視線の先には、角を持った魔物が複数いた。
2メートル程の体躯に浅黒い肌。
額からは、一本だったり、二本の角が出ている。
『オーガ』だ。
「援護しろ!」
そう言って走り出したレオンさんのあとにつづくと、
『鋭き眼を持つ神に願う!』
レオンさんが詠唱を始める、
『我らに力を!
不屈の心と体を与えたまえ!』
『ブレイブ!!』
レオンさんが奇蹟を起こした瞬間、背中のマリアが軽くなる、筋力アップの『奇蹟』なのだろうか。
レオンさんがオーガ達と斬り結ぶ!
斬り結びながら、
レオンさんはさらに詠唱を重ねた!
『朗らかに笑う神に願う!
我等に風のごとき羽を!
軽やかに舞い踊る羽を与えたまえ!!』
『ヘイスト!』
体が一気に軽くなる!!
その瞬間レオンさんは一体のオーガを斬り殺した!
そして、再び詠唱を始めて!
『プロテクト!』
『マジックアップ!』
次々と補助系の奇蹟をを重ねがけしていく!
もちろん僕にも効果がガンガン現れる!
僕も襲い掛かってくるオーガを切り刻む!
いつもの何倍もの力が出ている気がする!
硬い骨ごと力任せに斬る、
『知力』も上がったのか、反応速度も上がり、
オーガの攻撃を簡単に避けては、オーガの体を切り裂く!
力もどんどん強くなるし、
体力も上がってるようだ。
オーガの振り下ろした棍棒を素手で受け止めて、
剣を持った右手でオーガの顎から脳天へと剣を突き刺す!
ちなみにオーガの剣を受け止めた右手に痛みは無い。
レオンさんの『奇蹟』は凄い!
これならいける!
そう思ってオーガ達を見ると、オーガは勝てないと悟ったのか、
ズリズリと下がりだした。
ホントだ、オークやゴブリンとは違うね、
戦況を理解してるみたい。
ん~、でも。
調子が良いし、もう少し経験値と魔石をもらおうかな?
僕は殺意むき出しで襲い掛かった。
「何で勝手な事を!!」
私は父親である国王に詰め寄った。
「何でとは?」
「異世界人に関しては私に一任して下さったのでは無かったのですか?!」
「確かに、それに関しては一任した。しかしな、これ以上の財政の圧迫も放置出来んのだよ。今、異世界人一人を養うのにいくら消費しているか知らぬ分けではあるまい?それに彼等の問題と言える行動についてもだ」
国王はどうでも良さそうに言った。
「確かにそうかもしれませんが!」
「それだけ分かっていれば十分だ。それに、迷宮に行きたいと言ったのは彼等だ。勝手に行かせておけば良い」
「ちょっと待ってください!!彼等の身に何かあっても良いと言うのですか?!死んでしまったらどうするんですか!!」
「そっちこそ何を言っている?さっきからワシはそう言っている。多すぎるのなら間引けば良い。問題のある異世界人は排除すれば良い」
国王の言葉に私は思わず絶句してしまうが、
「まぁ、あの勇者とかいう男の事が心配かもしれんが。あの男が本当に勇者なのならば必ず帰ってくる。帰ってこなければそれまでの男だ。勇者では無かったということだろう」
「そんな!」
「お前はあの男にたいそう入れ込んでる様だが、ろくに剣術の訓練にも出ずに女の所に入り浸ってるみたいじゃあないか?」
「ならばなおの事!!今の彼等が迷宮になど潜ったらどうなるか、ただでさて魔物が活性化しているのいうのに!」
「だから。それで丁度良いと何度も言っておる。良いではないか、迷宮に潜りたいと言ったのは彼等で、その責任を負うべきなのももちろん彼等だ。例え死んだとしてワシ等にその責任が有る分けでは無い」
「何故その様な事を!」
「もうよい!下がれ!!」
国王がそう言うと、近衛兵が立ち上がって私を取り囲む、
こうなってしまうと私は下がざるをえなかった。
確かに、異世界人達の存在はこの国の財政を圧迫していた。
毎日湯船に浸かりたがるし、舌が肥えているため良いものを食べたがった。
そのくせ、成果が低いのが私としても頭の痛い所だった。
戦闘の訓練に参加すれば、スキルばかり悪戯に発動させて、実践向きの訓練を殆んどしない。
城内で無闇に剣を抜いたり、メイドに手を出そうとしたりする。
他にも、神様に祈りを捧げて起こす『奇蹟』の効果を上げるために聖書も読む事を推奨しているのだが、異世界人は何故か神に対して嫌悪感があって例え聖書を読んでも好ましい成果を得られない事が多かった。
ツルギも、『何が良く、何が悪いかは神様には頼らず自分で考えるものだ』と言って聖書を読みたがらない。
そして思うような成果が得られないと、教え方が悪いと言うのだった。
もちろんそんな態度では、教える方が参ってしまう。
剣術の教え手はコロコロと代わり、習う方も習い難くなっているのも成果の出ない原因だが、まぁ、これも自業自得か。
しかし、こんな所で『勇者』を失いたくないのも事実だ。
迷宮に行くと言って出ていってしまった。
今から兵を派兵しても間に合わない。
帰りを祈って待つ他無さそうだ。
・
後でわかった事だが、この様な結果になった理由はいくつかある。
一つはクラスメイト達は、スキルの多さが強さだと勘違いしていた事。
もう一つは、クラスの中で底辺の僕が魔物相手に無双しているのを見て、『自分は田中より強いはずだから、自分達も同じようには戦える』そう勘違いした事。
もう一つは僕はスキルを使わずに戦っていたので、スキルを使わなくても簡単に魔物を殺せる事から魔物は弱いと思った事。
最後の一つは、クラスの中で底辺の僕よりレベルが低いなんて我慢出来ない。
矛盾しているように感じるかもしれないけれど、要は色んな感情から最悪な行動に出た。
・
「もう少しだ!!」
誰かがそう言う声を聞いて気が緩むが、
目の前にオークの集団が現れてレオンさんが、
「やべぇな」
と言った。
砦までもう少し、その場所でオークが現れたということは、
「撤退ですかね?」
「俺ならな。お荷物がいる状態での連戦なんて御免だ。本当なら砦の生存者の確認には行くべきなんだがな」
僕もせマリアがいるし、
無理をするつもりは無い。
「じゃあ撤退って事で」
ジリジリと下がろうとしたその時、
「へぇ、こいつ等がオークか、本当に田中にそっくりだな」
そう言って馬車を降りるクラスメイトがいた。
えっ?
このタイミングで何を考えてるんだ?
「馬車に戻ってください!!」
馬車に付いていた兵士さんがそう言うが、
クラスメイトは静止を無視する。
「砦は落ちた可能性がある!このまま撤退だ!!」
レオンさんが叫んだ。
しかし!
「ハッ!大丈夫たろ?!何とでもしてやるよ!」
クラスメイトがゾロゾロと馬車を降りてくる。
空城君のハーレム要員は降りては来ないが、空城君まで剣を持って立っている。
僕はため息を漏らしながら、マリアに駆け寄ると、アイテムポーチからマリアを背負う為の布を取り出した。
マリアは状況を分かっていてなされるがまま、義手と義足を外し、体を僕に預けてくる。
クラスメイトに見えない様に、『ラブホテル』の中のクローゼットに繋がっている『アイテムポーチ』の中に義手と義足を詰め込む。
「よし!俺が『大時斬り』で仕止める!皆下がってくれ!」
空城君が言った。
レオンさんを見ると、顔の右側を歪めて頷いた。
了解だ。
レオンさんとの付き合いも長い、何が言いたいかは何となく分かる。
多分、『コイツ等はほっといて俺等は逃げよう』これだ。
レオンさんとしても、勇者の『大時空斬り』は見てみたいだろうし。
さっき、空城君がスキルを発動させようとした時は、全部僕が潰しちゃったしね。
よいしょ。
とマリアを背中におぶって、立ち上がると後ろに大きく下がった。
逆に空城君が前に出ると、掲げた剣に魔力を込めていく。
オーク達はまだ遠く離れている。
これぐらい離れてればスキルの発動前に潰される事は無いだろう。
振り上げられた剣をオーク達も見ている。
ん?
見ている?
レオンさんが、オーク達は魔力の動きを読めないって、、、
一瞬にして血の気が引くが、ただ眺めている訳にはいかない!
『光乃護封剣!』
詠唱を破棄して『奇蹟』を起こす!
現れた二本の光の剣は2体のオークに突き刺さった!
そして!
『大時空斬り!!』
空城君が叫ぶ!!
水平に振り払われた剣から不可視の斬撃が飛ぶ!
