未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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幸せ

紛らわしい話だよ(人間にとっては、だが)

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新暦〇〇二〇年七月十一日。



ヒト蜘蛛アラクネとはまた別の、クモ人間アラニーズとも呼ぶべき生物の存在の可能性は以前から指摘されているんだが、現在までのところ発見はされていない。ただ、それ以外の人間ベースの生物は、母艦ドローンによる調査でいろいろ発見されていた。

その中に、特に気になる例があった。

実は、カマキリ人間マンティアンに似ているが、果実を主な餌としているクワガタ人間ルカニディアというのがいるんだが、こいつが、えいのとよく似たつのを生やしてるんだよな。その角を含めたシルエットと体の色がクワガタを連想させるからクワガタ人間ルカニディアと仮に名付けたんだ。

しかも亡くなっていた個体からドローンによって採取されたサンプルを解析したところ、遺伝子的には同種と言ってもおかしくないくらいに非常に近いので、どうやらごく稀にカマキリ人間マンティアンの方にもその特徴が現れるようだ。

そういう訳で、えいのあの<角>が何かよくない病気なりなんなりの前兆じゃないことが分かって俺はホッとしていた。あの子に何かもしものことがあったらじんに申し訳が立たないからな。

えいが大人しい性格なのも、クワガタ人間ルカニディアの形質が発現している可能性が高い。

もしそうなら、ボノボ人間パパニアンを敢えて狙わないのも、それの影響かもしれない。俺があの子達の生態ものものを変えてしまった訳じゃない可能性が出てきて、その点でも少しホッとしていた。

それもこれも、こうやって地道に調査を続けてきたから分かったことだ。やっぱり、<知る>ということは人間にとっては重要な意味を持つことだと実感する。

でないと俺はいつまでもそれを引きずってたかもしれない。『なるようになる』と自分に言い聞かせてても、言い聞かせないといけないということは、そうしないと俺はやたらと気にするタイプだということだし。

これはもう、『こういう性分』な訳で、いくら『気にするな』と言われてもそうそう直るものじゃない。

むしろ、俺がもし、そういうことを気にしなくなったら、きっと、酷くドライな人間になってしまう気がする。じんのこともすぐに忘れてしまうような、な。

考えすぎるくらいに考えるから俺は俺でいられるんだろう。

なんてことを考えながら、今日も密林の中を調査する。細かいことも含めれば、毎日のように新しい発見がある。

と言っても、それらすべてが俺達にとって有益なものばかりとは限らない。

それどころか、殆どが『どうでもいいもの』だったりする。しかしその中に有益なものが含まれていることもある限りは、調査を続ける意味もあるだろう。

ただ、そんな俺達を、例のヒト蜘蛛アラクネが今日も付け狙っている。

だから俺はそいつのことを、ばんと名付けた。<人間にも見える部分>は女性のそれだが、実はばん自身は雄であることも分かっている。

非常にややこしいが、それもヒト蜘蛛アラクネの特徴なんだ。<人間にも見える部分>の見かけ上の性別とヒト蜘蛛アラクネ自身の性別は必ずしも合致しないという。

紛らわしい話だよ。

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