1,030 / 2,961
第三世代
ルコア編 試着
しおりを挟む
「じゃあ、ビアンカ。改めてルコアのことを頼む。正直、今はビアンカにしか頼めない」
「うん。分かってる。私も、今のこの姿に生まれたってなったばっかりの時は辛かった。毎日、『夢なら覚めてほしい』って思ってたりもした。だけど、少佐が今の私を愛してくれるからね。この体に生まれたからこそだって思ってる……」
まずはコーネリアス号でいろいろ調べるために留まってもらうのに、ビアンカに付き添ってもらうことに正式に決まった。境遇が一番似ていて、しかも他人に対しても丁寧に接してくれる彼女が適任だと思ったし、ルコアもすでに彼女に懐き始めてるみたいだしな。
「しばらく久利生とは離れ離れになるのは申し訳ない」
俺が言うと、画面内の彼女は、照れたように苦笑いを浮かべながら、
「帰ったらまた一緒にいられますから…!」
と応えた。
透明な体じゃなかったら、きっと耳まで真っ赤になってただろう。と言うか、そういう風にも見える。
何度も言うが、シモーヌやビアンカや久利生は、血液を含めた体液まで透明だから、照れたりしても顔色が変わったりしないんだ。それなのに不思議と、顔が赤くなってるようにも思えるんだよな。
だがこれは、俺が彼女達の表情から感情が推測できるくらい、その<ひととなり>を知っているからこそのものだと思う。それがあればこそ、俺の脳が勝手に変換してそういう風に見せてるんだろう。
となれば、ルコアのこともそう見えるまでにならなきゃな。
風呂に入ってる間にモニカ(アリス初号機)が作ってくれた<ボトム>を穿いた時、ルコアは、
「あ…!」
と驚いたような表情をしたそうだ。頭から被るようにして着たそれが、自分の胴にぴったりと収まったからだろうな。
「どう? モニカが作ってくれたものだから大丈夫だと思うけど、窮屈とかない?」
ビアンカが尋ねると、
「うん…大丈夫……」
と応えてくれたんだと。
しかも、<向こう>の服は、ようやく木綿の糸を簡単な織機で織っただけの原始的な布を用いたものになったところらしく、コーネリアス号に残されていた材料を用いて作ったそれの着心地にも驚いていたらしい。
コーネリアス号が現役だった頃に作られた人工繊維の時点で、人間が追い求めた安全性や着心地や機能性についてはほぼほぼ完成の域に達してたらしいからな。はっきり言って品質がどうしても均一にはならない天然繊維を上回ってしまっている。
だからルコアは、何度もTシャツやボトムに触れて、その感触を味わっていたみたいだな。
「うん。分かってる。私も、今のこの姿に生まれたってなったばっかりの時は辛かった。毎日、『夢なら覚めてほしい』って思ってたりもした。だけど、少佐が今の私を愛してくれるからね。この体に生まれたからこそだって思ってる……」
まずはコーネリアス号でいろいろ調べるために留まってもらうのに、ビアンカに付き添ってもらうことに正式に決まった。境遇が一番似ていて、しかも他人に対しても丁寧に接してくれる彼女が適任だと思ったし、ルコアもすでに彼女に懐き始めてるみたいだしな。
「しばらく久利生とは離れ離れになるのは申し訳ない」
俺が言うと、画面内の彼女は、照れたように苦笑いを浮かべながら、
「帰ったらまた一緒にいられますから…!」
と応えた。
透明な体じゃなかったら、きっと耳まで真っ赤になってただろう。と言うか、そういう風にも見える。
何度も言うが、シモーヌやビアンカや久利生は、血液を含めた体液まで透明だから、照れたりしても顔色が変わったりしないんだ。それなのに不思議と、顔が赤くなってるようにも思えるんだよな。
だがこれは、俺が彼女達の表情から感情が推測できるくらい、その<ひととなり>を知っているからこそのものだと思う。それがあればこそ、俺の脳が勝手に変換してそういう風に見せてるんだろう。
となれば、ルコアのこともそう見えるまでにならなきゃな。
風呂に入ってる間にモニカ(アリス初号機)が作ってくれた<ボトム>を穿いた時、ルコアは、
「あ…!」
と驚いたような表情をしたそうだ。頭から被るようにして着たそれが、自分の胴にぴったりと収まったからだろうな。
「どう? モニカが作ってくれたものだから大丈夫だと思うけど、窮屈とかない?」
ビアンカが尋ねると、
「うん…大丈夫……」
と応えてくれたんだと。
しかも、<向こう>の服は、ようやく木綿の糸を簡単な織機で織っただけの原始的な布を用いたものになったところらしく、コーネリアス号に残されていた材料を用いて作ったそれの着心地にも驚いていたらしい。
コーネリアス号が現役だった頃に作られた人工繊維の時点で、人間が追い求めた安全性や着心地や機能性についてはほぼほぼ完成の域に達してたらしいからな。はっきり言って品質がどうしても均一にはならない天然繊維を上回ってしまっている。
だからルコアは、何度もTシャツやボトムに触れて、その感触を味わっていたみたいだな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
僕の秘密を知った自称勇者が聖剣を寄越せと言ってきたので渡してみた
黒木メイ
ファンタジー
世界に一人しかいないと言われている『勇者』。
その『勇者』は今、ワグナー王国にいるらしい。
曖昧なのには理由があった。
『勇者』だと思わしき少年、レンが頑なに「僕は勇者じゃない」と言っているからだ。
どんなに周りが勇者だと持て囃してもレンは認めようとしない。
※小説家になろうにも随時転載中。
レンはただ、ある目的のついでに人々を助けただけだと言う。
それでも皆はレンが勇者だと思っていた。
突如日本という国から彼らが転移してくるまでは。
はたして、レンは本当に勇者ではないのか……。
ざまぁあり・友情あり・謎ありな作品です。
※小説家になろう、カクヨム、ネオページにも掲載。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ゲームコインをザクザク現金化。還暦オジ、田舎で世界を攻略中
あ、まん。
ファンタジー
仕事一筋40年。
結婚もせずに会社に尽くしてきた二瓶豆丸。
定年を迎え、静かな余生を求めて山奥へ移住する。
だが、突如世界が“数値化”され、現実がゲームのように変貌。
唯一の趣味だった15年続けた積みゲー「モリモリ」が、 なぜか現実世界とリンクし始める。
化け物が徘徊する世界で出会ったひとりの少女、滝川歩茶。
彼女を守るため、豆丸は“積みゲー”スキルを駆使して立ち上がる。
現金化されるコイン、召喚されるゲームキャラたち、 そして迫りくる謎の敵――。
これは、還暦オジが挑む、〝人生最後の積みゲー〟であり〝世界最後の攻略戦〟である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる