ショタパパ ミハエルくん

京衛武百十

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第五幕

嘘だったら承知しないからな……!

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だけど、そのレストランを見た瞬間、ムジカだけじゃなく、レギとヒアとニアナも不快そうな表情になった。

「ここかよ……」

ムジカが吐き捨てるように口にする。その様子から、

『施しを受けるのが嫌なんだろうな』

と察せられた。この国そのものは、近隣の国々から一方的な支援を受けつつ何の見返りも用意しないことをむしろ誇っているくらいだったりするけど、ムジカ達はそうじゃないみたいだね。ただただ一方的に『施しを受ける』こと自体に対して嫌悪感があるみたいだ。

実際、彼は口にする。

「ここはあれだろ? 『<可哀想な奴ら>に施しをしてる自分は善人だ』って思いたい奴らがやってるところだろ? そういうの、ムカつくんだよ……! いい暮らしして楽をしてそれで上から『施してやってる』とか、何様だ? 俺達をただの野良犬とかと思ってんだろ……!」

憎悪を隠そうともせずに。

だけど僕は、むしろホッとしたよ。彼らには<矜持>がある。自分達は人間で、人間として自分の力で生きようという信念がある。だから一方的な施しは望まないということだろうな。たとえ他者から力尽くで奪う形であっても、<自分の力>で生きることをよしとしてるんだ。

それは素晴らしい<生きる力>そのものだ。

だからこそ、セルゲイは応える。

「ああ、そうだね。確かにここは<施し>を行っている。けれど私が君達に食事をご馳走したいと思ったのは、決して施しじゃない。ただ君達との出会いの記念に、それを祝いたいだけなんだ。私はあくまでホストであり、君達はあくまでゲストなんだよ。<施す側>と<施される側>じゃないんだ。

しかも君達は自分の力で這い上がりたいという気持ちがあるんだろう? なら、今こそそのチャンスだ。私達はそのチャンスを君達にもたらしに来ただけで、それを掴み自分のものにするかどうかは、君達自身が決めることなんだからね」

って。

もちろんそれですぐにムジカ達が納得できたわけじゃないとは思うけど、

「嘘だったら承知しないからな……!」

言いながらも彼は、レギとヒアとニアナを連れて、ずかずかとレストランに入っていった。マナーも何もない態度でも、そこにはまぎれもなく<強い意志>が見えていた。

そうだよ。マナーなんて必要に応じて学んでいけばいい。彼らはただこれまでその機会にさえ恵まれなかっただけなんだ。そんな彼らにマナーが備わってなくたって、それ自体が当然のことでしかない。

大切なのは彼ら自身の<生きる力>なんだ。

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