1,693 / 2,961
第四世代
シモーヌ編 期待と落胆
しおりを挟む
実際、河に落雷があったからといって必ずあの不定形生物が決まった形を持つわけじゃないのは分かってる。落雷した場所のすぐ近くにいなければダメなのはもちろん、他にも条件はあるのかもしれない。
だから今回、何もなかったのはむしろ当然だ。何もない場合の方が確実に多いはずなんだ。
と、自分に言い聞かせる。そしてそれは、シオも同じようだった。ただし彼女の場合だと、
『レックスが現れてくれるかもしれない……』
そんな期待を込めたものだろうから、俺のそれと違って、<落胆>というニュアンスが強いものだろうが。
これは、シモーヌも同じだった。
「私も、レックスが現れることをずっと期待してた……錬是には悪いけどね」
困ったような寂しいような笑みを浮かべながらそう言う。けれど俺は、
「いや、別に俺に遠慮することはないさ。そう思ってしまうのは当然のことだと俺も感じるしな」
そうだ。シモーヌは、地球人社会での解釈からすれば<人間>じゃないとしても少なくとも俺は彼女を人間だと思ってるから、人間として接すればこそ、そんな感情を抱いてしまうこともあって当然だと考えてるんだ。
『人間というのは、常に自分にとって都合のいい存在でいてくれることはない』
その事実を理解してないと生きるのもつらいだけだ。そもそも自分にとって都合がいいわけじゃないんだから、過剰な期待をするのは正しくないし、勝手に期待しておいて自分の思い通りにならなかったからといって『裏切られた!』なんて考えるのはそもそも筋違いだからな。
そんな風に勝手に自分に期待して思い通りにならなかったら『裏切られた!』とかキレられるなんて、迷惑以外の何ものでもないだろう。自分に当てはめて考えてみれば分かるはずだ。
勝手に思いを寄せられてそれに応えなかったからといって恨まれるとか、納得できるか? できないだろう? そういうことだ。
シモーヌを愛しているのはあくまで俺自身の個人的な気持ち。彼女がレックスのことを忘れられないとしてもそれはシモーヌ自身の気持ちであって俺のものじゃない。その当たり前の事実を俺は理解してるだけだよ。
以前にも触れたが、
<レックスや瑠衣を愛しているシモーヌ>
を、俺は愛しているんだ。誰かを愛するというのは、そういうことのはずだ。
だとすれば、まだ顕現して間もないシオがレックスを想って、彼が現れることを期待するなんてのは、何も不自然なことじゃないさ。
そんなこんなもありつつ、天候が回復してきたのを見計らって、アリアンを派遣し、サルベージされたホビットMk-Ⅱを回収してもらったのだった。
だから今回、何もなかったのはむしろ当然だ。何もない場合の方が確実に多いはずなんだ。
と、自分に言い聞かせる。そしてそれは、シオも同じようだった。ただし彼女の場合だと、
『レックスが現れてくれるかもしれない……』
そんな期待を込めたものだろうから、俺のそれと違って、<落胆>というニュアンスが強いものだろうが。
これは、シモーヌも同じだった。
「私も、レックスが現れることをずっと期待してた……錬是には悪いけどね」
困ったような寂しいような笑みを浮かべながらそう言う。けれど俺は、
「いや、別に俺に遠慮することはないさ。そう思ってしまうのは当然のことだと俺も感じるしな」
そうだ。シモーヌは、地球人社会での解釈からすれば<人間>じゃないとしても少なくとも俺は彼女を人間だと思ってるから、人間として接すればこそ、そんな感情を抱いてしまうこともあって当然だと考えてるんだ。
『人間というのは、常に自分にとって都合のいい存在でいてくれることはない』
その事実を理解してないと生きるのもつらいだけだ。そもそも自分にとって都合がいいわけじゃないんだから、過剰な期待をするのは正しくないし、勝手に期待しておいて自分の思い通りにならなかったからといって『裏切られた!』なんて考えるのはそもそも筋違いだからな。
そんな風に勝手に自分に期待して思い通りにならなかったら『裏切られた!』とかキレられるなんて、迷惑以外の何ものでもないだろう。自分に当てはめて考えてみれば分かるはずだ。
勝手に思いを寄せられてそれに応えなかったからといって恨まれるとか、納得できるか? できないだろう? そういうことだ。
シモーヌを愛しているのはあくまで俺自身の個人的な気持ち。彼女がレックスのことを忘れられないとしてもそれはシモーヌ自身の気持ちであって俺のものじゃない。その当たり前の事実を俺は理解してるだけだよ。
以前にも触れたが、
<レックスや瑠衣を愛しているシモーヌ>
を、俺は愛しているんだ。誰かを愛するというのは、そういうことのはずだ。
だとすれば、まだ顕現して間もないシオがレックスを想って、彼が現れることを期待するなんてのは、何も不自然なことじゃないさ。
そんなこんなもありつつ、天候が回復してきたのを見計らって、アリアンを派遣し、サルベージされたホビットMk-Ⅱを回収してもらったのだった。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない
あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる