235 / 2,962
子供達
冗談はやめてくれ(またこんなのか…)
しおりを挟む
「錬是様。新型ドローンが捉えた映像の中に、これまで確認されていない生物の姿と思しきものが見られます。これについての指示をコーネリアス号が求めてきています」
雨が上がってすっきりした天気に変わり始めた頃、セシリアが俺にそんなことを報告してきた、
「未確認生物?」
新しい種類の生物が見付かること自体は別に珍しくない。そういうものについては概要だけまとめておいてくれれば俺かシモーヌが確認するからと伝えておいてあるんだが、こういう言い方をするところをみると、そういう類型には当てはまらない生物ってことか。
何となく嫌な予感を覚えつつタブレットの方に映像を出してもらう。すると、一目見ただけでコーネリアス号のAIがこちらに判断を仰いできた理由が理解できた。
「なんだ…こりゃ……?」
と呟いた俺の隣で一緒にタブレットを覗き込んだシモーヌが、
「ラミア…?」
と声を上げた。
<ラミア>。伝説などに語られる、上半身が女性、下半身が蛇という想像上の怪物のことだと思ったが、その画面に映っていたのはまさに<それ>だった。あの不定形生物由来だと思しき透明の体だったが。
「マジか……」
まあ、ヒト蜘蛛の例もあるから今さら驚くほどのことじゃないんだろうが、それにしたって、なあ……
だが驚きは、それだけじゃなかった。草原の中でまさに蛇そのもののとぐろを巻いた姿のそれにカメラがズームしていくと、シモーヌが、
「クラレス…!?」
と息を詰まらせたのだ。その瞬間、俺もピンときてしまった。
「間違いありません、コーネリアス号の乗員の一人、クラレスの姿が再現されてます。もちろん人間部分だけですが」
シモーヌの言葉に、俺は頭を抱えた。
「なんでこう、次から次へと……」
いや、このこと自体は俺が思ってる以上に頻繁に起こってるのかもしれない。その中でこの世界に定着できたものだけが繁殖してるんだろうと推測することは十分にできると思う。こっちにとっては『冗談じゃない』って感じだが。
と、頭を抱えつつ画面を見ていた俺の前で、その<クラレス>が、通りがかったインパラ(に似た動物)に凄まじいスピードで襲い掛かり体を巻き付け、あっという間に絞め殺すという光景が繰り広げられた。
その姿は完全に<蛇>のそれであり、人間的な感性や躊躇いなどは微塵も見られなかった。たぶん、<グンタイ竜の女王>と同じだ。人間部分はコーネリアス号の乗員のDNAを用いて再現されてるが、人間としての知性や感性は再現されていないっていうパターンだろう。
「もしかして、私もこんな感じだったんですか……?」
シモーヌが青い顔(たぶん)をして問い掛けてくる。<グンタイ竜の女王>の件を訊いてきてるんだろうなというのはすぐに分かったのだった。
雨が上がってすっきりした天気に変わり始めた頃、セシリアが俺にそんなことを報告してきた、
「未確認生物?」
新しい種類の生物が見付かること自体は別に珍しくない。そういうものについては概要だけまとめておいてくれれば俺かシモーヌが確認するからと伝えておいてあるんだが、こういう言い方をするところをみると、そういう類型には当てはまらない生物ってことか。
何となく嫌な予感を覚えつつタブレットの方に映像を出してもらう。すると、一目見ただけでコーネリアス号のAIがこちらに判断を仰いできた理由が理解できた。
「なんだ…こりゃ……?」
と呟いた俺の隣で一緒にタブレットを覗き込んだシモーヌが、
「ラミア…?」
と声を上げた。
<ラミア>。伝説などに語られる、上半身が女性、下半身が蛇という想像上の怪物のことだと思ったが、その画面に映っていたのはまさに<それ>だった。あの不定形生物由来だと思しき透明の体だったが。
「マジか……」
まあ、ヒト蜘蛛の例もあるから今さら驚くほどのことじゃないんだろうが、それにしたって、なあ……
だが驚きは、それだけじゃなかった。草原の中でまさに蛇そのもののとぐろを巻いた姿のそれにカメラがズームしていくと、シモーヌが、
「クラレス…!?」
と息を詰まらせたのだ。その瞬間、俺もピンときてしまった。
「間違いありません、コーネリアス号の乗員の一人、クラレスの姿が再現されてます。もちろん人間部分だけですが」
シモーヌの言葉に、俺は頭を抱えた。
「なんでこう、次から次へと……」
いや、このこと自体は俺が思ってる以上に頻繁に起こってるのかもしれない。その中でこの世界に定着できたものだけが繁殖してるんだろうと推測することは十分にできると思う。こっちにとっては『冗談じゃない』って感じだが。
と、頭を抱えつつ画面を見ていた俺の前で、その<クラレス>が、通りがかったインパラ(に似た動物)に凄まじいスピードで襲い掛かり体を巻き付け、あっという間に絞め殺すという光景が繰り広げられた。
その姿は完全に<蛇>のそれであり、人間的な感性や躊躇いなどは微塵も見られなかった。たぶん、<グンタイ竜の女王>と同じだ。人間部分はコーネリアス号の乗員のDNAを用いて再現されてるが、人間としての知性や感性は再現されていないっていうパターンだろう。
「もしかして、私もこんな感じだったんですか……?」
シモーヌが青い顔(たぶん)をして問い掛けてくる。<グンタイ竜の女王>の件を訊いてきてるんだろうなというのはすぐに分かったのだった。
2
あなたにおすすめの小説
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
距離を置きたい女子たちを助けてしまった結果、正体バレして迫られる
歩く魚
恋愛
かつて、命を懸けて誰かを助けた日があった。
だがその記憶は、頭を打った衝撃とともに、綺麗さっぱり失われていた。
それは気にしてない。俺は深入りする気はない。
人間は好きだ。けれど、近づきすぎると嫌いになる。
だがそんな俺に、思いもよらぬ刺客が現れる。
――あの日、俺が助けたのは、できれば関わりたくなかった――距離を置きたい女子たちだったらしい。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる