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新世代
明編 巣立ち
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新暦〇〇二八年九月二十八日。
墓と言えば、嶽の墓も既に作らせてもらってる。同じようにエレクシアに建ててもらったんだ。
すっかり、鱗の鎧と骨だけになったそれは、埋めるには大きすぎたのでそのままだが。こうなるとある種のモニュメントのようにも見えるな。
明と角の巣になっている鵺竜の亡骸のように、他の動物の巣になったりもしていくのかもしれない。
ちなみに、本来の鵺竜も、嶽のような鎧こそもたないが元々の皮膚が非常に丈夫なので、同じ大型の鵺竜くらいでないと皮膚ごと食べることもあまりないようだ。
なんにせよ、これで迫と嶽の墓もきちんとできたし、俺としてもなんだかホッとしたよ。
だが、明の日常は俺の気持ちとは関係なく淡々と続く。
他のマンティアンと遭遇して戦いになるというのもやはりあったが、明が見逃すと二度と現れなかった。これが<普通>なんだよな。
ところで、ある程度の強さを持ったマンティアンなら、決まった縄張りを確保できるので、他の縄張りまで出向いてってことはあまりしない。
なので、そうやって遭遇するのは、多くがまだ決まった縄張りを持っていない若いマンティアンということになる。それを生き延び、他のマンティアンから縄張りを奪い取れる者が子孫を残せるということになるか。
厳しい世界だ。
しかし、それくらいでないと今度は数が増えすぎてバランスが崩れるであろうことも事実。
明の息子の鋭はそんな世界を生きていけるのだろうか。
なんてことがありつつ日々は過ぎ、ある日、明がいつものように巣から出てこなかった。気配はあるので、生きてるのは間違いないんだが、とにかく出てこようとしないんだ。
「妊娠、ですかね」
シモーヌが、ドローンによって捉えられた明のバイタルを確認しながら言った。
「鋭が本当なら巣立っててもおかしくない年齢になってかなり経つからな。それを考えれば次子ができるのも当然か」
そう。鋭は、すでにいい歳なのである。
例の<鵺竜の亡骸の家>には戻らなくなって長い。自分で雨露をしのげる場所を探しながら、親の縄張りの中を転々としている状態だった。一般的には巣立ちに向けた最終段階なんだが、実はそれがもう十年ほど続いている。
鋭にとってはそれでいいらしい。
が、そこに、次子の妊娠。こうなると、明はともかく角は容赦してくれないだろう。
と思っていたら、鋭と角(かく)がばったりと出くわしてしまった。すると案の定、角がすさまじい殺気を放ちながら、鋭へと近付いていく。
ここで鋭が逃げなければ、最悪、角に殺されて食われてしまうことだってある。
「鋭…逃げてくれ……!」
俺は祈らずにいられなかった。自分の孫が娘婿に食われるところなんて見たくもない。
そんな俺の想いが通じたわけでもないだろうが、鋭はじりじりとその場から下がって、密林の中へと消えたのだった。
墓と言えば、嶽の墓も既に作らせてもらってる。同じようにエレクシアに建ててもらったんだ。
すっかり、鱗の鎧と骨だけになったそれは、埋めるには大きすぎたのでそのままだが。こうなるとある種のモニュメントのようにも見えるな。
明と角の巣になっている鵺竜の亡骸のように、他の動物の巣になったりもしていくのかもしれない。
ちなみに、本来の鵺竜も、嶽のような鎧こそもたないが元々の皮膚が非常に丈夫なので、同じ大型の鵺竜くらいでないと皮膚ごと食べることもあまりないようだ。
なんにせよ、これで迫と嶽の墓もきちんとできたし、俺としてもなんだかホッとしたよ。
だが、明の日常は俺の気持ちとは関係なく淡々と続く。
他のマンティアンと遭遇して戦いになるというのもやはりあったが、明が見逃すと二度と現れなかった。これが<普通>なんだよな。
ところで、ある程度の強さを持ったマンティアンなら、決まった縄張りを確保できるので、他の縄張りまで出向いてってことはあまりしない。
なので、そうやって遭遇するのは、多くがまだ決まった縄張りを持っていない若いマンティアンということになる。それを生き延び、他のマンティアンから縄張りを奪い取れる者が子孫を残せるということになるか。
厳しい世界だ。
しかし、それくらいでないと今度は数が増えすぎてバランスが崩れるであろうことも事実。
明の息子の鋭はそんな世界を生きていけるのだろうか。
なんてことがありつつ日々は過ぎ、ある日、明がいつものように巣から出てこなかった。気配はあるので、生きてるのは間違いないんだが、とにかく出てこようとしないんだ。
「妊娠、ですかね」
シモーヌが、ドローンによって捉えられた明のバイタルを確認しながら言った。
「鋭が本当なら巣立っててもおかしくない年齢になってかなり経つからな。それを考えれば次子ができるのも当然か」
そう。鋭は、すでにいい歳なのである。
例の<鵺竜の亡骸の家>には戻らなくなって長い。自分で雨露をしのげる場所を探しながら、親の縄張りの中を転々としている状態だった。一般的には巣立ちに向けた最終段階なんだが、実はそれがもう十年ほど続いている。
鋭にとってはそれでいいらしい。
が、そこに、次子の妊娠。こうなると、明はともかく角は容赦してくれないだろう。
と思っていたら、鋭と角(かく)がばったりと出くわしてしまった。すると案の定、角がすさまじい殺気を放ちながら、鋭へと近付いていく。
ここで鋭が逃げなければ、最悪、角に殺されて食われてしまうことだってある。
「鋭…逃げてくれ……!」
俺は祈らずにいられなかった。自分の孫が娘婿に食われるところなんて見たくもない。
そんな俺の想いが通じたわけでもないだろうが、鋭はじりじりとその場から下がって、密林の中へと消えたのだった。
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