第一〇七六四八八星辰荘へようこそ ~あるJC2の異種間交流~(セリフマシマシバージョン)

京衛武百十

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日常編

ユウカの拘り

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写真も撮りまくって憧れの神話生物を堪能したユウカを見届けて、レルゼーはビヤーキーを解放した。

「ちょっと残念だけど、飼うとかムリだもんね」

飛び去っていくビヤーキーに手を振りながらユウカがそう言うと、レルゼーは、

「私がいれば大丈夫…」

と応えたが、ユウカは首を横に振った。

「私の力で飼えないものをレルゼーさんに代わってもらうのはちょっと違う気がする…」

それはユウカなりの拘りだったのかもしれない。自分の力で生活もできるようになったことで、自負心のようなものが芽生えたのだとも言えるだろうか。だが―――――

「でも、もしまた捕まえたら見せてもらってもいいですか?」

と、微笑みながら問い掛ける。

『飼うのは無理だけど、見るだけならね』

などと思ってしまう通り、機会があれば間近で見たいという欲求までは抑えられそうになかった。その辺りが、ユウカの欲求と理性の折り合いということなのだろう。

「分かった…」

自分に真っ直ぐな笑顔を向けてくる彼女に対し、レルゼーの表情が一瞬、柔らかくなったようにも見えた。

それが錯覚の類である可能性も否定できないが、たとえ事実であったとしてもそれほど驚くことでもない。何しろここは<書庫>なのだから。こうやって人間と邪神が顔を合わせて歓談してるだけでも本来は有り得ないのだ。

だからと言って邪神カハ=レルゼルブゥアがこれ以上人間と慣れ合うかと言えば、それは保証の限りではない。邪神達の精神構造は人間のそれとは根源的に違うのだから。

気が向けば友好的に振る舞ってくることもあるかもしれなくても、そこはあくまで彼女らがそういう気まぐれを起こせばの話である。

決して相容れない価値観や思想というのはここでも存在する。そういう者同士は、争っても無駄だということを理解して互いに無視するか、住み分けることによって衝突を回避するかの二つに一つとなる。その意味では、邪神達はむしろ柔軟であるとも言えるだろう。

「レルゼーさん、ありがとう」

「このくらいのことは、礼を言うに値しない……」

見詰め合う二人に、ガゼが、

「む~……」

と唇を尖らせてやきもきする。

さりとて、

『ここでレルゼーに突っかかっていってもユウカが困るだけだし……』

と、自分への心証が良くなるわけでないことも既に分かっている。だからガゼはこの場は我慢した。ユウカとの関係を良好に保つ為に。

それにここで我慢してストレスが掛かったとしても、あとでユウカに甘えさせてもらえればすぐに解消する。

ガゼも僅かずつではあるが成長してるということなのだろう。



ところで、今回、ビヤーキーと遭遇して腰を抜かした新人スタッフの少年については、先輩達に優しく癒してもらってすぐに立ち直れたそうである。

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