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転生編

普段着ゲット。しかも大量

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『同棲中……? 浮気……? え? ってことは、そういうこと、だよね…?』

今彼女の目の前で行われているやり取りは、ウブな女子中学生のユウカには少々刺激の強い言葉だった。

『しかも女性同士で? キマシってこと……?』

そういうことがあるというのは知識としては知ってたしアニメとかならそれこそよくあることなのだろうが、実際に目の前にすると戸惑わずにはいられなかった。

『私、今、キリオっていう人にモーションかけられたんだよね? だからヌラッカさんっていう人が『浮気、ダメ!』って怒ったんだよね……?』

頭の中がグルグルと回ってしまう感覚。けれど、ただの冗談とも思えなかった。

これは別の意味で不安にならざるを得なかった。

それでもキリオは、

「じゃあ、お近付きのしるしに、この服をあげるよ。サイズもそんなに違わないと思うから上手くアレンジしたら着られるんじゃないかな。ヌラッカにプレゼントしたものだけど、彼女、服が嫌いでほとんど着てくれないから。大丈夫。これは袖も通してないやつだから」

と、抱えるのも少し大変なくらいに気前よく服をくれた。

『こんなたくさん……?』

戸惑うユウカにキリオはウインクしながら、

「ボクはモデルだから服は安く手に入るんだ。まだたくさんあるよ。もらってくれた方が助かる」

『ああ、そういうことなんだ……!』

そう言われれば気が楽になる。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

何度も頭を下げて、二人に見送られながら一端、自分の部屋へと戻った。さすがにこれを持ったままで次の部屋には行けない。

『可愛い……そっか、あのヌラッカさんって人が着る為のなんだから可愛くて当然か。

私にはちょっと可愛すぎるかもだけど、着れなくはないかな。サイズ的にも』

備え付けのクローゼットは決して大きなものではなかったがとにかくそこに服を掛けていく。

ふと見ると、電源を入れた冷蔵庫が微かに音を立てている。

『あ……部屋って感じする……』

クローゼットに掛けられた服と合わせ、少しずつ人が住んでいる部屋になっていく感じがした。

「まあまあ順調かな。このアパートだけじゃ十分には揃わなくても、近所も回ればたぶん一通り揃うよ。もし揃わなくても無料のリサイクル品が指定の場所に行けば手に入るから大丈夫。とにかく、生活基盤を整えるまではみんなが助けてくれるから。そこから先は自分次第だけどね。みんなと関わっていくもよし、昔の私やメジェレナ、今のポルネリッカみたいに自分の世界に閉じこもるもよし。それはあなたの自由」

アーシェスは穏やかにそう言ってくれた。その言葉に、

『なんか……少しホッとした気がする……』

と、ユウカも素直に感じられるようになってきた。

「じゃ、次は二号室だね」

「あ、はい…!」

アーシェスに促され、ユウカは再び一階へと降りたのだった。

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