96 / 2,961
大家族
報告(メイフェアXN12Aの昔語り)
しおりを挟む
新暦〇〇〇三年十一月二十四日
メイフェアXN12Aと遭遇できたのは、俺達にとってはまさに僥倖だった。もちろん、セシリアと同じでバッテリーは完全に劣化しきっていてキャパシタのみでの動作になるから制限は多いが、セシリアに伴われてコーネリアス号に改めて帰還。彼女らの規格に適合したメンテナンスルームでメンテナンスを受けたことで、日常的な動作についてはほぼ完璧になった。これで、家の守りもさらに固くなるし、何より彼女に守りを任せることでエレクシアが今まで以上に自由に行動できるようにもなるだろう。
ただ、要人警護仕様の彼女の場合、キャパシタに蓄えられる電力では、戦闘モードで全力稼働すると十分ともたないのでその辺りの注意は必要だ。とは言えそれもまあ、無線給電が行える範囲内でいる分にはさほど問題ないが。
それやこれやで何とか落ち着いた後、メイフェアXN12Aはコーネリアス号から調査に出た後のことを俺に語ってくれた。
夜。夜行性で、俺が誉を探しに出ている間に生まれた双子、彩と凛(共に女の子)におっぱいをやりつつ俺にべったりと甘えてくる伏の体を撫でながら、俺はメイフェアXN12Aの話を聞く。
ここから先は、しばらく、彼女の<語り>で綴っていこう。
私は、私達は、コーネリアス号の搭乗員の方々の命を守ることができませんでした……
人間を守る為に作られた筈なのに、それを果たせなかったのです。
その事実は私達のメインフレームに多大な負荷を与えました。それが正常な処理の妨げになったのだろうということは疑う余地もないでしょう。
私達は、長期間、閉ざされた空間内で人間と共に活動する為に、当時としては踏み込んだ仕様のアルゴリズムを与えられていました。人間の<心>をより理解し、サポートすることを目的としたものでした。
しかし、それが逆に、守るべき対象を守れなかった私達にとっては負担になったのだと思われます。
だから私達は、<逃げた>のです。私達のメインフレームに過大な負荷をかける場所から。コーネリアス号から。<調査>というのは、その為の口実でしかありません。フル充電でも一ヶ月程度しかもたないのですから、大した調査ができる訳でもありませんし。そして、帰るつもりもなかったのです。
守るべきものを守れず、そして新たな役目を与えられる可能性もないこの惑星で、私達はただ朽ちていくのを待つだけでした……
それでもその間、私は、この惑星の豊かな自然に触れ、たくさんの動植物を見てきました。ここは本当に素晴らしい惑星です。人間が生きるのにこんなに適した惑星を、私は、地球以外知りません。
あの不定形生物さえいなければですが……
メイフェアXN12Aと遭遇できたのは、俺達にとってはまさに僥倖だった。もちろん、セシリアと同じでバッテリーは完全に劣化しきっていてキャパシタのみでの動作になるから制限は多いが、セシリアに伴われてコーネリアス号に改めて帰還。彼女らの規格に適合したメンテナンスルームでメンテナンスを受けたことで、日常的な動作についてはほぼ完璧になった。これで、家の守りもさらに固くなるし、何より彼女に守りを任せることでエレクシアが今まで以上に自由に行動できるようにもなるだろう。
ただ、要人警護仕様の彼女の場合、キャパシタに蓄えられる電力では、戦闘モードで全力稼働すると十分ともたないのでその辺りの注意は必要だ。とは言えそれもまあ、無線給電が行える範囲内でいる分にはさほど問題ないが。
それやこれやで何とか落ち着いた後、メイフェアXN12Aはコーネリアス号から調査に出た後のことを俺に語ってくれた。
夜。夜行性で、俺が誉を探しに出ている間に生まれた双子、彩と凛(共に女の子)におっぱいをやりつつ俺にべったりと甘えてくる伏の体を撫でながら、俺はメイフェアXN12Aの話を聞く。
ここから先は、しばらく、彼女の<語り>で綴っていこう。
私は、私達は、コーネリアス号の搭乗員の方々の命を守ることができませんでした……
人間を守る為に作られた筈なのに、それを果たせなかったのです。
その事実は私達のメインフレームに多大な負荷を与えました。それが正常な処理の妨げになったのだろうということは疑う余地もないでしょう。
私達は、長期間、閉ざされた空間内で人間と共に活動する為に、当時としては踏み込んだ仕様のアルゴリズムを与えられていました。人間の<心>をより理解し、サポートすることを目的としたものでした。
しかし、それが逆に、守るべき対象を守れなかった私達にとっては負担になったのだと思われます。
だから私達は、<逃げた>のです。私達のメインフレームに過大な負荷をかける場所から。コーネリアス号から。<調査>というのは、その為の口実でしかありません。フル充電でも一ヶ月程度しかもたないのですから、大した調査ができる訳でもありませんし。そして、帰るつもりもなかったのです。
守るべきものを守れず、そして新たな役目を与えられる可能性もないこの惑星で、私達はただ朽ちていくのを待つだけでした……
それでもその間、私は、この惑星の豊かな自然に触れ、たくさんの動植物を見てきました。ここは本当に素晴らしい惑星です。人間が生きるのにこんなに適した惑星を、私は、地球以外知りません。
あの不定形生物さえいなければですが……
2
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる