美智果とお父さん

京衛武百十

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別に気持ち悪いとか思わないし

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「『同性愛者は気持ち悪いから見えないようにこそこそ隠れて生きろ』とか言う人がいるけど、それもおかしいよね。だってお父さんはそこまでしなきゃいけないとか全然思ってないし。それを受け入れてる人もいるのに、『気持ち悪いから見えないところに行け』なんて、それこそ個人的なワガママだろ」

「あ~。それはそうかも。私もその女の子っぽい男子のこと、別に気持ち悪いとか思わないし」

「だろ? 何かを気持ち悪い気持ち悪くないって感じるのはただの主観の問題だよ。しかももう既に、それを受け入れてる人の割合も昔に比べるとずっと増えた。こうなるともう、それこそ全体の総意ですらない。下手をすると自分の方が少数派ってことにもなるよ?

まあ、今はまだ取り敢えず多数派だとしても、そう遠くないうちに本当に少数派になるかもしれない。

もしそうなったりしたら、『同性愛を気持ち悪いと思ってるお前の方が気持ち悪いから見えないようにこそこそ隠れて生きろ』って言われて納得できる? 自分はそう言われるのが嫌だっていうなら、他人に対しても言っちゃいけないよ」

「なるへそ~」

「同性愛を認めたら少子化が加速するって言ってる人もいるけど、そもそも同性愛の人は異性を好きになれないから同性愛者なんだろ? 認めようと認めまいと元々子供を作ろうと思わないんだろうから今さらだよ。

それにさ、結婚したくないならしなくていい、子供を作りたくないなら作らなくていいっていう価値観を認めちゃったのに、少子化も何もないもんだ。本気で少子化を食い止めようっていうなら、そんな価値観認めちゃダメじゃないかな。だって、そんな風に思ってる人の方が同性愛者よりも圧倒的に数が多いだろうし。

それにお父さんはこうも思うんだ。同性愛者が増えてるなら、それは人間の数が増えすぎたから種としての人間が本能的に数を調節しようとしてるんじゃないかって。好きな人同士でカップルになって自然と数が減っていくなら、そんな平和的な解決法も他にないと思うけどね」

「そうか~、そうかもね~」

「だからさ。少子化でも社会が破綻しないような対処法を、適切な数まで緩やかに自然に減っていけるような社会の仕組みを、頭の良い人達は考えた方がいいとお父さんは思ってるんだよね」

「そんな方法あるの?」

「さあ? それが分かるならお父さんが発表してるよ。

ただ、お父さんは、美智果が結婚してもしなくても、子供を産んでも産まなくても、どっちでもいいと思ってる。

どんな世の中になっても、お父さんは美智果と力を合わせて生きていくだけだよ」

結局、それが結論なのだった。

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