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家族で力を合わせて敵に立ち向かう

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まさかこんな形で、

『家族で力を合わせて敵に立ち向かう』

なんて展開になるとは思ってなかったけどよ、一瞬でも気を抜いたら即ゲームオーバーだろうけどよ、悪くねえ。悪くねえな。

命ギリギリのだってえのに、俺はなんだか楽しくなっていた。こんな所にこんな形で放り出されたのも、このためだったと思やあ、むしろありがてえ。もちろんそんなわきゃねえのも分かってるけどよ。

いいじゃねえか。俺がそれで納得できてるんなら。

なんてことを考えられてんのは、それこそ体が勝手に動いてくれるからだよな。そういう風に自分を作り上げてきたからだ。

考えてから動く余裕がありゃあそうしてもいいだろうけどよ。実際はそんな余裕はねえよな。相手が強けりゃ。俺も余裕なんかねえよ。余裕があるから考えられてるわけじゃねえ。むしろ逆だ。どうやって恐竜怪人の相手をすりゃいいのか考える余裕がねえから体が勝手に動くのに任せてんだよ。体が勝手に動いてくれっから、こんなこと考えてられるってわけだ。

皮肉な話だぜ。

にしても、行道ゆきみちの動きがどんどん良くなっていってやがる。しかも攻撃そのものが、早く鋭く重い。ひょっとしてこれあ、こいつの才能が目覚めてってるってことか? 蟷姫とうきとのじゃれあいじゃあ発揮されなかった才能がよ。

「ガアッ!?」

行道ゆきみちに蹴られた恐竜怪人が、意識を向けるとそこにはもう行道ゆきみちはいねえ。しかも俺と蟷姫とうきがそこに連続して攻撃を加えっから、探してもいられねえ。

恐竜怪人にしてみりゃあ、わけが分からねえだろうな。俺と蟷姫とうきの姿は見えてんのに、どちらからでもねえ攻撃がくるんだからよ。

その上、行道ゆきみちの蹴りの威力そのものもすげえ勢いで上がってきてやがる。ウェイトが小せえ分、不利なのは間違いねえが、ウェイトさえありゃあ、もう蟷姫とうきのそれを上回ってんじゃねえか?

このナリでそれってなあ、自分の息子ながら末恐ろしいぜ。

これはあれか? 蟷姫とうきの能力に加えて俺の能力も遺伝して、ブーストがかかってる状態ってえ感じか?

もしかしたらとんでもねえ<怪物>を生み出しちまったってことじゃねえのか?

でもまあ、今は頼もしい限りだぜ。決してでかくはねえが、恐竜怪人の様子を見てる限りは、確かにダメージが通ってる。

ちゃんと戦力になってんだよ。

ちくしょう、嬉しいじゃねえか。とんでもねえ怪物を生み出しちまったのかもしれが、単純に親としちゃあ、自分の子供にすげえ才能があるかもしれねえってのは、やっぱ嬉しいだろ。

こういうのを親バカってんだろうな。

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