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第三世代
灯編 親族としてのアドバイス
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新暦〇〇三五年六月二十五日
そうだ。問題なのは基本的にケインと未来の関係だ。明確な攻撃性を見せないケインに対し、未来は、
『家族や仲間を守るためなら一切容赦しない』
を信条としてるみたいだしな。
実に頼もしいものの、新しく迎える者を<家族>や<仲間>として受け入れてくれるかどうかは、なかなか神経を使う。黎明についてはすぐに受け入れてくれたんだがなあ。
でもまあそれについては、最初から笑顔のビアンカが抱いて周りの全員も黎明にデレデレだったから、何の危険も感じなかったんだろう。
一方、ケインの場合は、『事故が起こらないように』とどうしても緊張してるからな。その緊張が伝わると、未来も緊張して当然だ。黎明の時とは違ってきてしまうのは間違いない。
大人としてそういうことも考えなきゃならない。子供に対して頭ごなしに、
『仲良くしろ!』
というのは、<お花畑>が過ぎるだろう。子供だって子供なりにいろいろ考えてる。特に未来は、『家族や仲間を守らなきゃ』という気持ちが明らかに強い。<敵>と認識されるとそれを覆すのは容易じゃないと思う。だから俺達大人が、
『ケインは敵じゃないと、未来にも分かるように示す』
必要があるんだ。それを怠っておいて『仲良くしろ!』なんてのは、怠慢が過ぎる。他所の家庭の方針にあれこれ言うのは違うから直接は口出しはしないものの、仮にとはいえビアンカもいわば俺の<娘>だし、ケインはその娘が生んだ子だから俺にとっては<孫>みたいなものだし、実の娘である灯もいる以上は、
<親族としてのアドバイス>
の範囲でならあれこれ言うぞ。
などと思うんだが、その必要もないんだよな。向こうの家庭も。
俺がとやかく言わなくたって、ちゃんとやってくれる。ケインのことも未来のことも、しっかりと気遣ってくれる。
育児室を出たケインは、今度はビアンカの本体の背を自分の居場所として決めたようだ。ビアンカの本体の背に乗ったまま、動こうとしない。そこが一番安全だと感じたんだろうな。
「……」
未来も、ビアンカが警戒していないことから、ケインに意識は向けながらも取り敢えずは静観の構えのようだ。
『気に入らない相手には攻撃的に振る舞う』
未来の周りの大人達がそういうことをしないから、彼もそれに倣っているんだろう。と同時に、以前と変わらずハートマンやグレイやビアンカに<力比べ>を挑みかかるというのはそのままだ。それに加えて、灯を相手に、
<ミット打ち>
みたいなことも始めたな。それによってストレスも発散してるんだと思う。
ちなみにそれ用のグローブもコーネリアス号の備品から見繕って用意してもらった。衝撃から手を保護するためのグローブを、灯に着けてもらってるんだ。
そうだ。問題なのは基本的にケインと未来の関係だ。明確な攻撃性を見せないケインに対し、未来は、
『家族や仲間を守るためなら一切容赦しない』
を信条としてるみたいだしな。
実に頼もしいものの、新しく迎える者を<家族>や<仲間>として受け入れてくれるかどうかは、なかなか神経を使う。黎明についてはすぐに受け入れてくれたんだがなあ。
でもまあそれについては、最初から笑顔のビアンカが抱いて周りの全員も黎明にデレデレだったから、何の危険も感じなかったんだろう。
一方、ケインの場合は、『事故が起こらないように』とどうしても緊張してるからな。その緊張が伝わると、未来も緊張して当然だ。黎明の時とは違ってきてしまうのは間違いない。
大人としてそういうことも考えなきゃならない。子供に対して頭ごなしに、
『仲良くしろ!』
というのは、<お花畑>が過ぎるだろう。子供だって子供なりにいろいろ考えてる。特に未来は、『家族や仲間を守らなきゃ』という気持ちが明らかに強い。<敵>と認識されるとそれを覆すのは容易じゃないと思う。だから俺達大人が、
『ケインは敵じゃないと、未来にも分かるように示す』
必要があるんだ。それを怠っておいて『仲良くしろ!』なんてのは、怠慢が過ぎる。他所の家庭の方針にあれこれ言うのは違うから直接は口出しはしないものの、仮にとはいえビアンカもいわば俺の<娘>だし、ケインはその娘が生んだ子だから俺にとっては<孫>みたいなものだし、実の娘である灯もいる以上は、
<親族としてのアドバイス>
の範囲でならあれこれ言うぞ。
などと思うんだが、その必要もないんだよな。向こうの家庭も。
俺がとやかく言わなくたって、ちゃんとやってくれる。ケインのことも未来のことも、しっかりと気遣ってくれる。
育児室を出たケインは、今度はビアンカの本体の背を自分の居場所として決めたようだ。ビアンカの本体の背に乗ったまま、動こうとしない。そこが一番安全だと感じたんだろうな。
「……」
未来も、ビアンカが警戒していないことから、ケインに意識は向けながらも取り敢えずは静観の構えのようだ。
『気に入らない相手には攻撃的に振る舞う』
未来の周りの大人達がそういうことをしないから、彼もそれに倣っているんだろう。と同時に、以前と変わらずハートマンやグレイやビアンカに<力比べ>を挑みかかるというのはそのままだ。それに加えて、灯を相手に、
<ミット打ち>
みたいなことも始めたな。それによってストレスも発散してるんだと思う。
ちなみにそれ用のグローブもコーネリアス号の備品から見繕って用意してもらった。衝撃から手を保護するためのグローブを、灯に着けてもらってるんだ。
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