1,821 / 2,961
第四世代
光編 まずは仲間を守る
しおりを挟む
いざとなればルイーゼを囮にする覚悟も持ちつつ、今の時点では斗真と一緒に避難をしてもらう。
人間や人間の気配をさせるものに対して異常な攻撃性を見せる怪物であるヒト蛇の場合、斗真は直接の攻撃対象にはならないかもしれないが、蛮のところに現れたヒト蛇は、そういうのもまったくお構いなしで目についた生き物を片っ端から攻撃するような様子も見せてたし、あの巨大な体を維持するためには大量の食糧が必要だしで、捕食される可能性もあるから残しておくわけにはいかなかった。
「桜華……」
避難の準備をしていると、ルイーゼが心配そうにそう呟いた。桜華のことをそんな風に思ってくれているんだと分かって、やはり彼女のことも見殺しにはできないと改めて感じる。すると光も、
「大丈夫。私もルイーゼのことは守りたいと思ってる」
敢えてそう口にした。自分の腕の中で寝ている萌花を見つめながら。
ああそうだ。光は野生のメンタリティを持つことで冷淡にして冷酷な感性も持ちつつ、<仲間>については手厚く庇護する必要性も理解してくれている。『まずは仲間を守る』という考えも持たない者に信頼を寄せてくれる人間はそうはいないだろうから、これも大事だ。
その点、<仲間じゃない者>に対しては非情だったりもするだろうが、こちらも<上に立つ者>には求められる資質だろうしな。その<仲間>の範囲が、
<自分と同じ人間(地球人含む)>
であればそれでいいだけで。
かつての地球人は、リソースの関係もあって<仲間>の範囲が狭かったことで同じ人間同士で争うことにもなったが、朋群人社会ではそのリソースをまず十分に確保することで、
<生きるためのリソースの奪い合い>
は回避したいと思う。相手が同じ人間であればこそ、恨みも尾を引くしな。
今も自分がそう考えられていることを確認して、状況を見守る。その俺の腕の中には錬慈。シモーヌは、授乳の後で仮眠をとっている。これも精神の安定を保つには必要なことだ。
地球人の中には、
『自分はこんなに大変だ』
『自分なこんなに頑張ってる』
というのをアピールしたがる者もいたが、そんなことを誇って他者を見下し嘲るようなことをしていてそれで敬ってもらえると本気で思ってたのかねえ。
だからこそ、たとえルイーゼがヒト蛇を引き寄せてるんだとしても、<仲間>として守る。そして光がそれを分かってくれていることを確認する。
自分がきちんと守られる実感があるからこそ、社会において力を発揮しようと思えるというのもあるはずだしな。
人間や人間の気配をさせるものに対して異常な攻撃性を見せる怪物であるヒト蛇の場合、斗真は直接の攻撃対象にはならないかもしれないが、蛮のところに現れたヒト蛇は、そういうのもまったくお構いなしで目についた生き物を片っ端から攻撃するような様子も見せてたし、あの巨大な体を維持するためには大量の食糧が必要だしで、捕食される可能性もあるから残しておくわけにはいかなかった。
「桜華……」
避難の準備をしていると、ルイーゼが心配そうにそう呟いた。桜華のことをそんな風に思ってくれているんだと分かって、やはり彼女のことも見殺しにはできないと改めて感じる。すると光も、
「大丈夫。私もルイーゼのことは守りたいと思ってる」
敢えてそう口にした。自分の腕の中で寝ている萌花を見つめながら。
ああそうだ。光は野生のメンタリティを持つことで冷淡にして冷酷な感性も持ちつつ、<仲間>については手厚く庇護する必要性も理解してくれている。『まずは仲間を守る』という考えも持たない者に信頼を寄せてくれる人間はそうはいないだろうから、これも大事だ。
その点、<仲間じゃない者>に対しては非情だったりもするだろうが、こちらも<上に立つ者>には求められる資質だろうしな。その<仲間>の範囲が、
<自分と同じ人間(地球人含む)>
であればそれでいいだけで。
かつての地球人は、リソースの関係もあって<仲間>の範囲が狭かったことで同じ人間同士で争うことにもなったが、朋群人社会ではそのリソースをまず十分に確保することで、
<生きるためのリソースの奪い合い>
は回避したいと思う。相手が同じ人間であればこそ、恨みも尾を引くしな。
今も自分がそう考えられていることを確認して、状況を見守る。その俺の腕の中には錬慈。シモーヌは、授乳の後で仮眠をとっている。これも精神の安定を保つには必要なことだ。
地球人の中には、
『自分はこんなに大変だ』
『自分なこんなに頑張ってる』
というのをアピールしたがる者もいたが、そんなことを誇って他者を見下し嘲るようなことをしていてそれで敬ってもらえると本気で思ってたのかねえ。
だからこそ、たとえルイーゼがヒト蛇を引き寄せてるんだとしても、<仲間>として守る。そして光がそれを分かってくれていることを確認する。
自分がきちんと守られる実感があるからこそ、社会において力を発揮しようと思えるというのもあるはずだしな。
0
あなたにおすすめの小説
勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?
猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」
「え?なんて?」
私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。
彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。
私が聖女であることが、どれほど重要なことか。
聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。
―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。
前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。
最上級のパーティで最底辺の扱いを受けていたDランク錬金術師は新パーティで成り上がるようです(完)
みかん畑
ファンタジー
最上級のパーティで『荷物持ち』と嘲笑されていた僕は、パーティからクビを宣告されて抜けることにした。
在籍中は僕が色々肩代わりしてたけど、僕を荷物持ち扱いするくらい優秀な仲間たちなので、抜けても問題はないと思ってます。
ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる