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ジャイアントスイング
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さすがに元の勢いのままで突っ込んできた時にそんなことをしていたら逆に吹っ飛ばされるか足を挫いていたかもしれないが、その辺りは蟷姫も承知してるんだろうよ。
急減速した後の再加速だったからな。十分に加速する前にカウンターという形で食らっちまったら、そりゃキツイ。
これも人間なら一発KOもんだろ。だってえのに、
「ブガッッ!!」
とか悲鳴を上げながら地面を転がったってえのに、すぐまた立ち上がろうとしやがる。いやはやあっぱれだ。
でもなあ、この隙はさすがに大きかったな。
蟷姫は、イノシンみてえな獣の背後に回って後ろ足をそれぞれカマでガッチリと掴み、自分自身の体重をカウンターウェイトに使って猛烈に回転、<ジャイアントスイング>そのものの強烈な勢いでイノシンみてえな獣の首の部分をまったく手加減なく木の幹に叩きつけやがった。
イノシンみてえな獣自身の体重と回転が生み出す速度がそのまま首に直撃したとあっちゃなあ。
「バギャッッ!!」
って感じのえげつない音が俺の耳にまで届いてきやがった。
「ゲヒュッッ!?」
これまた何とも言えねぇ声を上げたイノシンみてえな獣を、蟷姫はまだ放さずにもう一度、木の幹に叩きつける。
瞬間、イノシンみてえな獣の頭が、これまた何とも言えねぇ感じでぐわんぐわんと大きく揺れた。ああ、こりゃ、骨が完全に砕けたな。
蟷姫もそれを察したか、カマを放して地面に放り出す。そして、びくびくと痙攣してるそいつの身体にそのまま歯を立てた。ブチブチと肉を引きちぎり、その場でガツガツと貪り始める。
いつもの食事風景だ。
で、やっぱり、しばらくして獲物が動かなくなると、興味を失って立ち上がり、血まみれの顔のまま俺のところに来て、
『舐めてくれ』
とせがんでくる。当然、俺も拒む理由がねえわけで、そのまま彼女の顔についた血を舐めとってやる。そしてその流れで最後まで求め合った。
だがその時、
「!?」
いい感じでフィニッシュを迎えようとしていた俺と蟷姫は同時に、弾かれるようにしてお互いに体を離し、身構えた。
ヤベえ気配を感じ取ったからだ。
すると、俺と蟷姫が揃って視線を向けた先に、
「あいつ、また来たのか……」
俺が思わず声を漏らした通りに、例のカマキリ怪人がいやがったんだ。一応、気配は隠してるみてえだったが、殺気がバシバシと刺さってきやがる。
『ったく、無粋な奴だな』
とか思ったのと同時に、
『あ? まさかこいつ……』
とも思っちまった。
何しろ俺と蟷姫に交互に視線を向けた上で、思いっきり俺に殺気を向けてきやがったからな。
急減速した後の再加速だったからな。十分に加速する前にカウンターという形で食らっちまったら、そりゃキツイ。
これも人間なら一発KOもんだろ。だってえのに、
「ブガッッ!!」
とか悲鳴を上げながら地面を転がったってえのに、すぐまた立ち上がろうとしやがる。いやはやあっぱれだ。
でもなあ、この隙はさすがに大きかったな。
蟷姫は、イノシンみてえな獣の背後に回って後ろ足をそれぞれカマでガッチリと掴み、自分自身の体重をカウンターウェイトに使って猛烈に回転、<ジャイアントスイング>そのものの強烈な勢いでイノシンみてえな獣の首の部分をまったく手加減なく木の幹に叩きつけやがった。
イノシンみてえな獣自身の体重と回転が生み出す速度がそのまま首に直撃したとあっちゃなあ。
「バギャッッ!!」
って感じのえげつない音が俺の耳にまで届いてきやがった。
「ゲヒュッッ!?」
これまた何とも言えねぇ声を上げたイノシンみてえな獣を、蟷姫はまだ放さずにもう一度、木の幹に叩きつける。
瞬間、イノシンみてえな獣の頭が、これまた何とも言えねぇ感じでぐわんぐわんと大きく揺れた。ああ、こりゃ、骨が完全に砕けたな。
蟷姫もそれを察したか、カマを放して地面に放り出す。そして、びくびくと痙攣してるそいつの身体にそのまま歯を立てた。ブチブチと肉を引きちぎり、その場でガツガツと貪り始める。
いつもの食事風景だ。
で、やっぱり、しばらくして獲物が動かなくなると、興味を失って立ち上がり、血まみれの顔のまま俺のところに来て、
『舐めてくれ』
とせがんでくる。当然、俺も拒む理由がねえわけで、そのまま彼女の顔についた血を舐めとってやる。そしてその流れで最後まで求め合った。
だがその時、
「!?」
いい感じでフィニッシュを迎えようとしていた俺と蟷姫は同時に、弾かれるようにしてお互いに体を離し、身構えた。
ヤベえ気配を感じ取ったからだ。
すると、俺と蟷姫が揃って視線を向けた先に、
「あいつ、また来たのか……」
俺が思わず声を漏らした通りに、例のカマキリ怪人がいやがったんだ。一応、気配は隠してるみてえだったが、殺気がバシバシと刺さってきやがる。
『ったく、無粋な奴だな』
とか思ったのと同時に、
『あ? まさかこいつ……』
とも思っちまった。
何しろ俺と蟷姫に交互に視線を向けた上で、思いっきり俺に殺気を向けてきやがったからな。
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