1,718 / 2,961
第四世代
シモーヌ編 ばあちゃ
しおりを挟む
新暦〇〇三六年六月十七日
こうしてアリニドラニ村のライフラインもほぼ完成し、斗真はいよいよ鍛冶としての腕を磨き始めていた。
それを確かめつつ、俺はシモーヌの様子を窺う。
というのも、彼女は時折、
「ふう……」
って感じで溜め息を吐くようになったんだ。それも、本人は気付いてなさそうなくらいに小さく。そして同時に、寂しそうな表情もする。
すると、
「ばあちゃ、ばあちゃ」
声を上げながら彼女の膝に抱き付いてきたのは、萌花だった。あと二ヶ月半ほどで二歳になる萌花は、外見は五歳くらいにも見えながら、振る舞いはやっぱり二歳になるかならないかって感じだった。
身体能力的にも、もうすでに家の屋根までなら軽々と駆け上がることもできつつも、やっぱり服を着るのが嫌いで、いつもすっぽんぽんだった。だけど、母親の光も姉の和も兄の陽も通った道なので、気にしない。本人が必要だと思えばそのうち着るようになってくれるだろう。
邪な目で見る人間がいればそれはまた事情が違うとしても、少なくとも今はそうじゃないしな。
そんな萌花を見ると、シモーヌは途端に笑顔になる。
「はあい、おばあちゃんですよ♡」
血は繋がってないが、光にとっては<育ての母>というわけでもないが、ここでは<お祖父ちゃん>である俺のパートナーとして<お祖母ちゃん>的な存在だからな。そう呼ばれることには違和感はないし、シモーヌ本人も嫌がっていない。だいたい、彼女だってオリジナルのシモーヌの年齢をプラスすればもう孫どころか曾孫がいても何もおかしくない年齢だしな。
そうして、<お祖母ちゃん>に甘えて、萌花は眠そうにとろんとした表情になっていた。お昼寝の時間なんだ。萌花は実兄の陽に比べるとよく寝る子だった。お昼寝の時間以外でも気付いたら寝てることがある。しかも夜もよく寝るので、一日で十二時間ほど寝てたりもする。
ただ、体には何も異常はなさそうなので、それが彼女の特徴なんだと思い、受け止めるようにしてる。和と陽も、無理に起こそうとしたりしないでそっとしておいてくれるしな。
ちなみに、和は満九歳になったところ。陽は七歳半だ。二人とも外見上はもうほぼ<大人>と言っていい。実際、パパニアンとしては十分に成体と同等のことができる。たぶん、子供だって作れる。
しかし、<人間>としてみるとやはりまだまだあどけないところはある。
けれど、それでいて、
「陽、寝るんだったらこっちでね」
和が、シモーヌの膝に抱き付いた状態でうとうとし始めた萌花を抱き上げて、タープの下のビーチチェアに寝かせてくれた。
その姿はもう<お姉ちゃん>と言うよりは<若い母親>にも見えなくなかったりするな。
こうしてアリニドラニ村のライフラインもほぼ完成し、斗真はいよいよ鍛冶としての腕を磨き始めていた。
それを確かめつつ、俺はシモーヌの様子を窺う。
というのも、彼女は時折、
「ふう……」
って感じで溜め息を吐くようになったんだ。それも、本人は気付いてなさそうなくらいに小さく。そして同時に、寂しそうな表情もする。
すると、
「ばあちゃ、ばあちゃ」
声を上げながら彼女の膝に抱き付いてきたのは、萌花だった。あと二ヶ月半ほどで二歳になる萌花は、外見は五歳くらいにも見えながら、振る舞いはやっぱり二歳になるかならないかって感じだった。
身体能力的にも、もうすでに家の屋根までなら軽々と駆け上がることもできつつも、やっぱり服を着るのが嫌いで、いつもすっぽんぽんだった。だけど、母親の光も姉の和も兄の陽も通った道なので、気にしない。本人が必要だと思えばそのうち着るようになってくれるだろう。
邪な目で見る人間がいればそれはまた事情が違うとしても、少なくとも今はそうじゃないしな。
そんな萌花を見ると、シモーヌは途端に笑顔になる。
「はあい、おばあちゃんですよ♡」
血は繋がってないが、光にとっては<育ての母>というわけでもないが、ここでは<お祖父ちゃん>である俺のパートナーとして<お祖母ちゃん>的な存在だからな。そう呼ばれることには違和感はないし、シモーヌ本人も嫌がっていない。だいたい、彼女だってオリジナルのシモーヌの年齢をプラスすればもう孫どころか曾孫がいても何もおかしくない年齢だしな。
そうして、<お祖母ちゃん>に甘えて、萌花は眠そうにとろんとした表情になっていた。お昼寝の時間なんだ。萌花は実兄の陽に比べるとよく寝る子だった。お昼寝の時間以外でも気付いたら寝てることがある。しかも夜もよく寝るので、一日で十二時間ほど寝てたりもする。
ただ、体には何も異常はなさそうなので、それが彼女の特徴なんだと思い、受け止めるようにしてる。和と陽も、無理に起こそうとしたりしないでそっとしておいてくれるしな。
ちなみに、和は満九歳になったところ。陽は七歳半だ。二人とも外見上はもうほぼ<大人>と言っていい。実際、パパニアンとしては十分に成体と同等のことができる。たぶん、子供だって作れる。
しかし、<人間>としてみるとやはりまだまだあどけないところはある。
けれど、それでいて、
「陽、寝るんだったらこっちでね」
和が、シモーヌの膝に抱き付いた状態でうとうとし始めた萌花を抱き上げて、タープの下のビーチチェアに寝かせてくれた。
その姿はもう<お姉ちゃん>と言うよりは<若い母親>にも見えなくなかったりするな。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます
竹桜
ファンタジー
ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。
そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。
そして、ヒロインは4人いる。
ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。
エンドのルートしては六種類ある。
バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。
残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。
大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる