異世界と剣と魔法とダルマな彼女

ユタポンヌ

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異世界と哀れな少年

第25話 罪と罰

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  「もういいよ、許せばいいんだろ?許してあげるよ」

  二人を散々罵ったあと、
  もうどうでも良くなって、二人に背を見せて立ち去ろうとする。
  マリアも僕に合わせるように踵を返した。

  出口に向かって歩き出すと、

  「調子に乗ってんじゃねぇぞ?」

  後ろから声が聞こえた。
  振り返れば山田君が立って僕の方を向いている。

  「調子に?意味が分からない」

  「うるせぇ!お前ごときが何様のつもりだ!」

  そう山田君が怒鳴ると、

  「お前がどれだけのもんか俺達に見せてくれよ。もちろんいつも通り2対1だけどな」

  そう村田君も大声で言った。
  でもその二人の足には明らかに力が入ってなくて、明らかに虚勢だと分かる。

   「調子に乗ってるのはどっちだよ、、、。2対1でも相手になんないよ」

  僕がそう言って立ち去ろうとすると、後ろから『カチャリ』っと剣を抜く音がした。

  「それ以上は止めといた方が良いよ」

  僕はそう言うのだがもう一度『カチャリ』と音がして二人とも剣を抜いたと覚った。

  「本当に、、、調子にのらない方がいい」

  僕がそう言って振り替えると、
  二人は僕に向かって剣を構えて構えていて、

  僕は剣を抜きながら二人に襲い掛かった!

  二人は僕に向かって剣を降り下ろすが、

  (遅いんだよ!) 

  降り下ろされる山田君の剣の峰を僕の剣の峰で、『ギンッ!』叩き落とし、
  その反動を利用して、村田君の剣も『ギンッ!』っと叩き落とす!

  あっさりと剣を手放してしまった二人の手には、何も握られていないのだが、何があったのか理解出来ていないのだろう、『ポカン』とした顔をしている。

  「何故簡単に剣を手放す!」

  僕はそう怒鳴ると、制裁とばかりに剣を振り上げ、
  慌てて剣を拾おうとする山田君の背中を打ち据え、逃げようとした村田君の足を打ち据える。

  二人の顔には苦悶の表情を浮かべながら、
  地面に落ちた剣へとゆっくりと手を伸ばして、まるで泥棒の様に剣を手にした。

  「いいよ。訓練をつけてあげるよ、、、何時でもいいよ。剣で斬り掛かってきてさ」

  そう言いながら、
  僕は手に持っていた剣を鞘に戻して、

  「さぁ、いつでも良いよ」

  そう言うと、二人は一瞬顔を見合わせて頷きながら剣を握りしめて立ち上がった。
  二人の構えはどっしりとしていて、ちゃんとした訓練の成果かが見て取れる、

  (だけどそれだけなんだよね)

  僕から見て左手に山田君が、僕の右側に村田君が立っている。

  僕は村田君の方へ一気に近付く!

  それに合わせて降り下ろされる村田君の剣の動きに合わせて左手を動かし、『ギュッ』っと村田君の剣を左手で掴んだ、

  摩擦させなければどんな剣でもそうそう物を斬ることは出来ない、
  剣を下げさせて、がら空きの顎に向けて、

  『ゴッ!』

  っとフックを一発、
  もう一発は脇腹に思いっきり打ち込む!

  『バキバキ』

  って感触を確認しつつ左手の剣を手離すと、村田君は山田君の方へとふっ飛び、

  山田君は村田君を抱えて衝撃を緩和してやっている。

  (なんて温いヌルイ戦い方なんだ!)

  僕は村田君の体を利用して、自分の体を山田君から見て死角に成るように滑り込ませてから、
  意識を失っている村田君の顔面を左手で掴むと、

  その後頭部を山田君の顔面に打ち付ける!
  すると、

  『ゴッ!』

  っと音がして、山田君の鼻から血が『ブッ』っと吹き出る、

  僕の姿をやっと捉えた山田君の目に光が灯るが、

  (遅すぎる)