草や木がなぎ払われるが、
光の剣が突き刺さった2体のオーク以外は、
斬撃を待ち構えていたようで、
屈んだり、
ジャンプしたりして、その斬撃を避けた!
ただのオークじゃあ無い!!
レオンさんをみると目が驚愕に見開かれている。
ジーンさんを見ると、ジーンさんは僕を見て頷いた。
僕も頷いて踵を返す!
僕が守るべき人はマリア以外に居ないし、
クラスメイトとマリア、両方守れる程僕は強く無い。
視界の片隅に入った空城君はMP切れからか尻餅を付いている。
しるか、こんな奴。
(さっさと逃げよ)
マリアを背負う紐を強く握り、町に戻るべく、馬車の最後尾に着くと、
自分達のの判断が遅かった事を知った。
この隊は魔物に囲まれていた。
そして、
聖子さんと杪さんのであろう悲鳴が飛び!
「「キャアー!!」」
オークは一人のクラスメイトの首をはねた!
飛び散る血と、響く叫び声!
『ヤバイな』
退路を塞がれた僕はレオンさんの近くに行く、
レオンさんは詠唱を始めていた、
『収束して拡散
凝縮して爆散
天も慌わ逃げうるか!』
僕もレオンさんの詠唱に合わせて!
『光乃護封剣!』
『エクスプロージョン!!』
逃げようとするオークを詠唱破棄で放った僕の『プリズン』が串刺しに、
からの!
『ドン!!』
10体以上のオークが光の爆発に巻き込まれ、
テニスコート1個分のスペースに大きな火柱が立ち上る!
炎の中のオークの影が倒れ、死んだことを知りながら、
逃げ惑っているクラスメイトを無視して、オークに襲い掛かるレオンさんの側をキープ!
レオンさんの近くが一番安全だ。
レオンさんの隣をキープしながら、襲い掛かってくるオークを殺す!
このオーク達は魔力の動きは見えるようだが、力や素早さに普通のオークとの違いは無い。
空城君を見ると、黒田さんに助けられて、馬車の中へと引きずり込まれていく。
しかし、逃げ遅れたクラスメイトが、
なす術も無く殺されていく、
背中から、
正面から、
オークの持つ剣で斬られ、倒れていく、
助けた方が良いのかな?って気持ちもあるはあるけど、その余裕は僕には無い。
オークの手薄な所を探すが、
良い感じで、『ワラワラ』と沸いてくる。
逃げる隙なんて無いよね。
レオンさんをチラ見すると、腕を下ろして一点を見つめている。
その視線の先には、角を持った魔物が複数いた。
2メートル程の体躯に浅黒い肌。
額からは、一本だったり、二本の角が出ている。
『オーガ』だ。
「援護しろ!」
そう言って走り出したレオンさんのあとにつづくと、
『鋭き眼を持つ神に願う!』
レオンさんが詠唱を始める、
『我らに力を!
不屈の心と体を与えたまえ!』
『ブレイブ!!』
レオンさんが奇蹟を起こした瞬間、背中のマリアが軽くなる、筋力アップの『奇蹟』なのだろうか。
レオンさんがオーガ達と斬り結ぶ!
斬り結びながら、
レオンさんはさらに詠唱を重ねた!
『朗らかに笑う神に願う!
我等に風のごとき羽を!
軽やかに舞い踊る羽を与えたまえ!!』
『ヘイスト!』
体が一気に軽くなる!!
その瞬間レオンさんは一体のオーガを斬り殺した!
そして、再び詠唱を始めて!
『プロテクト!』
『マジックアップ!』
次々と補助系の奇蹟をを重ねがけしていく!
もちろん僕にも効果がガンガン現れる!
僕も襲い掛かってくるオーガを切り刻む!
いつもの何倍もの力が出ている気がする!
硬い骨ごと力任せに斬る、
『知力』も上がったのか、反応速度も上がり、
オーガの攻撃を簡単に避けては、オーガの体を切り裂く!
力もどんどん強くなるし、
体力も上がってるようだ。
オーガの振り下ろした棍棒を素手で受け止めて、
剣を持った右手でオーガの顎から脳天へと剣を突き刺す!
ちなみにオーガの剣を受け止めた右手に痛みは無い。
レオンさんの『奇蹟』は凄い!
これならいける!
そう思ってオーガ達を見ると、オーガは勝てないと悟ったのか、
ズリズリと下がりだした。
ホントだ、オークやゴブリンとは違うね、
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しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
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