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転生編

アニソン専門のネットラジオもあるよ

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メジェレナの洗濯も終わり、今日はここまでということでそれぞれの部屋に戻る。

『う~ん、まだ完全には乾いてない感じかなあ。仕方ない。物干し用のロープも買ってあることだしそれ使って干そうか』

と、部屋の中にアーシェスと買い物に行った時に買ってきていた物干し用のロープを張り、そこに洗濯物を掛けた。これで明日には乾いているだろう。

それからユウカはシャワーを浴びた。

『これも洗わなくちゃ』

ついでに汚れた生理用ショーツも手で洗う。これはさすがに以前から自分でもしてたことなので、手慣れたものだった。汚れたままで洗濯物として出すと、母親に小言をもらうからだ。

シャワーを終えて外に出る時、これまではアーシェスが背中を向けてくれているか心配していたものが、今日は特に気にせず出られた。

『なんか、平気になってきたかも』

アーシェスはまだ気を遣って背中を向けてくれてはいたが、も大丈夫かもしれない。さっきの銭湯の様子を見たことが影響しているのだろうか。

ドライヤーで髪を乾かし、ホッと一息ついた。するとアーシェスが、

EIpodエイポッドはネットワークにも繋がるし、ネットラジオでも聞く? ちなみにこのアパートはネット完備だよ」

と、五号室のポルネリッカから貰ったEIpodをテーブルの上に置き、操作した。するとテーブルから音が聞こえ始めた。

「え? これ、テーブルから音が出てるの?」

思わずそう訊いたユウカに、

「EIpodの機能だよ。触れた物体を振動させてスピーカーにしちゃうの。しかもこれ、テレビとかに繋ぐとネットも見られるんだよ。そうだ。明後日は仕事休みでしょ? テレビとかを手に入れに行こうよ。中古でもよかったら無料で手に入るよ」

『そういえばそんなこと聞いた気がする』

ここに来たばかりの者のためのリサイクル品があると聞かされたのを思い出した。

『ここで暮らしていくならやっぱりテレビとかも欲しいな。パソコンもできれば欲しいけど、EIpodでもネットができるんだったら、先にそれがどの程度使えるか確認してからでもいいか』

そんな風に思う。

こういうことを考えられる余裕が出て来たのは、良い傾向だと言えるだろう。彼女がここにますます馴染んできた兆候だろうから。

すると不意にアーシェスが訊いた。

「ユウカはアニメとか好きなんだよね。アニソン専門のネットラジオもあるよ」

「本当!?」

思わず反応してしまった。

『地球のアニメも見られるって聞いていたけど、アニソン専門のネットラジオまであるんだ…!?』

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