  僕は山田君を嘲笑う様にその背後に回ると、背骨を踏み砕いた。

  「ガハッ!」

  っと苦しそうな声が上がるので、
  背骨を踏んだまま、

  『エクストラヒール!』

  折れた背骨が綺麗に治る。
  そして、顎を殴られ朦朧としている村田君のバキバキに折れた肋骨を踏みつけると、

  『ングッ!』

  っと苦悶の表情が浮かんで再び、

  『エクストラヒール』

  神聖魔法を掛けて傷を治してあげる。
  二人の傷は完治しているのだが、苦しそうな顔を見せている。

  「さあ、早く立った方が良いよ、休んでる暇なんて無いんだから」

  レオン式訓練はこんな甘い物じゃあない。

  「最初からもう一度組手をやって、次は負った傷は治さずにそのまま傷を負った状態で魔法を使う練習をしようか?簡単な魔法ぐらい放てるんでしょ?」

  僕がそう言うと二人は顔を青くさせた。


  ・


  「「今まで悪かったぁ!頼む!もうこれ以上は許してくれ!!」

  二人が大声で土下座しながら言った。
  二人の装備とはボロボロで、顔も傷は無いが土にまみれてる。

  「そうだね。さすがに散々二人を殴ったらスッキリしたよ」

  僕のその一言に二人の顔が安堵に包まれる。

  「良かったぁ!」

  そう言って二人は仰向けになって倒れると、

  「でも田中はいつもこんな訓練を本当に受けてんのかよ?」

  山田君はそう言った。
  村田君もウンウンと頷いている。

  「ホントだよ?いつも僕のMPが切れるまでやるから、この倍はやるって事になるね」

  今僕のMPがほぼ0になっているが、いつもは僕の使う回復魔法は僕にだけ使いながら戦闘の訓練をする。
  それで僕のMPが0になった所で終了している。
  今回は僕に回復魔法は使わず、山田君と村田君の二人に使ったから、いつも僕がレオンさんから受ける訓練はこの倍って事になる。
  しかもレオンさんはなかなか回復魔法を使うのを許可してくれないからな。

  二人が体験した訓練より辛い訓練を受けてる自信がある。
  その話をすると、

  「ウソだろ、、、あり得ねぇ」

  そう言った。

  「でも、大事だよ?だって最初に僕が山田君の背骨をへし折ったけど、実際の戦闘ならその時の行動が村田君の生死を分けてて、山田君が諦めた瞬間に村田君の死が確定したんだよ?」

  「背骨を折られた状態で戦えって言うのかよ?」

  「そうだよ?実際にレオンさんはそうしろって僕に教えたし、僕もそう思うよ。背骨を折られた時点で山田君の死は確定したけど、山田君は仲間を逃がす為に、魔法の詠唱をしたり、手の剣を投げ付けるぐらいは出来るんじゃない?仲間を生きて返す為に死に際でこそ力を出さなきゃいけない瞬間があるんだってさ」

  そう言われて二人は反論出来る訳もなく黙った。

  「レオンさんはそんな仲間に何度も命を救われて生きてきたんだって。特に二人は今後も二人で行動するんでしよ?だったらなおさらちゃんと訓練しなきゃ」

  僕もマリアを守る為にも大事な事だと思っている。
  最悪自分が死ぬのは良い、けどそれにマリアを巻き込みたくは無い。

  「確かにそうだけどよ」

  そう山田君が倒れたまま言うと、

  「ちょっとキツすぎだって!」

  と村田君も倒れたまま言った。

  「まぁ、良いけどさ回復アイテムにも、回復魔法にも死んた人間を生き返らせる物はないみたいだから」

  「でも良かったよ」山田君が上半身を起こして、「背骨を折られて許して貰えないんじゃあどうしようも無かった」そう言った。

  「だよね」村田君も上半身を起こして、「流石に俺等だって田中の骨なんて折ったことねぇのにさ。何回骨折られたかわかんねぇよ」と言った。

  「高校三年間の怨みは重いんだよ。むしろ一日でチャラにするには妥当なんじゃない?」
 
  「カッカッ!それを言われたら何にも言えねぇよ!」

  山田君がそう言うと、

  「確かに!その通りだ!」

  そう言って二人は笑った。

  もしかしたら二人の笑顔を診るのはこれが初めてかもしれない。
  山田君は哀◯翔の眉毛を太くしたような顔をしていて僕程では無いが悪人顔をしているのだが、今は口の左右を吊り上げ、気持ちの良い笑顔を見せている。
  村田君もだ、村田君は幼い顔をしているが整った顔をしているのではないだろうか。
  その顔に笑顔を浮かべている。

  (何故もっと早く二人の笑顔を見ることが出来なかったんだろ)

  何故かなんて、さっき二人にも教えられて分かりきった事なのだけどそんな事を思った。
  何故なら彼等の服が僕の攻撃でボロボロになって地肌が露出しているからだ。

  「キズ、治らないんだね」

  僕がそう言うと二人も自分達の肌をみて、

  「あぁ、そっか、『エクストラヒール』はどんな傷も本当は治せるんだっけ?」

  そう村田君が僕に聞いてきた。

  「そうだよ。本当なら手足の欠損すら治せる筈なんだけどな」

  「チッキョ!」村田君は残念そうに、「相変わらず海に行けねぇじゃねぇか!」そう言った。

  「でも、そういう傷も全部治すつもりでエクストラヒール描けたのにな、、、。もしかしたら地球で受けた傷は治せないのかもしれないね」

  村田君が僕の言葉に凹んだ顔をするので、

  「念のため、今度MP全部注ぎ込んでエクストラヒール掛けてみる?使うMPで効果が違うからもしかしたら治るかもよ?」

  「へぇ!良いね!頼むよ!」

  村田君は一気に笑顔になって、

  「最悪なんだよね!見えない所は全部タバコを押し付けた痕ばっかりでさ!だからプールとか、何年も入ってねぇし!銭湯だって無理だぜ?」

  そう言った。
  僕は隣の山田君に、

  「山田君も今度やってみる?」

  と聞いた。
  けど、山田君は下を向いたまま、

  「いや、俺だけ治るとかよ、抜け駆けみてぇでよ。俺はイイワ」

  そう言った。

  「抜け駆け?」

  山田君は下を向いたままなので、村田君に聞いてみる。

  「 、、、」村田君は眉間にシワを寄せて寄せて、「タカシ君には弟君が居るんだよ」そう言った。

  山田君は下を向いたまま、

  「そうなんだ、、、俺、弟を地球に置いて来ちまったんだよ。クソ!ユウキも連れて来れれば良かったのによ!アイツ好きなんだぜ?ゲームとか、異世界とかさ」

  山田君の声に涙が混じる。

  「ちっ!ちょっと、待ってよ、、、山田君は地球に居るとき親から虐待を受けていて?弟君も?弟君も虐待を受けているの?」

  その言葉に山田君は下を向いたまま頷いて、

  「いつも、父親アイツは気に入らない事が有るとよ、俺とユウキを殴るんだ」

  そう言った。
  山田君は右手で目頭を押さえてて、泣くのを必死で我慢している。

  「それをよ、アイツが疲れるまで二人で我慢するんだ。二人でじっと我慢するんだ、、、。背中を丸めて必死でよ、、。でも、二人だから我慢出来るんだ、、、二人だから、、、二人だからよぉお、それを、一人で我慢しているなんて、、、ユウキに一人で我慢させてるなんて!クソ!クソォ!帰りてぇんだよ!俺は帰りてぇんだ!早く帰ってやんなきゃユウキが死んじまう!あの暴力を一人で受けて!一人で我慢なんて出来る筈がねぇんだよ!
  俺は早く地球に帰らなきゃいけないんだよ!」

  「帰る方法は探した?」

  僕の問いには村田君が答えた。
 
  「今のところ前例が無い」首を左右に振って、「異世界から来た勇者の話はたくさんあるんだけど、来た星に戻ったって話は皆無らしい」そう言った。

  「じゃあ特定の人を指定してこの世界に召喚した事例はなかった?」

  僕がそう聞くと、
  村田君が、

  「召喚?異世界人が異世界人を召喚した事例か?」

  「そう!山田君の弟君をこの世界に召喚したら良いんでしょ?」

  村田君は山田君を見て、

  「弟君は異世界とかファンタジーな話が好きだし、、、。多分問題無いと、、、」

  そう言う、

  なら良いじゃん!

  「とりあえずその可能性を探ろうよ、兎に角僕達はこの世界に来れたんだし、そっちの可能性を探った方が良さそうだよ。時系列も何とかなりそうだしさ!」

  「時系列って?」

  村田君が聞き返して聞き返してきた。

  「この世界にテリマヨバーガーがあるじゃん?あれって1000年前に来た異世界人が伝えたらしいけと、テリマヨバーガーなんて地球で最近出来た食べ物じゃん?そんな物を1000年前の地球人が伝えたって事はさ、時系列も適当なんじゃないの?」

  「って事は?」

  「って事はさ、僕達が居なくなった瞬間の山田君の弟君を召喚すれば良いんじゃない?」

  出来るかどうかは別としてだけど、 

  「よし!大輔の所に行くぞ!」

  山田君は急に立ち上がって言った、
  目をゴシゴシと拭いて、頬をパンパンっと叩いて、

  「大輔は書庫でずっと本ばっか読んでっからよ!大体の事は聞けば分かんだよ!」

  山田君がそう言って出口に向かうと、村田君が僕達を見守っていたクロードさんに、

  「スミマセン!良いっすか?」

  と聞くと、クロードさんは大きく頷いた。
  山田君は、

  「おし!いこうぜ!」

  そう言って二人で意気揚々と出て行くのを僕も見守っていたら、

  「何してんだよ!」山田君が僕を見て、「洋一も早く来いよ!」そう言った。

  僕はマリアと顔を見合わせて、

  「いや、この後僕はクレアさんって人にお茶会に誘われてて、、、」

  「ウソだろ?洋一がお茶会とかマジかよ!良いから!お前にお茶会は似合わねぇから!来いよ!」

  山田君はそう言って僕の肩に手を伸ばす、
  クロードさんが、

  「クレア様の使者さんには私からお伝えしておきますよ」

  そう言ってくれるのでお言葉に甘える事に。

  「大輔のスキルが笑えるんだぜ?」

  僕の肩を抱いたまま山田君が言うと、

  「いや、孝君?それ、やぶ蛇だから」

  そう村田君が言った。

  「えっ?どういうこと?」

  と僕が村田君に聞くと、

  「良いからよ!アイツのスキルはスゲェんだ!」

  話に付いて行けない僕は二人の会話に翻弄されてしまうのだった。
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